決めていることがあります。
ネットショップで欲しい物を見つけても、その日は買わないというルールです。
これまでたくさんの衝動買いをし、たくさんの失敗をしてきた身。
素敵。欲しい。買う。
この「素敵」から「買う」までに時間を掛けるのが大事だと、ようやく思えるようになったのです。
昨日、ネットショップでグレーのスカートを発見。
家で洗えるし、ウエストの後ろはゴムになっているという。
これこれ、こういうのを探していたのよ。
しかも半額になっている。

ポチりたい。
人差し指が疼く。
いやいや。
決めたじゃないか。
見つけたその日には買わないと。
そう自分に言い聞かせて、なんとか買うのを我慢する。
翌日。
メールをする必要も、書類を送付する必要もあったのですが、まずはスカートを買わなくてはと、いの一番でネットショップにアクセス。
そして今一度サイズなどを確認する。
念のためメジャーでヒップサイズを計測して、大丈夫だと確信してから購入手続きに。
カード番号を入力して、もっていたポイントを使って更に安くして貰って・・・と、手続きを粛々と進めていく。
すべての手続きを終えて、最後の購入ボタンを押す。
待つこと数秒。
画面が切り替わり、こちらの商品は完売したとのメッセージが出現。
はぁ?
ちょっと待ってよ。
ついさっきまで在庫ありだったのに。
どこかの誰かが私よりほんの少し先に、ぽちったってこと?
メジャーで計測していなければ私が勝てた?
カード番号の入力でもたついている間に、抜きされたとか?
胸に湧き起こる感情は・・・無念さ。
そしてがっかり。
私の脳内ではすでに、コーディネートの柱として活躍する姿が浮かんでいたのに。
何故昨日買っておかなかったのか。
本能のままに行動していれば。
その日には買わないなんて誰が決めた。
私か。

新刊「地獄の底で見たものは」に登場する由美は、長く専業主婦をしてきました。
色々あって働かなくてはいけないことに。
コールセンターで働き出し、自ら稼いだお金で服を買うようになります。
それを同僚に褒められると、ちょっと嬉しくなるし、誇らしくもなる。
娘からオシャレになったと言われて、満更でもない。
少しずつ自立していく由美の姿が描かれている小説です。
ポイ活してますか?
面倒臭がりな私は、この手のことが苦手なのですが、さすがにやらないと勿体ないと思うようになりました。
「やる」というと非常に能動的な感じが出ますが、実際は自然と貯まっていくもの。
あれもこれもと手を出しても、なかなかポイントは貯まらないので、これと決めたクレジットカードで支払いをするように努めて、コツコツ。
そこのクレジットカードと、提携しているネットショップで購入すると、ダブルでポイントが付くので、なるべくそこで買い物をするといった程度ですが。
このポイントは、自腹だったら買わないようなものにトライ出来るのがいいところ。
ポイントはオマケといった感覚があるので、例え買い物に失敗しても心へのダメージが軽い。
先日のこと。
トイレの便座用の隙間掃除グッズを、ポイントで買いました。
薄く細長い形状で、先端部分に除菌出来る溶剤が滲み込んでいるという代物を、ネットで発見したのです。
薄いので便座の隙間に差し込めるらしい。

これまでの人生において、便座の隙間を掃除したくて、したくて、どうしようもない、なんて気持ちになったことは一瞬もありませんでした。
しかしそのグッズの存在を知った途端、隙間を掃除したい気分になっていく。
そこでポイント。
貯まっていたポイントで買ってみました。
早速便座の隙間に差し込んで・・・と思ったら、差し込めない。
便座の隙間よりグッズの方が厚みがあるため、差し込めません。
我が家のトイレは普通より隙間が狭い?
この販売元は、私が考えている場所とは違う隙間のことを言っている?
そこでグッズが差し込めそうな隙間を探してみる。
差し込めた隙間はいくつかありましたが、そこは私の指も入るほどの隙間なので、グッズを使わなくてもいい。
これって・・・。
また買い物に失敗してしまいました。
これ、自腹で買ったのだったら、呪いの言葉の一つも呟くところ。
でもポイントで入手したものなので「ちっ」と舌打ちで済ませることが出来ました。
11月に始めることがあります。
それは年賀状の準備。
最近では年賀状じまいをする人も多いと聞きます。
郵便料金が上がりましたし、SNSなどで新年の挨拶をすればいいからと考える人が、増えているせいでしょうか。
以前はイラストや画像データが入ったCDを購入して、年賀状を作成していました。
時代が進み、作家が自身のHPなどで情報を発信するように。
そういうことが苦手だった私は、HPを用意できずに出遅れていました。
そこでせめて年賀状で、近況を知らせるように。
そのうちに近況の内容に合わせたイラストが、欲しいと思うように。
オリジナルのイラストを1点から注文出来るサイトを見つけたので、依頼してみました。
内容に合わせたイラストが入ることで、年賀状のオリジナリティ度がぐっと上がりました。
これをしばらく続けていたら・・・「桂さんからの年賀状を楽しみにしているんですよ」などと言われるように。
やがてHPを用意し、ブログも開始して近況を発信する手段をもったので、もう年賀状で近況を知らせなくてもいい状態に。
でも言われる。
「毎年楽しみにしているんですよ」と。

期待には応えなくてはと思ってしまう性質の私。
でもオリジナルで作ろうとすると、そこそこ手間が掛かる。
どうしよっかなぁ。
今回はイラストと文章がすでに印刷されている定番のハガキを買って、それで済ませちゃおうかなぁと、毎年一度は考えます。
が、オリジナリティを失くすというのが、どうもなぁと思ってしまう。
結局、これまで通りのものにすることを決断。
近況を書き、その内容に合ったイラストの作成を発注します。
こうして20年ぐらい、オリジナルの年賀状作りをしてきました。
気が付いたら、年賀状を大切にしている派になっていました。
食にまつわる情報が溢れています。
メディアでもネットの世界でも。
飲食店情報や新商品情報、作り方は勿論、他人の冷蔵庫の中身を覗き見たり、食材の価格についての情報だったり、生産者のインタビューなどなど、とにかくたくさん溢れています。
そんなに皆、食べることが好きなのかなぁと思ってしまうほどの情報量。
辟易しそうなはずなのに、つい、時短節約レシピの動画を見ている私。
私も興味があるようです。
新刊「地獄の底で見たものは」にも食がらみの話が出てきます。
登場人物の一人、足立英子は料理好きの夫から、今日の晩御飯のメニューを知らせる連絡がスマホに入った時、この人と再婚して良かったとつくづく思います。
料理好きな夫とは、曜日によって夕食造りを分担しているのです。
嫌なことがあった時、とても疲れている時、どんな時でも妻が夕食を作ることになっている家は多いでしょう。
英子の家のように分担制であったなら、どれほど助かるか。
そして英子の娘、美有紀はそんな両親を見て育ったため、食事について一つの考えをもっています。
それをクリアした男性との結婚を決めます。
食はやはり生活の、そして人生の中心なのかも。

A子は最近、夫とフードフェスタ巡りをするようになったと言います。
なにを選ぶのかは、それぞれ。
各自行列に並んだりして買い集め、会場に置かれたテーブルに広げて、その場で食べるという。
「これ、美味しい」とか、「こういうの、初めて食べた」などと言い合いながらの食事。
普段自宅ではもう話すことなんてなくて、いつも食卓はシーンとしているそうなのですが、この場では「美味しい」とか、「ビールが進む」なんて他愛もない単語が飛び交い、それだけで十分だなと思えるのだそう。
自分の幸せに気付けるのも食がきっかけ。
食の力は凄いようです。