文庫「週末は家族」の発売

  • 2014年12月04日

文庫「週末は家族」が発売になります。
5日ぐらいから書店に並び始めます。

柔らかくて温もりのある素敵な絵を使った装幀になりました。
単行本の時にもお願いした方に、今度は文庫用に新たに絵を描いていただきました。
装幀に使う絵というのはとても難しいんですね。
インパクトは欲しい。
でも、強さだけじゃなく、作品の雰囲気も同時に伝えたい・・・なんて時、編集者とデザイナーは頭を悩ませます。
いくつか出していただいた案はどれも素敵で、どうするかと悩んだ結果、決まったのがこれ。
決め手は、この絵には穏やかさだけでなく、その先へと誘うような奥行があるように感じたこと。
装幀が作品の入口だとするなら、扉の向こうに広がる世界を魅力的に見せてくれるような、物語性のある絵がいいように思うのです。
その点、この装幀はバッチリだと思うのですが、いかがでしょう。
P1010491
きっかけは新聞記事でした。
そこでは週末里親という制度が紹介されていて、定年退職後、ご夫婦で実際に週末だけ施設の子どもを預かっている方たちの話が書かれていました。
その制度を知らなかったので、その記事を読み、驚いたことを覚えています。
それから色々と調べていくと、親子という難解な関係性に出くわしました。
親子だから。
親子なのに。
そういう世間の声に縛られて、呼吸困難に陥っている親子がいるように思いました。

私はいろんな形の親子があっていいと思っています。
血の繋がりがあってもなくても、どっちでもいい。
一緒にいる時間が長いとか、短いとかも関係ない。
大切なのは、躓いた時すっと手を差し伸べるとか、嵐の時には身体を寄せ合うこと。
そんなことがとても大事だと思うのです。
嫌いなところがたくさんあったとしても、そこに信頼があれば、多少の山あり谷ありはあっても親子関係は築いていける。
そんな思いで書いた小説です。
興味をもたれた方はぜひ、お手に取ってみてください。

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