猛暑の中、バスを待っている時でした。
早く来てくれと、バスがやって来る方向を睨んでいると、背後で女性の声が。
「いい子にしてるのよ」
振り返ると、女性がいて、その人がベビーカーに向けて話し掛けていました。
黒いベビーカーは、日差し避けでしょうか、黒いメッシュ製の蓋のようなもので覆われていました。
そのベビーカーの持ち手には、トイレットペーパーが引っ掛けられ、シートの背後部分にはレジ袋がのせられています。
買い物帰りでしょうかね。
この暑さの中での買い物は、お母さんも赤ちゃんも、大変だと思い、私は再びバスが来るであろう方向へと顔を戻しました。
やがて、バスがやって来て、やれやれと、私はベンチから腰を上げました。
さっきの女性の前を通り過ぎる時、また「いい子にしててちょうだいよ」と、女性がベビーカーに向かって話し掛けています。
なんとなく、ベビーカーの中を覗くと・・・なんと、ビーグル犬でした。
ベビーカーに犬をのせているのを、私は初めて見たのですが、すでにポピュラーになってましたか?
この激暑では、アスファルトもきっと高温になっていることでしょう。
歩くと、火傷しちゃんでしょうかね。
先に乗り込んで座席を確保した私は、どうしたって、後から乗り込んで来るビーグル犬と飼い主の女性に注目してしまいます。
バスの運転手は、ベビーカーの中の犬に気付いたのか、気付かなかったのか、まったく動揺を見せません。
前方の一人掛けの席に座った女性は、自分の横にベビーカーをおき、また「いい子にしててよ」と話し掛けます。
それだけしつこく声をかけるというのは、普段はよっぽど悪い子なんでしょうか。
バスが動き出し、バス停に停まる度、新たなお客さんが乗り込んできます。
件の女性の通路を挟んだ向かい側には、横向きのシルバーシートがありました。
そこに座ったアダルティな女性。
ちらっとベビーカーに目をやり、ん? という顔をして、かけていた眼鏡を一旦外し、今一度中を確認してから、眼鏡をかけ直しました。
良かった。
驚いたのは、私だけじゃなかったようです。
電車の中などで、赤ちゃんを連れているお母さんに、アダルティな女性というのは非常に気軽な様子で話し掛けますよね。
そういう現場を何度も見たことがあります。
何ヵ月? とか、男の子? とか。
あれは、どうしてなのかと、いつも不思議に思っていました。
本能が、声を掛けてしまうのでしょうか。
さて、このアダルティな女性はどうするでしょうか。
興味の対象は人間の赤ちゃんだけでしょうか。
ここでも、声を掛けちゃってほしいと念じながら、じっと見守っていると・・・なんていう犬? と話し掛けました。
よしっ。
と、なぜか私はガッツポーズ。
ビーグル犬ですと答える飼い主。
いくつなの? オス? とアダルティな女性の質問が続きます。
私はそこで、バスを降りてしまったのですが、きっとアダルティな女性の質問は続いていたことでしょう。
見ず知らずの人に話し掛けちゃうアダルティな女性。
嫌いじゃないです。
なんだか、そんな人の小説を書いてみたくなりました。
チョコレートが3度の飯より好きだと吹聴しているせいでしょうか。
チョコレートを頂戴することが多いです。
こちらは、チョレコートジンジャーなるもの。
どろっとした液体状のチョコレートに、ジンジャーが入っているという新手の一品。
どう食べようかと悩みましたが、ここはシンプルに、トーストに塗って、食べることに。
1日目は、塗り過ぎてしまって、トーストを食べている間中、チョコレートジンジャーが垂れてきてしまい、手も皿の上もべっとべとになってしまいましたが、2日目以降は、量を調整して、美味しくいただきました。チョコレートよりジンジャーの方が、舌に残るという、個性的な味わいでした。
こちらも、いただいたチョコレート。
こういう詰め合わせって、嬉しいですよね。
どれからいこうかと、あれこれ悩む段階から楽しい。
どれから食べるかで、性格占いができそうです。
海外の映画やドラマなどを観ていると・・・。
女性がベッドで、こうしたチョコレートの詰め合わせの箱を抱えて食べるというシーンに出くわします。
そうしたシーンが、子どもの頃は羨ましくて、大人になったら、ベッドであんな風にチョコレートをばくばく食べてみたいと思ったものでした。
で、大人になったある時、やってみました。
毎日のようにやっていたところ、4ヵ月で7キロ太りました。
やるもんじゃありませんね。
最近になっても、そうしたシーンを何度か見かけました。
が、よくよく見てみれば、兄の殺害計画を立てた妹が、その兄が罠にひっかるのを待ちながら、夜、ベッドでチョコレートを食べるというシーンだったり、失恋した女子大生が、泣きながらベッドでチョコレートをむさぼるシーン。
これ、ただ物を食べるシーンとは、ちと違う。
チョコレートを食べることが、自分を甘やかす行為の象徴として表現されているんですね。
たとえば、兄の殺害計画を立てた妹がチョコレートを食べるのは、働きもせず、兄に生活の面倒を見て貰っていながら、邪魔になったので殺そうと考えるという自分勝手で、自分の欲望に甘い女性のキャラクターを補強させる道具として、ベッドのチョコレートを使っているのです。
失恋した女子大生もそう。彼のためにダイエットして、綺麗になるために努力を続けてきた女子大生が失恋してしまい、自分を甘やかすことで、傷を癒そうとする。その時自分を甘やかす行為の象徴が、ベッドのチョコレートというわけ。
これ、普通ならやっちゃいけないことの裏返しとして、表現されているシーンですね。
そうしたことを理解せず、やったみたいなどと思ってしまい、実際やってしまう自分の愚かさに、恥じ入るばかりです。
扱いが雑なのでしょうか。
フェイスブラシをよく壊してしまいます。
使用時の毛の長さを調整できると謳った、スライド式のものを使っていたのですが、その調整のかませ部分の作りが弱く、毛が出てこなくなるのです。
しょうがないので、指で引っ張り出し、顔の上で動かそうとすれば、今度は毛がひょいっと引っ込んでしまいます。
数百円のものなので、壊れたら、新しいのを買えばいい話なのですが、それにしたって、壊れ過ぎではないのか? と思うに至り、別の品を探してみることに。
たかがフェイスブラシ。されどフェイスブラシ。
薀蓄も、値段もいろいろあって、ラビリンス。
どうしたもんかと思っていた時に、出合ったのが、こちら。
高級山羊の毛を使った高密度ブラシと謳っています。
5千円弱で、私にとっては結構なお値段。
買うと決心するまで、時間がかかったのは、この値段だけではなく、スライド式ではないという点。
どこに仕舞っておいたとしたって、ほこりをかぶってしまいます。
毛を出しっぱなしでいいのか? ってことは、ほこりをかぶりっぱなしだぞ、との考えを払拭できなかったからです。
さらに、スライド式やキャップ付きでないということは、携帯できないということでもあるわけです。
が、フェイスブラシを使って、化粧直しをしたのが今までの人生で何回あったのかということと、頻繁に旅をする人間ではないということを、冷静に分析した結果、ええい、買っちまえとばかりに、購入。
このブラシにフェイスパウダーをつけて、顔を滑らせてみると・・・わわわ。なんちゅうことでしょう。
すーっと薄く、きれいに粉がのっていきます。
その見事な付きっぷりには、思わず、おいおいと声が出てしまうほどでした。
それまで、付属のパフで塗っていましたが、それは、まさに「塗る」という感覚。
が、同じパウダーなのに、このフェイスブラシで付けると、「薄く付く」という感じ。
ブラシでこんなに仕上がりが違うもんなのか・・・。
目から鱗でございました。
仕舞ってあるレインコートを出さなきゃと、思っているうちに梅雨が明けてしまう。
というのを2年繰り返しました。
なぜ、こんな事態に陥るかといいますと・・・買ったレインコートは、小さく折り畳めるとの謳い文句が付いていて、お揃いのポーチに入れられて売られていました。
ちょうど旅行を計画した時でもあり、そりゃあいいと、購入。
実際、その旅では土砂降りに遭ったので、キャリーバッグに入れていた、そのレインコートを広げて羽織りました。大変役に立ってくれました。
で、旅行から帰った時に、レインコートを畳み直し、ポーチに収納して、キャリーバッグにイン。
これが、まずかった。
普段、キャリーバッグは、クローゼットの最下段に押し込めている、布団の下が定位置。
滅多なことじゃ、取り出せない場所。
梅雨の時期になり、あぁ、あのレインコートをキャリーバッグから出さなきゃと思うものの、なんやかんやと理由をつけちゃ、ぐずぐずしているうちに、気が付けば梅雨が明けていた、となっているのです。
が、今年の私は違っていた。
どこからか、やる気というものが出てきて、よっしゃとの勢いのまま、キャリーバッグを取り出したのです。
中からレインコートを取り出した時には、小さな達成感を覚えてしまいました。
ところが。
翌日、テレビでニュースを見ていたら、アナウンサーさんが関東地方の梅雨は明けた模様と喋っています。
マジで?
その時のがっかり具合は、自分でも驚くほどでした。
そして、始まった今夏の猛暑。
バスを待っている時などには、暑さで私の身体が蒸発してしまうのではないかと思うほどです。
そして、突然襲ってくる豪雨。
どうやら、梅雨が明けても、あのレインコートが活躍する場はあるようです。
あちこちで発生する豪雨によって、被害に遭われた方も多いようです。
お見舞い申し上げます。
この日本で、自然と共に生きることの困難さは、私たちになにを教えてくれるのでしょうか。