医者
- 2018年10月22日
「男尊女卑」を辞書で引くと、「男性を尊び、女性を卑しいとする態度・思想」とあります。
この考え方では誰も得をしないと私は思っています。
すべての患者は優秀な医者を望んでいます。
優秀であれば、医者は男性でも女性でもどっちでも良いと思っている人が、ほとんどなのではないでしょうか。
しかしながらどこかの誰かは、男性の医者の方がいいと考えたようで、大学入試試験で得点操作をしたらしい。
誰のためなのでしょう。
そんなこと患者は望んでいないのに。
子どもの頃住んでいた街に、いつも混んでいる皮膚科がありました。
女医さんでした。
腕がいいと評判で、近所の人たちはなにかあるとそこに行く。
ところが診察時間は午後5時から午後7時の2時間のみ。
いいのか、それで? と子ども心にも思いました。
予約はできないので、その2時間の間に行くしかない。
待つのは覚悟のうえ。
それでもそこに行く。
腕がいいから。
僅か2時間の診察時間でしたが繁盛しているようでした。
その向かいに内科クリニックがありました。
こちら、皮膚科の女医さんの夫が開いているクリニック。
残念ながら藪医者と思われていました。
診察時間は朝から夜まで。
長く開けているのに、閑古鳥が巣を作っていました。
「なに、具合が悪い? 病院に行けよ」「どこか知ってる?」「八百屋の向かいの〇先生のところか、国道沿いの△先生か、どっちかだろうな」「確か駅前に病院あったよね?」「あそこは止めとけ。悪いことは言わないから。ヤブなんだ。奥さんの方は皮膚科で腕がいいんだがね」
なんて会話があったのかなかったのかはわかりませんが、そこの内科の腕が悪いことは広く知れ渡っていました。
このように患者たちは口コミを頼りにすることがあります。
その時医者が男か女かといった点については、問題にされない。
腕がいいか、説明が丁寧か、親身かといった点が、病院を選ぶ際のポイントになっていることが多いのではないでしょうか。
2018年になってもまだ「性」によって不利益を被る人がいることが、とても悲しいです。