その質問

  • 2017年05月18日

ばったりと昔の知り合いに出くわし、ちょっとお茶をすることに。
仮にA男としましょう。
昔話や近況を語っているうちは良かったのですが、突然A男が言い出した。
「年収はいくらなの?」と。
はぁ?
「少ないんですよぉ」と笑顔でかわすも、「いいじゃないのよ。教えてよ」としつこい。
「なに言ってるんですか」「いくら?」「教えません」「なんで?」
と、食らいついてくる。
私が口を閉ざすと、「〇ぐらい?」と一桁の数字を出して探りを入れてくる。

こういう人、初めてじゃない。
そしてこのように年収をやたら聞いてくるのは、決まって男性。
聞いてどうするのだ?
女性からこんな質問を受けたことはありません。
女性は身に着けているものや会話から推し量っているかもしれませんが、それを口にはしない。

別の席で私が語っているとしましょう。
ある人がこうして、ああして、こうなったのよ・・・と話す。
女性の場合はふんふんと聞く。
そしてその話にコメントしたり、似たような経験談を披露したりする。
ところが男性の場合は「それは誰ですか?」と聞いてくる。
「僕の知ってる人ですか?」と。
名前を出したら差し障りがあるので、私は敢えて「ある人が」として話をしている。
女性の場合はそれを察して、「ある人」を受け入れてくれる。
ところが男性は、その「ある人」は誰なのかを知ろうとする。
聞いてどうするのだ?

不思議ですね。
この男女の違い。

それで年収を喋ったのかって?
とんでもない。
「△ぐらい? それとも□ぐらい?」と一桁の数字を出し続けるA男にうんざりした私は、腕時計に目を落とし「もうこんな時間」とわざとらしく驚いて、早く帰らなくてはいけないという演技を実行。
A男をその店に残して一人立ち去りました。

お店で見送り

  • 2017年05月15日

ちょいとこじゃれたショップで買い物をしました。
手提げ袋を受け取ろうと手を出したのですが、渡してくれない。
店員は「お持ちします」と言って歩き出す。
しょうがいないので私は店員と並んで歩きます。
店の出入り口まで辿り着き、ようやく店員は手提げ袋を渡してくれる。
店の出入り口で「有り難うございました」と言う店員。
「お世話様でした」と答える私。

この儀式必要でしょうか?
手提げ袋を持った店員と店の中を並んで歩くのが、恥ずかしいんです。
私はそんなこと必要ないと思いますが、それなくちゃ嫌という方は多いんでしょうか。
これはいつから始まった儀式でしょう。
日本だけでしょうか。
それとも世界的に行われている儀式なのでしょうか。

先日あるショップに入ると、スタッフが一人事務仕事をしていました。
私としては、どうぞその事務仕事を続けてくださいなと思っています。
その方が気楽にゆっくり商品を見ていられるから。
でもスタッフは事務仕事を止めてしまいます。
そしてじっと私を見つめ接客モードに入る。
恐らくそうしなさいと誰かから言われてるんでしょうね。

私が靴店で働いていた時も店長からそう指示されました。
でもそれって、お客さんは望んでいるのかな? と疑問をもちました。
「それは違うんじゃないですか?」と面と向かって反論する勇気のなかった私は、店長がいない時に自分なりの方法を試してみることに。
ふらりとお客さんが入ってくるとわざと靴を拭いたりして、ほかのことをやっているので、あなたに集中してはいませんよといった風を装ってみました。
これが結構よかったようなんです。
ただ放っておくのではなく見てはいるので、どういう靴を手に取っているのかはわかる。
店内の商品をある程度見たなと判断してから、声を掛けます。
黒い靴ばかり手に取っているようであれば、それは5センチヒールで、その隣のは6センチヒールだなんて高さの差について言ったり、皮の違いを言ったりして情報を出す。
すると「へぇ、そうなんだ」という顔をする。
そして「お葬式に行くので黒い靴を欲しいと思ったんですけど」なんてお客さんの方が言い出して、「それでしたら」なんて会話が始まる。
これはやっぱり、気楽に店の商品を見終わった後だからだと思うんですよね。
自分でこれかな、それともこっちもいいなとある程度絞り込んだところで、どうして似たように見えるのに3千円の差があるのかといった情報が出てきたら、ぐっと買うという気持ちが強くなるんじゃないでしょうか。

当時スタッフには各自予算目標額が与えられていました。
店長がいない時にやっていたこの方法で、毎月この予算をクリアできていました。
当初は怒られないよう、店長がいるかいないかにはよくよく注意していたのですが、やがて気が緩み店長がいるのに、この方法でお客さんにアプローチしてしてしまううっかりミスもするように。
が、予算をクリアしていたせいでしょうか、店長はなにも言わなくなりました。
見て見ぬふりをすることにしたようです。

人によって望んでいることは違うでしょうから、接客は難しい。
だから店員は大変。
でも客の方も大変。
今度「お持ちします」と店員が言ったら、「いえ、結構です」と言えるぐらいの勇気のある大人になりたいです。

薬を飲むのは

  • 2017年05月11日

薬を飲むのが嫌いな子どもでした。
昔は子ども用の薬としてシロップタイプがありました。
これがやたら甘いわ、不味いわで、ダーと吐き出していました。
錠剤タイプの薬も同様にダーと吐き出して抵抗していたそうです。
小学校に上がる前の5歳頃の話なので、私は覚えていません。

母親が医者に「どうやっても薬を飲んでくれなくて困っています」と相談したそうです。
すると医者は私に向かい「薬を飲んでくれないなら、注射をするしかないなぁ」と脅してきた。
恐らく注射は嫌だろうから、こう脅せば薬を飲むようになるだろうとの作戦でしょう。
ところが私は無言で自ら袖を捲り、二の腕を医者に突き出したそうです。
だったら注射しろってことでしょうね。
なんちゅう5歳。
というか、そこまで薬が嫌だったんでしょうね。

そして齢を重ねて、大人となった今の私はどうかというと・・・未だに苦手なんです。
友人が4、5個の薬をぽんと口に放り、僅か3秒ほどで飲む下すのを見る度、すげぇと尊敬します。
私には無理。
「なにが無理なのよ?」とよく聞かれます。
まず錠剤を見つめます。
するとこの大きさのモノが喉を通れるのか? との疑問が心に。
いつも食事の時、その何十倍もの大きさのを飲み下してるじゃないのと、脳が冷静にツッコんでくれます。
そこで薬を口に入れて水を追加する。
で、飲む下そうとする。
ところが喉と舌が拒否反応を示す。
奥へ薬を送り込みたくない喉と舌が、口の中で薬の行く手を阻む。
喉と舌は心の支配下にあるのです。
脳が早く飲みせと命令を出すのですが、心の配下である喉と舌は徹底抗戦をしてくる。
そうやって口の中で戦いが行われているうちに、薬が溶けてきてしまう。
薬は大抵苦いし不味い。
早く飲み込まなくちゃと焦り出す。
脳が早く飲み込めと、それまで以上に強く言ってくるのですが、プチパニックになっている心は、最後のあがきをみせる。
こうして口内戦争が長引いているうちに、更に薬は溶けていく。
舌が痺れるほどの不味さ。
もう大人なんだから吐き出すなと必死に自分に言い聞かせて、なんとか飲み下す。
というか、薬は口の中ですでに溶けているのですが。
なんとか薬を飲み終わった時少し涙が滲んでいる。
私に幸あれ。

このように錠剤が苦手なので、基本的に粉薬を選択するようにしています。
粉の場合は喉を通れないのではという心の疑問を即却下できるので、プチパニックにならずに飲めるので。
が、頭痛薬は錠剤タイプのものが多く口内戦争を避けられない。

ところがある日、テレビCMで服薬補助ゼリーなるものを知りました。
その時どれほど安堵したか。
これで口内戦争を終結させることができる。
開発者の皆さん有り難う。
それがこちら。

薬をこのゼリーで包むようにして口に入れます。
これはゼリーだ。私は今ゼリーを食べるのだと自分に言い聞かせると・・・つるんと飲み込める。
もう涙は滲まない。
素晴らしい。
お蔭で苦手なものを私は一つ克服できました。
自分の力じゃないけど。

火傷

  • 2017年05月08日

右手の小指を火傷してしまいました。

今朝のことです。
朝食時はパンを焼くのですが、我が家はポップアップ式のトースターを使用しています。
ポンと出てきたトーストが、焦げるギリギリぐらいの状態でした。
これはもうちょっと焼きを抑えたいと思い、加減を調整するつまみに手を伸ばした時、小指がトースターに触れてしまい、火傷する羽目に。
トースターがこんなに熱くなっているとは知らなかった。

というか、そもそもこのトースターを使い始めてから6、7年経つのに、未だに丁度いい焼き加減になったことがない点に目を向けるべきでしょうか。

いつも6枚切りの食パンを投入します。
が、この6枚切りというのが曲者でして。
以前もこのブログで書いたのですが、牛乳や卵を一切使っていない食パンを、ネット注文して取り寄せています。
1斤を何枚切りにするかは選べるので、いつも6枚切りを選択しているのですが、作業者の力量によるのか、機械のせいなのか微妙に厚みが違う。
ここに問題点がある。

が、それぐらいの誤差はトースターに受け止めて欲しいと思うのです。
こっちは匠の技をもった職人じゃない。
食パンを投入したら適度な焼き加減で出てきて欲しい。
ふむ。今日はこの厚みか、よし、つまみを弱くしよう。だがほんの少しだ。指先の感覚を研ぎ澄ましてつまみに触れる。そしてごくごく僅かに左に回す・・・。
なんてことが朝っぱらからできるかっちゅう話なのです。
繊細過ぎるトースターと付き合いきれないってぇの。

新刊「諦めない女」の執筆が予定より遥かに遅れていた時、言い訳のネタの在庫が尽きてしまいました。
そこで別の出版社の編集者に「締め切りに遅れた作家が繰り出す言い訳のなかで、これまでで面白かったのってどんなの?」と聞いてみると、「指が痛いっていうのがありましたね。あれはウケました」と返答が。

今私はホントーに小指が痛いのですが、これを言い訳にしたらウケ狙いと思われてしまうのでしょうか。
証拠として、赤くなっている小指の写真を撮っておいた方がいいでしょうか。
その時、どうして火傷をしたのかといった理由も話した方がいいのでしょうか。
我が家のトースターの繊細さについても語るべきでしょうか。

そんなことをあれこれ考えてる暇があったら、原稿書けやとの声が聞こえてきそうなので、今日はこの辺で。

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