ひと目で

  • 2016年10月24日

服をクリーニングに出したくなったら、電話をします。
そうすると集配に来てくれます。

いつものように集配に来た男性スタッフに、ブラウスが〇枚と、セーターが〇枚と・・・と渡していきます。
と、「これはロイヤル仕上げにしましょうか?」と男性スタッフが言います。
彼が手にしているのは、私が持っている中で、ベスト3に入るほどの高額なコート。
なぜ?
ほかの服の時には言わずに、そのコートにだけ言う?
dorai
ロイヤル仕上げが一体なんなのか、私にはわかりません。
以前何度か説明を受けたのですが覚えていない。
普通より仕上がりがいいのだったか?
普通のより料金が高かったことは記憶しています。

ほかの服の時に「これはロイヤル仕上げにしましょうか?」と言われたら、「いえいえ、そんな必要はございません」と断れる。
でも、奮発して買ったコートに対して「ロイヤル仕上げにしましょうか?」と言われたら、そうした方がいいのかなと思ってしまう。

そもそも男性スタッフは、なぜそのコートにだけ言ったのか。
彼が見たのは外観だけ。
服の襟元にあるブランドタグを見たわけじゃない。
ひと目見ただけで、価格を予想できたということでしょうか。
じっと見つめてみますが、ほかの服との差はわからない。
さすがにぺらぺらな生地ではないけれど、すんごい生地とも言えない。
なのに彼はそれにだけ「ロイヤル仕上げにしましょうか」と言ったのです。

もしかすると、これは高いのよという私の気持ちが服を持つ手に表れていて、ほかの服より丁寧に扱っていたのでしょうか。
こっちだったとしても、彼の観察眼が凄いということになりますよね。

でもって、どうしたかというと「それじゃあ、お願いします」とロイヤル仕上げを依頼。
まんまと彼の手に落ちたのでした。
そういえば・・・その男性スタッフからは時々電話が掛かって来ていました。
「クリーニングに出すものはありませんか」と言うのです。
それじゃあと、出したことが何度かあった気が。
営業力のある優秀な人だったんですね。

それからは、値段が高かった服を出す時は、ドキドキしながら彼に渡すように。
見つけられ、「ロイヤル仕上げ」と言われてしまうのではないかと思うからです。
で、大抵見つかる。
しょうがないので、安い物と安い物の間に挟んでまとめて渡してみたりする。
が、優秀な彼はそんなことではごまかされない。
高かった服を見逃さない。
そして、今日も言うのです。
「これはロイヤル仕上げにしましょうか?」と。
彼に乾杯。

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