貯蓄

  • 2017年02月23日

OLをしていた20代の頃。
勤務先の会社によって、同い年でも年収には大きな差がありました。
私は薄給な上休みは平日で少ないという、裏道を歩いていました。
友人A子は有名大手企業に就職し、高額の給料を貰い表街道を進んでいました。
実家暮らしであったA子は家にまったくお金を入れず、貰った給料すべてを自分の小遣いにしていました。
しかも昼食は母親が作ってくれるお弁当を会社に持参するため、お金は掛かりません。
小遣いがたっぷりあるA子は毎年海外旅行に行っていました。

いつの頃からから、A子の口から「運用」という言葉が出るようになりました。
「貯金」ではなく「運用」です。
〇〇円ぐらいあるなら△△に1年預けておいて、それから□□に移せばいいだとか、☆☆株を◇◇円分買ったけど、◎◎株にしておけば良かっただとか、私にはちんぷんかんぷんの話ばかり。
わからないながらも、A子の知識と攻めの姿勢に感心していました。

そんなA子と20年ぶりに会う機会がありました。
会っていなかった間のそれぞれの出来事をお喋りしていると・・・「最近じゃ運用も難しいわよね」とA子が言い出しました。
きた。「運用」
「最近はどのような運用をなさっているのでしょう?」とドキドキしながら尋ねると、A子の回答にはやはりなんのことだかわからない単語が並ぶ。
ただ「金」や「プラチナ」といった単語だけは聞き取れました。

あなたの財産は今いったいいくらぐらいなの? と聞きたい。
でも聞けない。
ただべらぼーな金額になっているだろうことは確か。
ふと浮かんだ質問をしてみることに。
「そうやって運用したお金の使い道は?」
するとA子は驚いた顔をして「使い道?」と尋ね返してきました。
どうやらA子は運用が趣味になっていて、増えたらまたそれを元手にして運用するだけのようです。
昔のように海外旅行へ行くこともなく、ブランド品を買い漁るでもなく、研究して分析し自分の財産を増やすべく奮闘する。
このこと自体に夢中になっている様子。
いいなぁ。
私も一度でいいから言ってみたい。
「ご趣味は?」
「そうですねぇ、強いて申し上げれば運用ですかね」
「運用ですか?」
とインタビュアーを驚かせてみたいです。


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