アルバイト

  • 2019年12月05日

「an」が廃刊になったという。
ご存知でしょうか?
アルバイトの求人情報誌です。
52年の歴史があったそうです。

私も学生時代にお世話になりました。
当時、この「an」は売れていたんでしょう。
どこの書店でもとても目立つ位置に置かれていました。
まず立ち読み。
良さそうな案件を見つけたらレジへ。
自宅に戻ってじっくり検討し、そこに書かれている番号に電話すると話し中。
やっと通じたと思ったら「応募者が多かったので、すでに締め切りました」と言われてしまう。
時間が勝敗を決めるのだと学習する。

そこで次の発売日には午前10時に書店へ。
近所にあった書店の開店時間が午前10時だったのです。
今度は立ち見をせずに購入。
速攻で家に取って返して、深くは検討せずに条件が良さそうな案件を選ぶ。
そして電話をすると・・・話し中。
時計を見ると午前10時15分。
15分も迷ってはいけなかったのか?
皆さん、思い切りが良すぎやしないか?
いや、待て。
うちの近所の書店は午前10時スタートだが、もっと早い時間に店を開けるところがあるのでは?
とすると、私はもっと早い時間にオープンする、書店の近くに引っ越さない限り、条件のいいバイトは出来ないことになる。
オーマイガット。
と、叫んだ記憶があります。

当時はネットなんて存在していなかったので、住んでいる場所によって有利不利の差が生じていたのでした。
結局、「an」でバイト先は決められず、やっとのことで働き先を見つけられたのは、友人の紹介でした。

あれほど皆が注目していた「an」が終わってしまったのは、どのような理由だったのでしょうか。

今、住んでいる街の小さな洋食屋の入り口横に、スタッフ募集と手書きのポスターが貼られています。
そこにスタッフに働いて欲しい条件が書かれているのですが、それが笑っちゃうほど細かい。
月曜と火曜は〇時から〇時まで。
水曜は〇時から〇時まで。
木曜と金曜は〇時から〇時まで。
土曜は〇時から〇時まで。
と、毎日一律ではない。
恐らくすでにスタッフがいて、その人が来られない時間帯だけに働いてくれる人物を、探しているのでは。
でもですね。
この条件にぴたっと合う人なんて、そうそういるもんじゃありませんよ。
ポスターでは時間帯は要相談としておいた方が、いいのでないかと思うのです。
案の定、そのポスターはずっと貼られている。
昨日改めてそのポスターを見てみたら、水曜のところに紙が貼られいて、時間帯が変更されていました。
15分だけ後ろに。
いや、だから、そうそういないって。
そこにぴたっと合う人は。

服装のルール

  • 2019年12月02日

あなたの職場には服装についてのルールがありますか?

連合が働く男女千人へ行ったアンケートによれば、およそ半数の人が「ルールがある」と答えたそうです。
男性は長ズボン、女性はスカートといったルールや、男性はピアスがダメなど、男女で異なったルールもあるとか。
女性に対しては靴のヒールの高さについての、細かいルールを定めている企業もあったようで、それは「1~3センチ未満」とか「3~5センチ未満」といったものらしい。

こうしたルールに違反したらどうなるのか。
始末書提出や解雇、契約の打ち切りなど、全然笑えない罰則があると答えた人が、111人いたそうです。

靴店で働いていた時、やはり靴に関するルールがありました。
店にいる時にはそのブランドの最新コレクションの靴を履くこと。
というのがルールでした。
が、4万円を超える高級靴だったため、社員掛けでも高くて買えない。
そこで会社は半年に1回、靴を支給してくれました。
新入社員は5センチのヒールのものを。
1年経つと7センチ以上のものを。
ハイヒールがそのブランドの象徴といってもいいぐらいだったせいです。
7センチヒールの靴を履いての立ち仕事は大変でした。
でもハイヒールを売っている販売員が、スニーカーを履いていちゃマズいだろうと思ったので、そのルールに対して反発は憶えませんでした。
ただしこれは私が靴店で働いていたからであって、違う業種の人のヒールの高さを決めることには賛成できません。

小説「総選挙ホテル」を執筆する際に、ホテルマンにお話を聞く機会を作って貰いました。
その方が働くホテルでは髪の長さや色、ピアス、爪の色、靴、腕時計、ストッキングの色・・・など色々規定があるとのことでした。

こういうルール作りは誰が、なにを根拠に決めているのでしょうか。
ルールを決めないと、相応しくない格好をする人が出てしまうからと考えるんでしょうかね。

そこまでする必要ってあるのかしらと思う反面、自分が客としてホテルに行った時に、例えば金髪で鼻ピアスをしたフロントマンで、彼の首にタトゥーが描かれていたりなんかしたら・・・やっぱりちょっと驚きます。
ここはかなり自由でカジュアルなホテルなんだなと思うでしょう。

幼き頃、人を見た目で判断してはいけませんと教わりました。
でも大人になり人は見た目で判断すると知りました。
それにその場に相応しい服装と身だしなみは、礼儀であろうとも思います。
ではどうするか。
服装の規定を会社が一方的に決めるのではなく、働く人たちにもルール作りに参加して貰ったらどうでしょう。
そうすれば皆が納得出来るルールになる気がするのですが。

残念なホテル

  • 2019年11月28日

以前は打ち合わせや取材などを、仕事場で行っていました。
が、部屋がすっかり散らかってしまい、とても人様をお迎え出来る状態ではなくなってしまいました。
だったらそれを機会に片付けたらいいじゃないのさ、と思うのですが、それはちとメンドー。

ということで、近くにあるホテルのラウンジで、お願いするようになりました。
仕事場から徒歩で30秒ほどの距離にあるホテルのラウンジは、もう私の応接室として捉えてしまっていいんじゃないかと。

席を予約するには「〇〇円以上のご注文が必要です」といったホテルのラウンジが結構多くて、食べたくもないアフタヌーンティーセットなどを、頼むはめになったりしがちですが、このホテルは無料でリザーブが出来る。
素晴らしいじゃないですか。

でも世の中、そんなになにもかもが素晴らしいものなんて、そうはないのです。
このラウンジにも残念な点が。

それはなにかというと・・・ライト。
1対1で向き合っている時には問題ない。
ところが3人とか4人になると、人と人が対角線上に座ることになりますね。
1つのテーブルであればいいのですが、ここは何故か中央に背の高いライトを置いて、このライトを挟む込むようにして、左右にテーブルを置いている。
わかり難いですか?
1対1で向き合う小さめのテーブルがありまして、その横にライトが設置してあるんです。
このライト床に置かれていて、1メートルぐらいの高さ。
で、そのライトの隣に、同じサイズの小さめの1対1で向き合うテーブルが置いてある。

このホテルのホームページを見てみると、誰もいないラウンジの各テーブルには中央にお洒落なライトが1つずつ設置されていて、それが座席を少し上から照らす様子は素敵な感じ。

ところが。
ここに実際座って対角線上の人に目を向けると、ライトの脚が邪魔をする。
だから「えっとですね、あ、顔が」と言いながら首をちょいと傾けて、ライトの脚から顔を出すようにして、対角線上の人の顔を見るようにしなくてはならない。
対角線上に座った場合、視線の中央にライトの脚が入って来て、邪魔をするんです。

ここにこのライトを置くと決めたヤツ、出て来いや。
それで、ここに座ってみろや。
と、言いたい。

ホテルのラウンジで対角線上に座った相手の顔を見るために、首を曲げなくてはいけないようなライトを置くな。
仮にインテリアデザイナーだか、スタイリストだかが、なにも考えずにこのライトを決めたとしても、ホテルのスタッフたちもあっちこっちのテーブルで、客が首を曲げているのを毎日見ているんだから、気付けよ。
マズいと感じろ。

だったらそうお前がホテルに言ったらどうなんだって話ですが、席の電話予約をする場合、先方がしてくださることがほとんどなため、事前にそう言うチャンスがない。
それで利用した後で言おうといつも思うのですが、他のお客さんが待っていたり、スタッフたちが忙しそうにしていたりで、今度にしようということになってしまう。
そうして何年も経ってしまいました。

気付くことが出来ないホテルは、客が離れてしまいます。
ホテルが販売しているのは、空間やサービスなどの形のないもの。
満足して貰えたかどうかがわかりにくい。
だから客がどう感じているかに敏感にならないと。

文庫「総選挙ホテル」の舞台であるホテルは傾きかけています。
気付くことが出来なかったんです。

仕事場から30秒の距離にあるホテルには、ずっと存在していて欲しい。
だから客の思いに敏感であって欲しいのですが。

計画と実行

  • 2019年11月25日

11月もあとちょっとで終わり。
そしてなにかと慌ただしい師走に突入。
部屋を見回してみれば散らかり放題で、年々空白のスペースが狭くなっていっている。
何故私はこのような取っ散らかった状態になってしまうのか。
どうも私には放置してしまう癖がある模様。
昨夜、ほうれん草にゴマでも掛けようかと冷蔵庫から取り出して、ふと賞味期限を見てみたら・・・6年前の日付が。
これも放置してしまう癖ということにして、OKでしょうか?

こんな私でも一応目標は立てるのです。
「今年は1週間に1度、お片付けの日を設けて15分間部屋の整理をする」と計画を立てました。
それはやがて10日に1度、30分に変更され、1ヵ月に1回へと修正し、うやむやの内に11月になって呆然とする・・・この繰り返し。

先日、実家で私の子ども時代のノートを捲りました。
小学生の頃のものです。
様々なノートに書き散らかしていました。
小説らしきものや、脚本らしきものもありました。
脚本らしきものは何故か役名がメアリーとスザンヌになっていて、日本の設定じゃないのかよと、幼かった己にツッコミました。
なんの影響を受けていたのでしょう。

そして日記帳もたくさんありました。
どの日記帳にも1月1日のページには、毎日書くとの宣言が。
ところが2月まで続かない。
どれも1月の下旬ぐらいにぷつりと終わっている。

目標を立てるもののその通りには出来ず放置する癖に、翌年になるとまた同じ目標を立てる・・・そんな子どもは、大人になっても同じなんですね。

こんな私ですが、小説の執筆だけは完成させるまで頑張れる。
ゴールテープを切るまで続けられるのは、執筆だけかもしれません。
今年も単行本「オーディションから逃げられない」「たそがれダンサーズ」の2冊と、文庫「総選挙ホテル」を刊行することが出来ました。
支えてくださる方たちのお蔭です。
有り難うございます。

我が子が飽きっぽくて困ると嘆く親の皆さま。
成長していく中で夢中になれて続けられるというものを、きっと1つは見つけられるから。
だから心配しないで。
見つける時期は人によって違います。
これを私が見つけたのは30代の時。
いつ見つかるのかはわからない。
他の人よりずっと遅いかも。
でも必ずありますから。
だから安心してください。
大人の皆さんの中にも、私はまだ見つけていないという方がいらっしゃるかも。
大丈夫。
いくつになっても見つける可能性はありますから。
見つける時期はいつだっていいんですから。

本当に? と疑った方は、是非「オーディションから逃げられない」「たそがれダンサーズ」「総選挙ホテル」を読んでみてください。
どれも人生って悪くないと思える小説です。


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