お店の変化
- 2019年08月01日
「店」の定義が変わりつつあるようですね。
その役割が買う場所から、ショールームへと変化しているんだとか。
ある家電量販店では棚に並べた商品の横に、QRコードが書かれたものが設置されていて、客がそれをスマホで読み取ると、通販サイトに繋がるんだとか。
そこで類似品や口コミをチェックして、よし、買おうとなったら、その通販サイトから注文。
自宅受け取りにすれば手ぶらで帰れるという。
だとすると・・・店員さんがぴたっと張り付いて来る、といった事態に遭わずに済むのでしょうか?
これまで何度も家電量販店に行きましたが、商品を見ていると大抵店員さんから声を掛けられました。
「見てるだけなんです」とか「今日は買わないんですけど」などと予防線を張るのですが、そんなことでは怯んでくれない。
聞いていないのに商品について語り出す店員さん。
え、そうなの? なんて段々その話に惹き付けられていき、気が付けば、この人から買わなくてはいけないといった思いに。
そんな魔法に掛けられて、予定していたのとは違う商品を買ったことが何度もあります。
ショールームとなった店では、こうした店員さんマジックはなくなるのでしょうか。
それはそれでちょっと寂しい。
昔々、パソコンなるものを買った方がいいみたいだと感じた時がありました。
でも周囲の話をいくら聞いても、なにを買ったらいいのかがわからない。
そこで家電量販店へ。
売り場にいた男性店員に「猿でも使えるパソコンはありますか?」と質問。
なんだ、こいつ? といった表情を一切浮かべず、「初めてなんですね」と笑顔で切り返してきた店員さん。
頷く私。
すると「A社かB社がいいでしょうね」と2つの選択肢を出してきました。
だったらA社ですねと言わず、2つの候補を挙げて客に選ばせようとするところなんざ、プロの技。
店員さん曰く「初心者の方なら機能で比べるというよりも、サポートが充実しているかどうかでメーカーを決めた方がいい。だとすると日本メーカーのA社かB社だ」とのこと。
なるほどと納得する。
そしてA社とB社の初心者にお勧めの機種について、ざっくりと話を聞く。
決められない。
どっちにしたらいいですかといった顔で店員さんを見つめる。
すると「決めるの、難しいですよね」と店員さんは言い、「こっちにしましょうか。千円、安いですから」と最後の後押しをしてくれる。
「はい。これにします」と答える私。
店員さんに決めて貰えたことでほっとしていましたっけ。
こんな買い物の仕方をするのは私だけ?
知識はないし、調べたり、勉強したりもしたくないのだけれど、その商品を買いたいと思っている客・・・いないんでしょうか?
ゆっくり見たいなぁと思う一方で、魔法に掛けられたいとも思う。
複雑な心模様の客って、いるでしょ? いない?