社会人になって

  • 2013年07月25日

社会人になる前と後で、どんな気持ちの変化がありましたか?
私の場合は、配属されたのがお店で、販売員からのスタートでしたから、なんだかバイトの延長のような感じで、社会人になったという自覚は生まれませんでした。
1年ほど経って、ようやく、もう学生じゃないんだと、うっすら感じるといった程度でした。
それに引き替え、友人たちは、入社してすぐに、学生と社会人とのギャップをすぐに感じ取り、なかには1週間でギブアップしそうだと弱気な発言をする人までいました。
学生の皆さん。
あなたたちが思っているより、何倍も、社会人として生きていくことは、大変です。
脅すつもりはないのですが、心して社会人になった方がいいように思います。
それまで信じていた価値観が、吹っ飛ぶような出来事に、たくさんぶつかりますから。

辛い就職活動をなんとか乗り越え、晴れて社会人になったものの、こうした生活がこれからずっと続くのかと思ってしまうと、これが、本当に自分の人生なのだろうかと、不安になる気持ち。
多かれ少なかれ、誰もが経験すること。
こうした心の揺らぎは、単行本の新刊「手の中の天秤」で描いています。
必至で仕事を覚えている頃は、まだいいんです。
緊張していますから、気持ちが張っていて、余計なことを考える暇がありません。
それが、徐々に仕事に慣れていくにつれ、考える暇ができてしまうんですね。
そうすると、これから先、何十年もこれを続けていくのだろうか。
もっと、自分には相応しい仕事があったんじゃないだろうか。
といったことを考えだして、ラビリンス入り。
P1010175
こんな時、どうしたらいいのか。
残念ながら、私は答えをもっていません。
ただ、簡単に答えを出す必要はないのかなとも思います。
社会人になったばかりの、この心の揺らぎは、入口に立って、中を覗いている状態。
当人は、すっかり中を見ているつもりでいるかもしれませんが、ずっと奥には扉があって、その先には素晴らしい世界があるかもしれませんし、横道へ通じる扉もあるかも。
ちゃんと自分の足で、中に入って行き、いくつかの扉をこじ開けて、奥の世界をその目で見てから、撤退するのか、さらに進むのかを決めればいいように思うのです。

息子が入社して1ヵ月で、会社を辞めてしまったと嘆く友人の話を聞きながら、そんなことを思いました。

ブログ内検索

  • アーカイブ


  • Copyright© 2011-2025 Nozomi Katsura All rights reserved. No reproduction and republication without written permission.

    error: Content is protected !!
    Copy Protected by Chetan's WP-Copyprotect.