2015年の大晦日

  • 2015年12月31日

2015年が終わります。
今年はどんな年でしたか?
私はいつも以上に、なにかに追いかけられているような気持ちになっていた1年でした。
思うように執筆のスピードが上がらず、気持ちばかりが焦りました。
とはいうものの、作品を待ってくださる編集者がいるというのは、作家としては幸せなことで、恵まれている環境におかせていただいていることに深く感謝いたします。
oomisoka
まず今年は「僕とおじさんの朝ごはん」を単行本で発表しました。
物心ついた時からずっと命の縁を見つめてきた少年と、メンドー臭がりのおじさんの物語です。
つい忘れがちなのですが、すべての人の命には期限があります。
限られた時間をどう生きるのか、この難問に答えを出した少年に光を当てました。

次に文庫で「ハタラクオトメ」が発行になりました。
その体型からごっつぁんと呼ばれているOLの奮闘記です。
生活費を稼ぐためになんとなく出社していたごっつぁんが、働くことの大変さと喜びを知っていくお話です。

その次に「ワクチンX、性格変更承ります。」の単行本が発行になりました。
望んでいたすべてを手に入れた女性社長が、その工場で起こった異変によって、それまでの二十年の生き方を見つめ直さざるを得なくなります。
幸せな人生を歩いていると思っていた二十年間が、そうじゃなかったかもしれないと気付いた時の哀しみと、痛みが描けていたらいいのですが。

文庫「頼むから、ほっといてくれ」の発行もありました。
トランポリン競技に挑む選手たちの物語ですが、母親、コーチ、審判員といった人たちも登場します。
それぞれが様々な思いでトランポリン競技と関わります。
そこで感じたことも、見た景色も違います。
どんな人生であっても、悪くない・・・そんな小説になりました。

今年もたくさんの方たちに支えられ、作品を発表することができました。
どうも有り難うございます。
心を震わせるような作品をお届けできるよう、精進いたします。
また来年もどうぞよろしくお願いいたします。
皆さんの2016年がいい年でありますように。

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