チーズ
- 2015年10月15日
フードアレルギーがあると判明してから、色々なものを我慢する生活になりました。
大人ですから、食べたい欲望を抑えることはできています。
ただピザのテレビCMを見た時に、舌打ちをするぐらいです。
こうなってみて気が付いたんです。
私はピザが好きだったということに。
私のようにアレルギーのある人向けの食材を通販しているHPを見つけました。
そこには原材料名がきっちり表記されていて、個性のある品が並んでいます。
卵や牛乳、小麦、大豆といったアレルギー源となりがちな食材を使わずに、様々な工夫で作られたものばかり。
目に留まったのが、乳製品を一切使っていないとするチーズ。
おお、開発者の皆さん、サンキュー。
と天に向かって声を上げたくなりました。
牛乳も卵もチーズもNGの私は、もうピザは諦めなくてはいけないと思い、美味しそうな宣伝を目にする度、舌打ちするしかなかったのですが、このような天の助けがあろうとは。
早速購入し、ついでに焼き肉のたれも取り寄せてみました。
それがこちら。
まな板にのせ包丁をあてたところ・・・硬い。
予想以上の抵抗感。
ぐっと力を入れて、包丁を下ろそうとするのですが、なかなか下りていかない。
こんなに包丁を強く握ったのは久しぶり。
最後にこんなに強く握ったのはいつだったかしらと記憶を探りますが、思い出せないぐらい。
ここ最近はかぼちゃを買う時、カット済みのを選んでいるせいで、こんなに奥歯を噛み締めることがなかったんでしょう。
で、なんとかカットして、茄子の上にのせオーブンに。
ピザ生地がなかったので、まずは茄子のチーズ焼きにしようと考えたのです。
オーブンを覗くと・・・茄子はすでに焼き上がった色をしているのですが、チーズはカットした形状のまま。
まったく溶けていない。
しばし我慢してからオーブンの扉を開けて確認すると・・・茄子の一部は黒くなっていて、もういいタイミングを逸している状態なのですが、チーズは投入した時のままの状態。
高温に晒されながら何十分間も同じ状態でいられるというのは、根性があると褒めるべきなのでしょうか。
もしかするとチーズがとろけるというのは、乳成分がなせる技だったのか?
乳成分を使っていないチーズに、溶けるという行為を期待してはいけなったのか?
かもしれない。
多くを望み過ぎた私が悪かった。
と反省し、とにかく食べてみることに。
味は・・・?
チーズってなんだっけ? と大きな質問が浮かぶはめに。
私が子どもの頃から、アレルギーがあると判明するまでの間に食べてきたチーズという概念と大きく違っています。
ほかにこれと似た味がないので、こんな感じと表現することもできない。
それぐらい初めての味。
ただしばらく噛んでいると、ふわっと口の中に香るのはチーズの匂いなんです。
不思議です。
香りはチーズでも味は違うし溶けないので、これをピザ生地にのせても、新味のピザになることでしょう。
それでいいのか?
それが食べたかったものなのか? と己に問えば「違う」との答えが。
なんともビミョーな経験となりました。