美容院が苦手です。
ほとんどの美容院は、目の前に、大きな鏡があって、やって貰っている間中、己の顔と向き合わなくてはなりません。
そんなに、長いこと、見るに耐えられる顔ではありません。
段々辛くなります。
そこで、店内に置かれてる雑誌なんかを捲るのですが、それも頑張って30分が限界。
飽きてしまいます。

ある日、新聞で美容院が紹介されていました。
カットのみに特化した美容院で、全国に展開しているとか。
ネットで予約でき、予約時間は10分単位。
シャンプーもカラーリングもパーマもなし。当然ブローもしてくれません。
とにかくカットだけ。
これよ、こういうのを探していたのよ、私。
と、思った私は早速ネットで調べてみることに。
すると、自宅から電車で40分程度の街に、そのお店があるとわかりました。
ならば、行ってみるかと、チャレンジ。
店内はフツーにお洒落で、なかなかイイ感じ。
5センチぐらい、カットしてくださいとお願いすると、美容師さんが、ちゃっちゃと、カットしていきます。
このお店にも、当然、真ん前にはでっかい鏡があって、やって貰っている間は、自分の顔を拝み続けなくてはなりませんが、10分程度なら、我慢できるってもんです。
予約の単位が10分なので、1人あたり、その程度なんだろうなぁと思ってはいましたが、本当に、10分で終わった時には、拍手をしそうになりました。
他店では、カット後、洗い流したり、ブローしたりで、なんだかんだで、時間を取られますが、ここは、カット後に細かい毛を、掃除機のホースのようなもので、吸い取るだけなので、あっという間に終了。
これで、1300円。
安いし、早いし、長時間鏡を見なくていいしで、願ったり叶ったり。
その美容院へ行くまで40分。カットで10分。ここら辺にツッコミどころはあるのですが、ま、カット終了後に、その街で、買い物をしたり、コーヒーを飲んだりと、あれこれ楽しめるので、そこはOKとしたいと思います。
郵便受けに、一枚のチラシが。
マンションの管理会社からで、窓ガラスの拭き掃除をすると書いてありました。
入居してから6年。
内側の窓は拭いてきましたが、構造上、外側を拭くことはできず、気になっていました。
なんていうのは嘘で、窓ガラスの曇りなんて気にしたことはありませんでした。
ベランダの窓ガラスだけは、内側も外側も拭けるので、致し方なく、たまにやりますが、拭き方が下手なようで、拭き筋がべったりと窓ガラスに残ってしまいます。
全体的に汚れているより、雑巾が動いた跡がわかる方が、みっともないような気がします。
使っている洗剤容器には、2度拭きいらずと書いてあるのに、4回拭いても、拭き筋が残ります。5回目にトライすることなく、妥協し、これで、オッケーと呟くことにしています。
チラシには、作業員から部屋を覗かれないよう、当日はカーテンを閉めるようにとの注意点も書いてありました。
作業時間中、恐らく私は部屋で仕事中と思われ、ふと、パソコンから顔を上げたら、作業員と目が合ったなんてことになったら、ちょっと気まずいもんなと、納得し、スケジュール帳に、ブラインドを閉じると記入。

そして、当日。
すべての窓のブラインドを閉じた状態で、仕事をしていると、シュルシュルという音が。
なんだ、今の音? と思っていると、カチ、カチとなにかが窓に当たる音が。
そうか、窓拭き作業が始まったのかと思い、なんとなしに、耳を澄ませていると、キュッキュッと小気味のいい音がし出します。
その音のリズミカルなことといったら。
見てはいなくても、手際よく、窓ガラスを拭いていることが容易に想像できます。
と、また、シュルシュルという音が。
どうも、うちの窓拭きを終え、下の階へと移動した模様。
シュルシュルは、屋上から垂らしている、ゴンドラの紐が滑る音のようです。
しばらくすると、隣の部屋の窓からリズミカルな音が。
いったん下の階まで終えた後、隣の部屋の窓を始めた様子。
このようにして、端から順に、窓ガラスが拭かれていきました。
作業終了予定時刻は、午後3時になっていたので、その頃、ブラインドを開けてみると、きれいに輝く窓が。
拭き筋ゼロの、完璧な状態に、プロだわぁと感心してしまいました。
執筆に戻り、パソコンに向かっていると、なにやら、音が。
顔を上げると、窓には雨のしずくが。
うっそー。
よりによって、今から降る?
と、空に尋ねても答えが返ってくるわけもなく。
せっかくきれいにしてもらった窓ガラスも、僅か三十分ほどで、雨に汚されることになってしまいました。
なんとも切ない出来事でございました。
美術館によく行きます。
尋常ではない時間をかけ、魂を込めた作品と向き合うと、あぁ、私も頑張らなきゃなぁと素直に思えるので、モチベーションを上げるのに、最高の場所です。

ある美術館へ行こうとしたところ、そこは初めての場所。
案の定、迷ってしまいました。
周辺の案内地図の立て看板を見つけたので、近づいてみると・・・心霊写真かよとツッコミたくなるほど、うす~くなっています。
どうやら、陽にやけてしまったのに、そのまま放置されているようで、白っちゃけてしまっています。
ぼんやりした地図は、どんなに目を細めても、わかりませんね。
現在位置のマークさえ、見つけられず。
しょうがないので、歩いている人に道を尋ね、なんとか、目的の美術館へ到着。
こんなところに、あったんだぁと、しばし見上げてから、中に入ると、びっくりすることが山盛り、てんこ盛り。
まず、コインロッカーがない。
大抵の美術館は100円で使えるコインロッカーがあります。本だの傘だのを持ち歩いていて、とかく荷物の重量がある私は、ここにバッグやコートなどを入れます。
その、コインロッカー見当たらないので、スタッフに尋ねると、当館にはございませんとの回答が。
しょうがないので、手にずしりとくるバッグを持ったまま、展示フロアへ。
鑑賞しながら、フロアを移動していると、突然、「複写絵販売フロア」との表示板が。
えっ?
関連グッズや複写絵などは美術館内でよく販売されていますが、そういったのは、大抵展示フロアの出口付近にあるショップで行われています。
今、私、気付かないうちに、展示フロアから、出ちゃった?
と、辺りをきょろきょろ。
出ていない。
な、なんと、この美術館は、展示フロアと展示フロアの間に、即売フロアを作っていたのです。
本物を並べた展示フロアの間に、複写絵を飾り、売るという斬新なやり方に、思わず、ぽかんと口を開けてしまいました。
複写絵を買ってくださいという強いメッセージが伝わってきます。
ふと、見回せば、展示フロアには、スタッフの姿がほとんど見られなかったのに、この販売フロアには、アダルティなスタッフが2人。
それぞれ、来館者の横にぴたっと張り付き、接客トークを繰り広げています。
すっげぇ美術館に来ちゃったよと、一人呟きながら、展示フロアを進み、出口へ。
絵を鑑賞した後は、館内にあるカフェに入ることが多いのですが、この日も、ちょっと一休みしていくかなと、案内板に従い、足を進めると・・・カフェの前に十人ほどが群がっています。
何事かと覗くと、カフェの中に蜂が迷い込んだらしく、男性警備員3人がかりで、この蜂の大捕り物中で、その様子を女性スタッフと客たちが、眺めているといった模様。
虫取り網がないようで、素手でなんとかしようとしている点が、チャレンジャーだなぁと感心してしまいました。
当分、カフェに静寂は訪れそうもないので、一休みは諦めて、駅へ向かうことに。
いやぁ、それにしても、いろんな面で珍しい美術館でした。
久しぶりに映画「シェルブールの雨傘」をDVDで観ました。
小説と一緒で、映画も、観た時のこちらの状況によって、感じ方が随分と変わります。
カトリーヌ・ドヌーヴの美しさは、以前観た時と同じくらい感動モノでしたが。

以前観た時には「どんだけお洒落な壁紙よ」と、つっこんだ記憶があるのですが、今回、改めて感じたのは、色が溢れているということ。
おとぎ話を映像化する時、ポップな色使いで表現するというのは常套手段ではありますが、それにしたって、これだけ強い色をたくさん使っているのに、画面の中でちゃんとまとまっているのが凄い。
カトリーヌ・ドヌーブの母親役の衣装なんて、もう挑戦的といっていいぐらい。全身赤、全身ピンクといった、コーディネート。これだけ強烈な衣装だったのに、実はほとんど記憶がなく、ということは、壁紙より印象が薄かったということで、私の映画の観方に問題があったようにも思います。
カトリーヌ・ドヌーヴの衣装もとっても可憐で素敵です。
貧しい親娘という設定なんか、どこ吹く風。
徹底的にお洒落です。
セリフはすべて歌。
カトリーヌ・ドヌーブが歌っているシーンが観られるだけでも、一見の価値ありでございます。
おとぎ話の中にも戦争や、恋愛感情の脆さ、生きていかなくてはいけないという重さ・・・こういったものも盛り込まれていて、ただ美しいだけの映画で終わっていないところが、時代を経ても愛される理由ではないかと思いました。
最近の映画の中で観る、カトリーヌ・ドヌーブはほとんど無表情。
美しさだけで勝負している希有な女優さんだなぁと感心していましたが、10代のこの映画の中でも、表情はほとんど変化しません。
それなのに、愛する気持ちや、別れの哀しさ、迷いなどが、しっかりこちらに伝わってくるから、不思議です。
どんな努力をしているのでしょうか。
長いこと第一線で活躍している彼女の、生き様にとても興味がわきました。