遠足で

  • 2017年02月13日

小学生の頃遠足で山登りをしたことがあります。
どこの山だったのか覚えていません。
もしかしたら丘程度の場所だったのかも。
はっきりしない記憶の中で鮮明に覚えているのは、苦しかったこと。
足は痛いし、呼吸は苦しいし、しんどくてしんどくて。
どんどん皆に追い抜かれ、気が付けば生徒たちの最後尾に。
私の後ろには先生が陣取り、やたらと励ましてくるのがウザかった。
ennsoku
言い訳をさせていただくと、私はデブだったのです。
デブに山登りは辛い。
メンタルな問題ではありません。
肉体的な問題です。

やがて誰かがレモンがいいと言い出して、するとレモンを持っている人が何故かいて、へばっている私に齧るよう勧めてくる。
酸っぱいものが大の苦手の私は、辛い上に更に辛いことを強要され、哀しくなりました。

人生を呪いながら登り続け、開けた場所に到着。
そこでお弁当を食べることに。
ぐったりしていた私はお弁当を食べたのか、それとも残したのか記憶ははっきりしません。
ただ爽快感だとか達成感がゼロだったことは明瞭に覚えています。
これから下りることを考えて憂鬱だったことも。
登ったりするから下りることになるのだと、この企画自体にダメ出し。
それでも下りないわけにはいかず、疲れた身体に鞭打ち立ち上がりました。
学校や教師、小学校の教育制度といったものに対して呪いを掛けながらの下山でした。

これで終わらないのが学校。
感想文を書けという。
いいんですか、本当の気持ちを綴っても。
デブに山登りをさせるのは犯罪だと思いますと意見を述べても。
反骨精神に溢れる子どもであれば、本心を原稿用紙にぶつけたかもしれません。
が、平和主義者のてんびん座の私は、無難な選択をします。
教師が望むであろう作文を書く。
これが選ばれちゃったりして、文集に掲載されたりする。
自分の気持ちとはまったく違う感想文が一人歩きしていく。
小学生の私はなんとも言いようのない苦い気持ちを持て余すのでした。

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