夫婦
- 2025年10月20日
文庫版「結婚させる家」には様々な男女が登場します。
安藤仁は50歳。
区役所の職員です。
妻のタカ子と死別し、その寂しさを埋めるために結婚情報サービス会社に入会します。
この会社が主催するパーティーで、金子真帆と知り合います。
同じ50歳の真帆は、バツイチで2人の子どもと3人の孫がいます。
アパレル店の店員です。
活力が漲っているような真帆と一緒にいれば、自分まで元気になれる気がした仁は交際をスタート。
カリスマ相談員の桐生恭子に勧められて、豪邸での宿泊体験を始めます。
仁が真帆とのプレ夫婦生活の中で、なにを感じるのか・・・。
本書でお楽しみください。
パートナーとの死別によってもたらされる哀しみは、とても深く、痛い。
知人のA子は夫を亡くしました。
A子と夫の仲はフツーに見えました。
仲間で集まった席などで、夫の愚痴を零していたので。
A子自身もそう思っていたようです。
ところが。
夫を亡くした途端、自分が半分になったような感覚に襲われたそう。
毎日手作りしていた料理は一切しなくなり、出来合いのものを買うように。
A子にとっての料理は、夫のためにするもので、自分のためにするものではなかったようです。
掃除も洗濯も一気に回数が減り、外出もしない。
一日中テレビをぼんやりと眺めていたと言います。
夫とはしょっちゅう喧嘩をしていたのに、そういうことは思い出されず、楽しかったことばかりが蘇るそう。
そんな暮らしを3年ほど過ごしたA子は、人の紹介で介護施設で週に3日働くように。
家を出て外で人と接して働くことで、少しずつ前に歩き出す力を手に入れていった模様。
先週、久しぶりに会った時には、ガハハと昔のような笑い声を上げていたので、ほっとしました。