カレーの缶詰
- 2014年12月08日
料理をするのがメンドー。
そんな日はありませんか?
私はあります。
どちらかというと、結構頻繁にあります。
いや、正直に言いましょう。
ほぼ毎日思っています。
とはいうものの、作らないわけにもいかない。
こんな時に便利なのが、冷凍パスタや冷凍ピラフなどのレンジでチンすればオッケーなもの。
が、これもちょっと続いてしまって飽きてきた。
なにかないだろうかと棚を引っ掻き回していたら、見つけました。
それがこちら。
以前知人から貰ったもの。
確か100円ショップで買ったと言っていたような。
自宅近くには残念ながら100円ショップがないので、こういう掘り出し物を見せられると、いいなぁと羨ましくなります。
ああいう店は宝探しのような楽しさがありますよね。
で、ご飯だけを炊き、こちらの缶詰を容器に移してレンジでチン。
どちらも普段自分が作るカレーとはまったく違った趣きの味で、なかなかのものでした。
昔、雑誌の編集者の友人から、カレーとラーメンの特集は必ず当たると聞いたことがあります。
店によって味に個性があり、皆が大好きだからとその友人は分析していました。
確かにカレーもラーメンもお店によって、工夫を凝らしていますよね。
ほかの専門店もそうなのでしょうが、特にカレーとラーメンにはそうした店主の熱意が直にこちらに迫ってくるように感じられます。
数年前のある日、ある街でお腹が空き、一軒のカレー店へはいりました。
午後7時過ぎというお店としては稼ぎ時の時間帯だというのに、客は1人もいません。従業員らしき女性が席に座っていて、隅にある小さなテレビを見上げているのみ。
その人がグラスに入れた水を持って来てくれましたが、メニューは出してくれません。
メニューはないようなので、ぐるりと壁に貼られたメニューを眺めます。
カレーは1種類だけですが、小盛り、中盛り、大盛りと盛り具合は3種類ある模様。
トッピングと書かれた紙があり、その横にはコーンやチーズ、卵などと書かれた紙が並んでいます。
ここに、ジャガイモ、人参、チキンといった紙を見つけ、どうやらここのカレーはごくシンプルなもので、各自でトッピングというよりは、具を加えていかないといけないようだと気が付きました。
さらに見ていくと、茄子、大根、カズノコ、イクラという紙が。
薄っすらとこの店が繁盛していない理由がわかってきたような。
なるべく浅い傷になるよう小盛りを注文し、ジャガイモとチキンのトッピングを選びました。
30秒で出てきたカレーは、茶色の液体に茹でたジャガイモ丸ごと1個と、鶏の唐揚げが1個のっていました。
スプーンを握ったものの口に入れるまでしばしの時間がかかったのは、なかなか勇気が出なかったからです。
えっ? 味ですか?
生涯で初めて食べたといった味でした。
もう1度その味を口にしたいかと聞かれたら、いえ、結構ですと即答するような味と言った方が伝わるでしょうか。
工夫や熱意が空回りするとこんなことになる・・・といった例を見せてもらった気がしました。