映画「ユナイテッド」

  • 2013年08月12日

最近観た映画のDVDの中から、面白かったものを、今日はご紹介。
まずは「ユナイテッド」。
現在香川選手が所属している、イングランドサッカーの名門クラブ、マンチェスター・ユナイテッド。
このチームが1958年に巻き込まれた飛行機事故を扱った映画です。
サッカー大好きと、あちこちで吹いていたくせに、私はこの事故のことをまったく知らなくて、大変反省いたしました。
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最初から飛行機事故の悲劇が暗示されていて、そこに向かっていくという、あっさりした作りなのですが、うまいなぁと思ったのは、試合のシーンが1シーンもなかった点。
フツーですと、昔の実際の映像を挿入して、荒い画質のものを見せるか、俳優にサッカーをさせて、上手に編集といった手に出るところでしょう。
これ、ちょっと白けてしまうというデメリットがあるんですよね。
今は、現役の選手たちのミラクルな試合をたくさん見られるせいで、目が肥えていますから、その臨場感と比べると、やっぱり見劣りがしてしまう。
それが、この作品では試合のシーンをゼロにするという大胆な手法を取っています。
試合のシーンがなくても、サッカー選手の物語は描けると、証明してくれています。
セリフは少なく、俳優の演技力で見せていくという展開。
極端に刈り込まれたセリフに、気持ちが凝縮されていて、胸をつかれます。
結末が予想できるのに、涙が止まらない。
シンプルなストーリーでも、人を感動させることができるのだと、改めて思い知らされ、勉強になった作品でした。

次にご紹介するのは「THE KILLING FIELDS」。
アカデミー賞の3部門を受賞した作品なので、すでにご覧になった方も多いかもしれませんね。
1970年代のカンボジアが舞台です。
アメリカ人記者と、現地の助手、プランの友情が描かれています。
1人の力ではどうにもできないものに巻き込まれいます。
このプランが、とても苦労するんですね。
「もう、お願いだから、生きてね、生きてよ」と画面に向かって声を掛けたくなるほど、過酷な人生が彼を襲います。
そして、ラスト。
胸にずしんとくる感動。
なにもかもがすべて上手くいきましたといった終わりかたではありません。
あまりに失ったものが大きかったのですから。
それでも、最後には小さな光が射しているように思えます。
いい作品です。

100円玉を

  • 2013年08月08日

なにが、がっかりするって、コインロッカーを使用した際の100円玉を、取り忘れたと気付いた時ほどがっかりする時って、ないんじゃないでしょうか?
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美術館に行くと、大抵荷物を預けるコインロッカーがあります。
使用料は100円。
使用後は、その100円が戻されます。
が、この戻された100円を取り忘れるんですね。
もう何度もやっているので、忘れないようコインロッカーを開けた時には「100円、100円」と呟いています。
ところが、眼鏡をケースに仕舞って、バッグに詰めて、などとやっているうちに、忘れちゃう。
忘れ物はないよな、などとロッカーの扉を今一度開けて、指差し点検までするくせに、その人差し指は中の空間しか指していない。
私の人差し指は、100円玉の返却口は指さないのです。
だもんで、取り忘れる。

美術館の帰りにカフェに寄って一休みした後、支払いをしようと財布を覗くと、100円玉がない。
あれっ。
やってもうた。
と、ここからの心の葛藤が長い。
さっきの美術館に戻ろうか。
いや、すでに次の人が使おうとして、返却口に残っている100円玉を発見し、ラッキーと思ったに違いない。
いやいや、次の人は清廉潔白な人で、213番のロッカーに、この100円玉が残っていましたと、スタッフに申し出たかもしれない。
だとしたら、私が忘れましたと申告することこそが、清廉潔白な人に対する誠意ではないのか。
いやいやいや、私がその213番のロッカーに100円を忘れたおっちょこちょいだと、どう証明するのだ?
などと散々心を乱した結果、諦めよう・・・となるのです。
自宅への帰路、車窓から景色を眺めていながらも、心には、あぁ100円が・・・と未練が渦巻き、また、そんなちっさな金額でへこんでいる自分にうんざりしてしまいます。

こうなったら、マジックペンで、人差し指に「100円」と書いておこうかと、半ば真剣に考えたりしています。

北海道に

  • 2013年08月05日

ずっと昔、北海道に行ったのは、夏のことでした。
ツアー旅行で、移動は大型バス。
道はとにかく真っ直ぐで、どこまでも続いていましたっけ。
走っても、走っても、田園風景の大パノラマに、北海道って、広いんだなぁと実感したもんでした。
この広い大地で生まれた松山千春さんが、ああいう曲を作るの、わかるよなぁと私が言うと、隣席の友人から、中島みゆきさんも北海道だよと指摘され、即座に前言撤回するはめになったのも、いい思い出です。
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ドライブインにトイレ休憩で降り立つ度に、とうもろこしや、ジャガバターなどを買って、食べ続けていたのも、若かったからできたことでしょう。

ツアーでは、赤毛のアンのテーマパークで数時間を過ごすよう予定が組まれていました。
随分前に、閉鎖されたと記憶していますが、ここが凄かった。

とにかく広い敷地内に、アンの家や、なんとかの家や、学校やお店といった、小説「赤毛のアン」に描かれているものが、再現されているとのこと。
が、ガイドさんからテーマパーク内の案内図を貰った時に、気が付いたのですが、私は「赤毛のアン」を読んでいませんでした。
したがって、アンが住んでいた家が再現されているのを眺めても、ちっとも楽しくない。
へぇ。
ぐらいの小さな感想程度。
友人もそうだったらしく、熱心に見る気はないようでした。
テーマパーク内にあったお土産屋を覗いたりもしてみましたが、それほど時間を潰せるわけでもなく、だからといって、団体行動のツアー旅行なので、別の観光スポットへ移動することもできません。
さて、どうしたもんかと思っていると、友人が「スタンプがある」と言い出しました。
なんてこった。
友人は大のスタンプ好き。
スタンプが用意されていれば、必ず、押したがります。
そう言われてみれば、ガイトさんから貰った案内図の中に、空白部分があり、どうやら、そこにスタンプを押していく模様。
俄然やる気をだした様子の友人を恨めしく思いながらも、行動を共にするしかありません。
アンの友人の家に行き、私の友人がスタンプを押す。
そこから、気が遠くなりそうになるほど歩き、校長の家に辿り着くと、また友人がスタンプを押す。
この繰り返し。
もう少しでグレてしまいそうでした。
友人はすべてのスタンプを押したのか、またそれに最後まで私が付き合ったのかといった記憶はなくて、ただ集合時間にバスに戻った時についた、自分の吐息の音だけは覚えています。
とんでもないところに来ちまったぜと、当時は思っていましたが、それも含めて、今ではいい思い出になっていますが。

洗濯機が

  • 2013年08月01日

洗濯機のホースに亀裂が入り、水が噴き出しました。
賃貸マンションの管理会社に電話をしたところ、修理の人がやって来たのは、翌日のこと。

今までだと、管理会社からオーナーへ連絡され、了解を取った後に、メンテナンスを請け負っている会社へ連絡がいき、そこから、メーカーの修理センターへ連絡という、まだるっこしい手順を経るため、直るのはいつなのよと、苛々しっぱなしでした。

ところが、今回は、翌日に来てくれたので、よしよしと思っていたのですが・・・。
修理にやってきたポロシャツ姿の男性に背中を向けた状態でパソコンに向かっていたのですが、いつまでたっても「終わりました」の声がかからない。
ホースを交換するだけだというのに、なんだってそんなに時間がかかっているのだろうと思っていると、ポロシャツの声が。
どうも自分の会社の社長に電話をして、相談する作戦に出た模様。
「ホースを交換した時、基盤に水がかかったかもしんなくて、パキンと音がしたんっすよ。そしたら、排水ポンプが動かなくなっちゃって・・・」
えっ?
思わず、キーボードを叩いていた指が止まります。
それ、あなたのミスですよね?
ホースの交換だけで済んだはずなのに、大事にしちゃいましたよね?
と、心の中で、確認。
それからしばらく社長と相談していたポロシャツが、電話を切ると言いました。
「車にある基盤を取ってきます」
近くの駐車場に停めてある車に、基盤とやらを取りに行くと言うのです。
基盤を手に再び現れたポロシャツは、洗濯機の後ろに回り込み、なにやら作業を再開しました。
やがて、私の耳に「パキン」という音が。
続いて聞こえてきたのは、ポロシャツのため息。
おいおい。
思わず立ち上がった私は、腕を組んだ格好で、洗濯機の前へ。
「いったい、どうなってるんです?」と尋ねる私に、すっかり意気消沈した顔のポロシャツは「ちょっと・・・あの・・・なんとか頑張ってみます」と答えました。
やる気があるんだか、ないんだか。
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「あの・・・すみません」と声をかけてきたのは、それから1時間以上経ってからでした。
「終わりましたか?」と聞くと、「この洗濯機、持って帰ります」とポロシャツが言いました。
じっと見つめ返すだけの私に、ポロシャツは、部品がもうないので、取り寄せてから、事務所で修理をし、直った状態のを再び運び入れると説明します。
ホース交換だけだったはずじゃないのと責める言葉が出かかりましたが、ぐっと我慢。
大人になると我慢することが増えますね。
この時点で、ポロシャツがきてから3時間が経過。
さらに、一人では運び出せないため、車と助っ人を調達して再びやってくるとポロシャツは言い、それは2時間後になるとのこと。
今度は私がため息をつく番です。

結局、3時間後にやってきたポロシャツと助っ人は、洗濯機を運び出していきました。
折悪く休日と祝日が続き、直った洗濯機が運び入れられたのは、それから5日後でした。
「直ったのよね」と確認する私に、ポロシャツは元気溌剌といった表情で「はい。ばっちりっす」と答えました。
そのけろっとした顔を見て、言ってやりたいことが山のように浮かんできましたが、ここで喧嘩してもと思い、再びぐっと我慢。
大人って大変です。

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