エレベーターを
- 2022年10月17日
マンションの4階に住んでいます。
1階に下りる時も、1階から上る時も、エレベーターを使っていました。
ある日、4階でエレベーターを待っていると、階段を上って来る足音が。
こんにちはと挨拶。
その男性はご自身の部屋と思われる、4階の一室に消えました。
その男性は60歳を超えているように見えました。
下のフロアにお友達がいて、そこからの帰りかしらと私は思う。
一瞬も1階から上がって来たとは考えませんでした。
だって4階だよ。
ある日、また4階で私がエレベーターが来るのを待っていたら・・・一室から出て来た女性が、こんにちはと言いながら私の背後を通り過ぎて階段へ。
その女性も明らかに私より年上っぽい。
私はまた思う。
下のフロアにお友達がいて、そこに行くのかしらと。
このマンションは入居者同士でお友達になって、部屋を行き来する人が多いのかしらねと、勝手に妄想する。
この時点でもまだ、4階の住人はエレベーターを利用するのが当然との考えから、抜け出せていませんでした。
このような出来事を重ねていたある日、テレビを見ていたら70代の女性が、健康のためにエレベーターを使わず、階段を上り下りしていると話しているのを聞き「ああああ」と声を上げました。
これか。
この理由があったのか。
私は一度もトライすることなく、4階はエレベーターと決めてかかっていましたが、階段で上り下り出来ないって階数ではない。
よし。
と、ゴミを捨てに行くのに、階段で下りてみました。
ここで問題発覚。
私は高所恐怖症なのです。
高所恐怖症で、なんで4階に住んでいるのかとのツッコミがあるかと思いますが、窓があれば大丈夫なんです。
守られていると思える窓や壁に、囲まれている分には平気。
でもマンションの階段の一部に、囲まれていない箇所がある。
こ、怖い。
ぐっと手摺りを摑みなんとか下り切る。
ゴミを捨てて今度は階段を上ってみる。
怖さはあるものの体力的には問題なし。
3階までは。
3階から4階で急に足にくる。
自室に入ったら息が少し上がっていました。
日頃運動不足の私にはちょうどいいかも。
それ以来、手摺りをぐっと握り締めて、階段を使うようになりました。
そうしてみると、結構階段を使っている住民が多いと知りました。
階段でよくすれ違うのです。
が、怖さと戦いながら階段を使っているので、神経が手摺りを摑む手に集中しているようで、他の人の足音が聞こえない。
だから出くわすと「わぁ」と驚いてしまい、向こうは私の驚き方に驚くということに。
そのうちに高所恐怖症を克服し、耳にも神経を向けられるようになって、他の人の足音を拾えるようになりたいと思っています。