• 2024年11月07日

食にまつわる情報が溢れています。
メディアでもネットの世界でも。
飲食店情報や新商品情報、作り方は勿論、他人の冷蔵庫の中身を覗き見たり、食材の価格についての情報だったり、生産者のインタビューなどなど、とにかくたくさん溢れています。
そんなに皆、食べることが好きなのかなぁと思ってしまうほどの情報量。

辟易しそうなはずなのに、つい、時短節約レシピの動画を見ている私。
私も興味があるようです。

新刊「地獄の底で見たものは」にも食がらみの話が出てきます。
登場人物の一人、足立英子は料理好きの夫から、今日の晩御飯のメニューを知らせる連絡がスマホに入った時、この人と再婚して良かったとつくづく思います。

料理好きな夫とは、曜日によって夕食造りを分担しているのです。
嫌なことがあった時、とても疲れている時、どんな時でも妻が夕食を作ることになっている家は多いでしょう。
英子の家のように分担制であったなら、どれほど助かるか。

そして英子の娘、美有紀はそんな両親を見て育ったため、食事について一つの考えをもっています。
それをクリアした男性との結婚を決めます。
食はやはり生活の、そして人生の中心なのかも。

A子は最近、夫とフードフェスタ巡りをするようになったと言います。
なにを選ぶのかは、それぞれ。
各自行列に並んだりして買い集め、会場に置かれたテーブルに広げて、その場で食べるという。

「これ、美味しい」とか、「こういうの、初めて食べた」などと言い合いながらの食事。
普段自宅ではもう話すことなんてなくて、いつも食卓はシーンとしているそうなのですが、この場では「美味しい」とか、「ビールが進む」なんて他愛もない単語が飛び交い、それだけで十分だなと思えるのだそう。

自分の幸せに気付けるのも食がきっかけ。
食の力は凄いようです。

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