どんな人か
- 2025年07月03日
文庫版が発売された「残された人が編む物語」に登場する西山静香は、行方不明者捜索協会で働いています。
この協会には、それぞれの事情から人捜しをしている人が訪れます。
やって来た依頼者に静香は質問をします。
「その人はどんな人ですか?」と。
知っている限りのことを答えていく依頼者。
でもそれは、その人物のごく一部でしかない。
捜索を続けるうちに、それまで知らずにいた様々な面が露わに。
知っているつもりでいたけれど、実際はなにも分かっていなかったということに、気付いていきます。
親しい人のことを、実は全然分かっていなかったというのは、ままあること。
自分自身のことも分かっていないのですから、当然といえば当然。
だから就活で必要なエントリーシートなんて、書けやしないという学生の皆さん。
あなただけじゃない。
皆、自己分析が苦手で、だから自己PRをしなくてはいけないエントリーシートの作成に、苦労しています。
私が就活をしていたのは遥か昔。
エントリーシートの提出は求められませんでしたが、履歴書を書く必要はありました。
この履歴書には、自身の性格の長所と短所を書く欄がありました。
スペースはそれほど大きくなかったのですが、ここを埋めるのは大変でした。
そこでどうしたか。
就活対策本に掲載されていたサンプルに、長所は「朗らか」、短所は「マイペース」とあったので、そのまま写して記入しました。
丸写しだった学生はどれくらいいたのでしょうか。
「あなたもですか?」的なことを言われたことはなかったので、はいはいと軽くスルーされていたのかも。
今はAIを使った採用試験を導入する企業が増えているそうなので、こうした姑息な真似は通用しなさそうですね。