診断結果

  • 2025年11月17日

小説「息をつめて」の主人公、土屋麻里はなにもかも諦めて毎日を過ごしています。
そんな麻里が様々なことを経験し、見聞きするうちに変わっていきます。

麻里を変えていくものの一つが、診断結果を聞いたことでした。
体調不良で医師の診察を受けたところ、思いもかけないことを言われたのです。

その時胸に兆したのは、生きたいとの思いでした。
自分の人生に期待するのを止めて。静かに気配を消すように生きてきた麻里。
そんな麻里は生きたいと感じた自分に驚くのです。
この経験は、麻里が下す最終決断に大きな影響を与えます。

病気は人生観を覆すほどのインパクトがありますよね。
健康診断や人間ドックを受けていますか?

ずぼらな私ですが、人間ドックは年に一度受けています。
全国に複数の施設をもつ検査専門のところを利用しています。

今年もそこに行くと・・・問診担当の医師が変わっていました。
前任者は異動したか、退職したのでしょう。

事前に提出していた問診票を見ながら、60代ぐらいの男性医師が質問をしてきます。
医師も慣れているでしょうが、こっちも慣れている。
「はい」「いいえ」「大丈夫です」この3つの単語を言っていれば、問診はあっという間に終わると知っている。

が、今年の医師はひと味違った。
人間ドックを受診することに否定的。
かかりつけ医の診察を受けて、その医師の判断で必要があれば、必要な箇所のみを検査専門の施設で調べるというのが、正しい医療の在り方だと力説する。
人間ドック受診者に向かって。

呆気に取られているうちに問診が終わり、人間ドックを受診。
1週間後に検査結果が届きました。
問診を担当した医師が総評を書いている。
かかりつけ医の診察を受けろとありました。
なにか病気を疑う所見が出たのかとびっくりして、検査結果の詳細データを見てみると・・・数値は去年とほぼ一緒。
なにこれ。
訳が分からない。

何度かお世話になった近所のクリニックへ。
検査結果を持参して、去年とほぼ同じ結果なのに、かかりつけ医に行けと書かれたと説明。

医師はしばし検査結果のデータを眺めた後、どうしてこういう総評を書いたのか、どう理解したらいいのか、まったく分からないと言いました。

理解不能なのは私だけではなかったと、少しほっとしました。
その医師によれば、特段心配する数値はないとのことだったので、結果に対しても安堵しました。

人間ドックに批判的な医師を、人間ドックの受診者の担当にしないでください。


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