映画「戦火の馬」
- 2014年05月15日
最近観た映画のDVDの中で、面白かったもののご紹介。
まずは「戦火の馬」。
監督がスティーブン・スピルバーグ。
これだけで映画への期待が高くなりますが、この期待を裏切らないだけの感動の作品となっています。
時代は第一次世界大戦の頃。この時代の人を描くために、中心に馬をもってきたというのが、この作品の肝。
馬とどう触れ合うかによって、その人物のキャラや境遇がすぐにわかるようになっています。
気が付けば、なんとかこの馬に生き延びて欲しいと願ってしまっています。
なかでも馬を匿おうとする幼い少女と、祖父の二人のエピソードがとても効いていて、心に残りました。
少女を思って隠し事をしている祖父と、それがわかっているのに知らないふりをする少女の気持ちが交差するシーンにじーんとします。
時代に翻弄された馬は、当時の大勢の人を象徴していて、運命というものを考えさせられます。
次は「ソウフ・サーファー」。
ハワイで暮らす13歳のプロのサーファーを目指す少女のお話。
これが、サメに襲われて片腕を失くした実在の女性を映画化したものだというのは、どこかで耳にしていたため、これは実話なんだと思いながらの鑑賞。
すると、この実話という点が胸に迫ってくるのです。
これがフィクションであれば、こんな事故に遭ってもこれほどの前向きっておかしいし、家族が優し過ぎるし、友達がいい子過ぎるし、友達の家族もいい人過ぎて、三流映画だわ・・・といった感想をもつところ。
が、これが実話となると、なんちゅうポジティブシンキングじゃ、と少女の生き方に感動。
いい友達がいて良かったわぁなんて、すっかり隣人のような気持ちになります。
また、そんな目に遭った海に再び戻っていくまでの物語が中心になっているので、サーフィンに1グラムの興味がない私でも、充分楽しめました。
こうしたスポーツや競技シーンが出てくる映画で、練習や競技シーンがやたら長いのがありますが、あれはいただけません。
努力しているシーンや勝つか負けるかのドキドキ感をもてるシーンは大事ではありますが、最小限に抑えておかないと、見ているこっちは飽きてしまいます。
そもそもそのスポーツなり競技なりに興味がない人がほとんどなのだということを理解したうえで編集作業を潔くやっていただくのがいいと思います。
その点、この映画は冗長ではないので、気持ち良く登場人物に心を添わせてストーリーにのっていくことができます。