組織の中で

  • 2024年10月17日

会社員になっていろんなことを学びました。
その一つが組織の中で、生きていくことの難しさ。

全社員が同じ方向を向いている訳ではないので、なにか目立つ動きをすると邪魔されたり、陰口を叩かれたりすることもありました。
「同じ社員なのに、なんで?」と驚いたものです。
成果を出すという目的以外のことに、気を遣わなくてはいけなくて、不毛だなと思ったりもしました。

私が会社員だったのは随分昔ですが、現在も組織の中を渡っていくのが大変なのは同じ。
この難しさはずっとあり続けるんでしょうね。

会社員時代のこと。
稟議書の作成を常務から指示されました。
常務は出張前だったので、忙しかったのかもしれません。

で、作成した稟議書を上司に持っていくと・・・こんな話は聞いてないと言い出します。
内容を口頭で説明しましたが、ハンコが入っているデスクの引き出しに、手を掛けようとしてくれない。
そして再びこんな話は聞いてないと言う。
「それ、さっきも聞きました」なんて言っちゃいけないところ。

常務から直接指示されたのでと私が言うと、「いつ?」と聞いてくる。
案件がどうのこうのじゃなく、自分を差し置いて、部下に直接指示が出たという点が気になって仕方がない様子。

「常務が指示を出そうとした時に、たまたま私が通り掛かったからじゃないですかぁ」などとテキトーに流そうとするも、許して貰えない。
腕を組んじゃって、ハンコを押す気ゼロって感じに。
こんな風に内容の良しあしとは別のところで、業務が滞ってしまうことがあると知りました。

新刊「地獄の底で見たものは」の中に登場する足立英子は51歳。
真面目に仕事をしてきたけれど、世渡りは上手な方じゃない。
ある日、社長に取り入ることが上手な男が取締役に。

この新取締役が色々口出しをしてきて、英子は仕事がし辛くなっていきます。
組織の中で生きていくことの難しさに、ぶち当たる英子。
更にこの新取締役に、これまでの仕事ぶりを全否定された英子は、これからについて考え始めます。

英子がどんな選択をするのか・・・。
興味をもたれた方は本書をお買い求めください。
この小説にはオーディオブック版もありますので、普段本を読まないという方には、こちらで味わって頂く手も。


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