体温計を買う

  • 2016年05月23日

人間ドックを受けるためクリニックに行った時のこと。
看護師さんが「体温を測りますよ」と言ったので、受け取って脇に挟もうと手を出したところ・・・看護師さんはなぜか私の額に器具のようなモノをあててきました。
ん?
と固まっていると「はい、36.4度ですね」と言って書類にその数字を書き込みました。
も、もしや、今ので体温を測ったのでしょうか?
じっと看護師さんが持っているモノに視線を注ぐと、一般的な体温計とほぼ同じような形状。
なのに、看護師さんは少し離した位置から私の額を狙っただけで体温がわかった模様。
しかも数秒。
体温計を脇に挟む時代は終わったのかぁと、一人感慨に浸りました。

自宅で体温を測ろうと思うのは、ちょっと熱っぽい気がするといった時で、それが気のせいか、本当に熱があるのかを確かめる場合。
体温計を脇に挟むとひやっとして、一瞬身体が縮みます。
これがあまり心地良くない。

額に翳しただけで体温が測れるなら、そっちの方がいいので、今度そうした体温計を買おうと心に誓いました。
が、わざわざスキップして買い物に行くほどではない。
ついでの時に買えばいいなとひとまず放置。
ところが、ドラッグストアに行った時に体温計のことを思い出さない。
ドラッグストアで買い物をして自宅に戻る途中で、ふいに「あっ、体温計」と思い出す。
そこで思い出すぐらいならずっと忘れているままでいいのに、ドラッグストアと自宅の中間地点あたりで「体温計」が突然浮かぶ。
残念ながら体温計には引き返すほどの魅力はなく、今度にしようと決めます。

そうこうしているうちに月日は流れ、その間には体温計を脇に挟むことが何度もありました。
その度に、今度ドラッグストアに行った時には、必ずや額で測れる体温計を買うぞと誓うのですが・・・ドラッグストアではそのことを思い出さない。
そんなエンドレスストーリーにも終わりが。
ネットで日用品を買っていた時、体温計をなぜか思い出し検索してみると・・・非接触タイプの体温計がたくさん。
この機会を逃したら一生買わないかもしれないと判断し、買い物カゴへ。
それがこちらです。
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小さな達磨型で額に向けてボタンを押すと、瞬時に体温を表示してくれます。
それが正しいかどうかを試すため、それまで使用していた脇に挟むタイプの体温計で計測してみると・・・これが見事に一致。
素晴らしいと感動し、もっと早く買うべきだったとも思いました。
で、電源をオフにしようとボタンを押してみたのですが・・・オフにならない。
説明書きを読んでみると、どうもオフにはせず常に作動させるもののよう。
買う時には気付かなかったのですが、体温計でありながら室温計でもあったようなのです。
なので、普段は室温を計測し、体温を測りたい時はボタンを押すという仕組みになっている模様。
常に部屋に置いておくものと知っていたならば、このデザインは選ばなかった。
またすでに室温計は3つもあるので、私には不要な機能でした。

ゲットするまでにこれだけの年月をかけたのであれば、買う際にちゃんと説明書きを読んでから決めれば良かったと、反省。
これまで買い物でたくさんの失敗を重ねてきたというのに、何度も繰り返す愚か者でございます。

映画「それでも夜は明ける」

  • 2016年05月19日

最近観た映像作品で、感動したものをご紹介。

まずは「それでも夜は明ける」。
アカデミー賞の作品賞を取った映画なので、すでにご覧になった方、タイトルを知っている方は多いのでは。
1800年代のお話で、ニューヨークでバイオリン奏者として活動していた黒人男性ソロモンが、騙され誘拐され、奴隷にされてしまいます。
酷い環境の中、打ちのめされ悲嘆に暮れながらも、家族と再会するため必死に生き延びようとする姿が胸を打ちます。
実話を元にした作品だそうです。

ネタバレにならないよう感想を書くのは難しいのですが・・・ラスト近く、ソロモンが対面するシーンがありまして、これがとても素晴らしい。
大声を上げたり、強く抱き合ったりといったシーンにするのが常道ですし、それでも充分感動的なものになると思うのですが、この作品ではただ静かに見つめ合います。
それが胸にじーんときます。
そこに至るまでの苦難が、その静けさの中にしっかり刻まれていて、胸が熱くなります。
スティーブ・マックィーンが監督というのを観終った後に知り、凄い役者さんは監督もできるんだなと感心しました。
また製作にブラッド・ピットの名前があり、製作というのはどういう仕事を担当するのだろうかと気になりました。
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次にご紹介するのはBBCで放送中のテレビドラマ「シャーロック」。
世界的に有名な探偵シャーロック・ホームズを、21世紀に登場させた意欲的な作品です。
シャーロック・ホームズをベネディクト・カンバーバッチがスマートに演じています。
ベネ様は大好きな俳優さんで、彼が出ているからという理由だけで見始めたのですが、これが作品として面白くって気が付けば夢中に。
「それでも夜は明ける」にもベネ様は出演していて、そちらでも存在感をバリバリ出していますが、こちらの「シャーロック」は主演でもあり、魅力全開です。
天才なんだけど変人で、それをちゃんと自覚しているというなかなか難しい役柄を、ベネ様は見事に演じています。
ワトソン役のマーティン・フリーマンとの関係も、現代風にアレンジしてあったり、くすっと笑うシーンも用意されていたりと、観る楽しみを熟知している作り方。
次のシーズンはいつだろうと調べてしまうほど、すっかりはまっているテレビドラマです。

座席で

  • 2016年05月16日

芝居を観に行きました。
開幕の15分前に劇場に到着。
チケットを片手に自分の席を探します。
と、番号が指し示しているのは、右端の席から一つ隣の席。
ネットで座席の位置を確認したうえでチケットを購入したので、これはわかっていたこと。
わかっていなかったのは、右端の席が右の壁と接していたこと。
劇場の右端の壁と、右端の席の間には通路があると思っていたのです。
が、なかった。
これは非常にマズい。
トイレが近い私は、劇場などでは通路にすぐに出られる席を狙います。
で、着席すると、途中トイレに行くとしたらあの扉が一番近いなと動線を確認します。
そんな私が、うっかりして取った席は、奥まった逃げ場のない場所。
こういう時に限って「トイレに行きたくなったりするんだよな、私って」と悪いことばかり想像してしまう。
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劇場の通路で呆然としているのも変なので、覚悟を決めて「失礼します」と声を掛け、着席している人にちょこっと膝を引っ込めて貰いながら、自席に向かって進みます。
前のシートとの間は狭く、足元は見えずで、なにかを踏んだ気がします。
ても、こういう時は気が付かないフリで突き進むしかないのです。
10人ほどのお客さんと膝を擦り合わせた後着席。
ふうっ。
もしトイレに行きたくなったら、これだけの人と膝を擦り合わせて通路に出なくてはいけないのだという事実に、打ちのめされそうになります。

ふと右隣を見ると60代ぐらいの男性が、ちょっと窮屈そうに座っています。
壁に背中を預けるようにして足を組んでいますが、あくまでも自席の範囲内で収めるため、かなり小さくたたむようにして座っていました。
で、この男性、寝ていました。
芝居が始まって眠ってしまう人はよく見かけますが、開始前にすでに寝息を立てている人は初めて見ました。
その男性は片手に紙コップを持っていて、そこには半分ほどのコーヒーが残っています。
「零すなよ」と心の中で声を掛けました。

客席の照明が落とされ、芝居が始まりました。
賑やかな音楽と力強い歌で、一気に舞台の世界に引っ張り込まれます。
が、右隣の男性は眠ったまま。
誰かに魔法でも掛けられたかのように、身体を小さくたたんだままで、コーヒーを零すこともなくじっと眠っている。
なぜ眠っているとわかるかというと、スースーと寝息が聞こえてくるからです。
こいつの鼻が詰まってなくて良かったと思うのは、私だけじゃないはず。
また、ガァーガァーといびきでも掛かれたりしたら、隣の私はどうやって「この人とは赤の他人です」とアピールすればいいかに頭を悩ますことになったでしょう。

で、舞台は盛り上がったまま休憩に。
隣の男性をチェックすると・・・開始前に見た時と同じ格好で、眠っていました。
およそ1時間半以上眠っていた模様。
そんなに普段は眠れないのでしょうか。
不眠の原因は仕事でしょうか、プライベートでしょうか。
なにがそんなにあなたを睡眠不足にさせているのかと聞いてみたい衝動を、なんとか抑えます。
休憩が終わり芝居が再開されました。
が、右からは相も変わらず寝息が。
それから一時間半後、芝居は終わりました。
大きな拍手が出演者たちに送られます。
と、ここで隣の男性の目が覚めた。
で、拍手をし出します。
なにに?
とツッコミたくなりました。
ずっと寄りかからせてくれた壁の硬さに対してでしょうか。

えっ? 私ですか?
勿論素晴らしい舞台でしたので、出演者たちに拍手を送りました。
同時にトイレを催さなかった自分にも拍手を送りましたが。

オリンピックが

  • 2016年05月12日

今夏のオリンピックに出場する選手が続々と決まっていますね。
オリンピック行きを決めた選手と、決められなかった選手の差が、ごくごく僅かなことに観ているこっちはため息です。
1秒もない差や、1ポイントもない差で勝敗が分かれ、その後の選手人生が大きく変わってしまう・・・なんて切ない。
でもこれも含めてスポーツの魅力なんですよね。
残酷さがすぐ近くにある中で、精一杯自分の力を出そうとひたむきに努力する姿に、人は感動するわけですから。
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今回のオリンピックではどんな競技が注目されているのでしょうか。
様々な競技が気になりますが、私としましては、それを題材にした小説を書いたこともあり、トランポリンに注目しています。
十回の跳躍をして、その技の難易度や正確さを争う競技です。
ほんの一瞬のミスで跳躍ができなくなれば、それで終わり。
だから観ている方もドッキドキ。
私は選手のオカンのような気持ちでいますから、試合前から心臓バクバクです。
いーち、にー、さーん・・・と跳躍する度数を数え「きゅー」と言う頃には「お願い」となにかに頼んでる。
十回の跳躍を選手が無事に終えた時には、私までぐったりと疲れていたりします。

さらに気になるのは時差。
注目試合の開始時間がいつなのか知りませんが、リアルタイムで観戦しようと思えば、昼夜逆転になるのは避けらないでしょう。
二十年ぐらい前昼夜逆転生活を送っていた時期がありました。
深夜の方が仕事が捗ると勘違いしていたのです。
が、これは一つもよくなかった。
たいした仕事の成果はありませんでしたし、身体のリズムを壊してしまったようで、あっという間に10キロ太りました。
以後はお日様の活動に合わせて過ごすように。
サッカー日本代表の試合などといった大事な試合のある時だけ、体内時計を無視するのを自分に許すようにしています。
すると翌日は大抵仕事にならないのですが。
こうしたことを考えれば、時差のある国でのオリンピック開催は・・・太らずに、通常通りの執筆ができるのか・・・私も背一杯自分の力を出して頑張らなくては。


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