ポストに手紙を投函するため、マンションを出ました。
ちょっとびっくりするほど大勢の人がマンションの前を歩いています。
こんな景色を見るの、今のところに越してきて初めて。
コロナ過で極力外出を控えていた人たちが、外に繰り出したということなのでしょうか。
現在の部屋に引っ越したのは、コロナの第一波と第二波の間。
ずっと静かな住宅街だと思っていました。
でもそれはコロナ過だったからで、どうやら本来は人が結構行き交うエリアだった模様。
投函後自宅に戻り、午後になって今度はポストとは反対方向にある駅に向かうと・・・こちらにも大勢の人の姿が。
こんなに活気のある街だったのかと、口あんぐりです。
駅前には小さな商店がたくさん並んでいるのですが、そうした店々の店員さんたちの呼び込みの声が、これまでの何倍も大きい。
街を覆う活気が店員さんたちの気持ちを上げて、大きな声になっているのでしょうか。
こうした熱気の影響は私にも。
用事を済ませて自宅に戻る途中で、つい足が止まる。
これまでは興味があっても、また今度と素通りしていた店に入ってみる気に。
あれこれ見ているうちにフレンドリーな店員さんに、まんまとのせられて購入。
そうやっていくつか店を回っているうちに、両手には大量の購入品が。
つい財布の紐が緩んでしまいました。
その場の空気って恐ろしい。
もう今日はこの辺でと自分に言い聞かせて、自宅に戻ろうと歩き出したら・・・6、7歳ぐらいの男の子が道端にしゃがんでいる。
その前には母親らしき女性が仁王立ち。
そこはフルーツジュースの販売店の前です。
男の子が大きな声を上げます。
「買って買って買って」と。
女性は「買いません」と拒否。
駄々をこねる男の子。
断固拒否の女性。
その様子を笑いながら見守る、ジュース店店主の男性。
その前を歩き過ぎながら、こういうフツーの生活を私たちはやっと取り戻したんだなぁと、しみじみとしました。
中学と高校時代、我が学校にはパン当番がありました。
日直がその日のパン当番も、兼務することになっていました。
このパン当番は日直同様2名で当たります。
日直の仕事は黒板を消すことと、授業の開始と終了の際に挨拶の号令をかけること。
この仕事は大したことがありません。
これよりも大変だったのが、その日に担うパン当番をきちんとこなすことでした。
学校には1店だけパン店が入っていました。
当時コンビニはなく持参の弁当か、そこでパンを買うしかありませんでした。
ここでパンを買うのはとても大変。
昼休み開始のチャイムが鳴ったら、猛ダッシュで1階の奥にあるパン店まで、走らなくてはいけなかった。
遅れをとったらラッシュアワーの電車内のような状態になっている店で、延々と順番待ちをしなくてはいけなくなります。
自分の番になった頃には、パンが売り切れていることもありましたし、休憩時間が終わりそうになっていることも。
そこでクラスで注文をまとめて、2時限目の休憩時間までに、注文依頼を済ませておくというシステムが用意されていました。
このクラスの注文分をまとめる役を担うのが、パン当番でした。
パン当番の朝は忙しい。
続々と級友たちから注文が入ります。
注文内容をメモしてお金を受け取り、お釣りを渡します。
この注文は授業中にも入って来ました。
パンの名前を書いた紙で小銭を包むようにしたものが、先生の目を盗んで生徒から生徒へと渡されて、パン当番に辿り着きます。
甘トーストと注文品名は書かれているのですが、肝心の発注者の名前がなかったりする。
しょうがないので、その包みを渡してきた生徒に「今の誰から?」と、先生に聞こえない程度の小声で尋ねます。
聞かれた生徒は、自分に渡してきた相手に「誰から?」と質問。
こうして遡っていく。
これは誰かがパン当番に向かって、自分だと小さく手を挙げるまで続きます。
このようにパン当番になると、授業を受けている暇なんかありませんでした。
そして不思議なことに、大抵計算とお金が合わなかった。
ちゃんと各自から注文の品の代金を貰ったはずなのに、合計してみると金額が合わないのです。
消費税なんてない時代だったので、それほど難しい計算ではなかったはずなのに、大抵お金が足りませんでした。
さぁ、どうするか。
パン当番の相方が真面目な子だと、足りない分は自分たちの財布から出して、補填しようと言います。
しょうがないので、私も財布からお金を出しました。
が、相方がいい加減な子だと「パン店のオバチャンは、気が付かないかもしれないよ」と言い出します。
「足りないと言われたら払おうよ。なにも言われなかったら、ラッキーってことにしよう」と言います。
私は喜んでその提案に乗っかりました。
こんな時の私と相方は、ドキドキしながら注文票と現金を持ってパン店に。
店員のオバチャンに渡してすぐに教室に引き返すのですが、疚しさがあるせいか、若干早足になっていましたっけ。
そして昼休みに。
私と相方は店に、クラスを代表してパンを受け取りに。
棚に並ぶケースの中から、自分たちのクラス番号が書かれたものを探します。
見つけたそれを引っ張り出すと、注文票にはなにも書かれていない。
注文した品はすべて入っているし、また不足分を払えとも書かれていません。
相方とアイコンタクトで無事を祝い合う。
これがパン当番でした。
今思うと・・・見逃してくれてたんですかね。
いつも金額が合わなくてすみませんでした。
文庫「じゃない方の渡辺」はパン店の娘の人生を描いた小説です。
懐かしいパン、勝負を掛けて開発したパン、色々なパンが登場します。
ぜひ小説の中で味わってみてください。
マイナンバーカードの申請をしたのは随分前。
忘れた頃に書類が到着。
中にマイナンバーカードが入っているのかと思いきや、入っていたのは分かり難い書類だけ。
渡せる準備が出来たから、受け取りに来る日時をネットで予約してくれと書いてある。
そこで指定されたサイトで予約をしようと思ったら、空きが全然ない。
翌日、そのまた翌日と、日にちを先に進めていくも×のマークしかない。
なにかのエラーで、×しか表示出来なくなっているんじゃないかと疑いながらも、日にちを先に進めていたら・・・やっと〇のマークを1つ発見。
しかしそれは1ヵ月以上先。
しかも私が希望する時間帯ではない。
が、そんなことは言ってられない。
第一希望でなくてもここで手を打たないと、今世紀中に受け取れなくなると考えて、たった1つ空いていた枠の時間帯を予約。
そして予約した日が到来。
区役所の受付に行くと・・・顔を確認したいのでマスクを取ってくれと言われる。
げっ。
そんなことを言われると分かっていたならば、化粧をしてきたのに。
区役所は自宅から徒歩10分のところ。
マイナンバーカードを受け取るだけだし、マスクすれば顔は隠れるからと、スッピンを選択した私。
髪も整えるのがメンドーだったので、ゴムで1つに結んだだけの状態。
恐らく区役所の職員が確認したいのは、提出した顔写真と、私の顔が同じであるかどうかでしょう。
提出した写真の中の私は、目一杯化粧をしています。
髪も巻いちゃって頑張ってる。
んー。どうでしょう。
同一人物だと分かって貰えるか・・・微妙。
せめて担当が女性であったなら、これぐらい化けるよねぇと分かって貰えそうな気がする。
でも私の前にいるのは男性。
分かって貰えるでしょうか。
やけに時間を掛けて私の顔を見た男性職員は、やがて「はい、有り難うございます」と言いました。
スッピンと頑張った時の差を受け入れてくれた模様。
判断にちょっと時間が掛かったのが気に掛かりますが、まぁ、良かった。
それから番号札を渡されて、しばし長椅子で待機。
少しして番号を呼ばれたので、カウンター席へ。
そこには女性の職員が。
書類のあっちこっちに名前や住所を書かされる。
そして女性職員は「顔の確認をしたいのでマスクを外してください」と言いました。
また?
もしかして先程チェックした男性職員が「俺には本人かどうか確信がもてません」と申し送りでもした?
マスクを外すと、女性職員が私の顔と写真を確認。
そしてすぐに「はい、有り難うございました」と発言。
男性職員に比べると短時間での判断でした。
スッピンと化粧をした時の落差を、理解している人ならではの、判断の短さだったような気がします。
兎にも角にも受け取れたので、ポイントを貰うぞと思ったら・・・何度やってもスマホがマイナンバーカードを読み取ってくれず、エラーになってしまう。
メンドーになってきて、ポイントをゲットするのを諦めかかっています。
ここ最近は寒くなったり、暖かくなったりで、日によって気温の変化が激しいですね。
それで服装に困っています。
近所を動き回るぐらいならば、制服と自分で呼んでいるいつもの格好で構わないのですが、人と会う予定がある時には、さて、どうしようと悩みます。
そこで服装予報をするサイトをチェック。
天気予報をする企業のホームページ内に、服装を提案してくれるページがあります。
もう何年も前にこのページを発見し、そこに書かれた服装を信じて外出したことがあるのですが、残念ながら外れました。
それで参考にするのを止めたのですが、久しぶりにそのページを見た私は、きっと進化しているに違いないと考えました。
エリアを指定すると、その地域に相応しい服装が表示されます。
昼間はカーディガン、朝と夜は厚手のパーカーと出てきました。
パーカーがそれほどまでにポピュラーなのかと、そこにまず驚く。
駅のホームで、電車の車内で、街中で、パーカー姿の人を私はそうは見掛けない。
皆が着ていなくても、あぁ、それぐらいなのねと、気温を想起させるに相応しいアイテムであればいいのですが、そうは思えない。
しかしそこには厚手のパーカーと書いてある。
若い人向けのページなのでしょうか。
取り敢えず外出は昼間だけなので、カーディガンを着ることに。
が、玄関ドアを開けて一歩外に出た途端「嘘でしょ」と声が出る。
全然寒い。
それでもこれから気温がぐんぐん上がるのかもしれないと、無理に前向きに考えて歩き出す。
しかしながらその日外出先で「寒いなぁ」とずっと思い続けるはめに。
周りを見れば、カーディガンのような薄手のものを羽織っている人よりも、スプリングコートを着ている人の方が全然多い。
翌日にも外出予定が。
服装予報のページをチェックしてみると、また昼間はカーディガンで、朝と夜は厚手のパーカーと出てくる。
「あんた、その格好、好きだね」と、思わずホームページに向かって呟く。
服装予報の提案を無視して、薄手のスプリングコートを着て外出。
するとちょうどいい。
服装予報はまたしても予報を失敗している。
もしかして私が寒がりのせいでしょうか。
標準的な体感温度と、私のでは差があるのかも。
そこで電車の車内を見回してみると・・・スプリングコートを着ている人が多数。
カーディガン姿の人はゼロ。
やはり私が参考にした、服装予報の精度が低いみたい。
もっと精度の高いアプリがあるでしょうか。
そういうのは有料のような気がします。
どうせなら私のクローゼットの中から、明日はこれとこれをコーディネートして着て、折り畳み傘をバッグに入れて、〇時に家を出て、〇分発の各停電車に乗って・・・などと、なにもかもを指示して欲しい。
そうなったらすっごく便利と思う反面、生活の中の彩りを失ってしまうような気もします。