シェイクスピア
- 2014年12月11日
小さい頃からよく観劇に連れて行かれました。
小学一年生でハムレットを観た記憶があります。
今なら年齢制限で劇場に入れないかもしれませんが、当時は騒いだりぐずったりしなければオッケーでした。
4時間を超す歌舞伎なども私は全然平気で、最初っから最後までちゃんと観ていました。
どちらかというと子ども向けのぬいぐるみショーが苦手だったようで「大きな動物が踊ってるー」と泣いて怖がったと親が言っていました。
どんな感性をしていたんでしょう。
シェイクスピア作品を一番観た時期は小学生から中学生にかけて。
今回のは役者が良くなかったとか、脚本が悪かったなどと生意気なコメントをしていた当時の自分が、今とても恥ずかしいです。
シェイクスピアは昔々の遠い国の脚本家。
その人の作品が今もたくさんの国で上演されている・・・凄いことです。
このシェイクスピアに恋をしてしまった男が登場するのが「週末は家族」です。
文庫が発売されました。
劇団を主宰する男が尊敬しているのがシェイクスピア。
男は自分で脚本も演出もしますが、上演するのはシェイクスピア作品か、シェイクスピア作品をアレンジしたもの。
シェイクスピアへの憧れが強くて模倣に走り、オリジナリティがないんですね。
これ、作家なんかも同じで、よくこういう壁にぶつかります。
好きな作家に憧れ、真似をします。
でも、それは結局真似でしかない。
いつかはそこから出て、自分の道を歩いて行かないといけない。
でもそれはとても難しい。
憧れている人が偉大であればあるほど、自分のオリジナリティなんて小っちゃすぎて、独り立ちなど無理だと思ってしまうのです。
諦めて一ファンとして生きるか・・・それもある意味、地獄です。
自分にしかできない作品とはなんなのか。
この究極の問いに向き合うのが、脚本家や作家。
それ以外にも、画家や創造する仕事に携わっている人も、同じような壁にぶつかるのではないでしょうか。
壁を乗り越える方法は人それぞれで、きっと見つかると信じて進んでいくしかないのですが。
「週末は家族」の中の男が、どうやってこの壁を突破するのか。
興味が生まれましたか?
でしたら、どうぞ文庫をお手に。