映画「リリーのすべて」

  • 2018年03月19日

最近観て感動した映画とテレビドラマのお話を。

映画「リリーのすべて」を観終わった後、ふうっと息を吐き出しました。
あまりに映画の中に入り込んでいて、ずっと息を詰めて観ていたからです。
深い味わいのある映画です。

世界で初めて性別適合手術を受けた、デンマーク人画家アイナー・ヴェイナーと、その妻ゲルダの物語です。
資料によれば、80年以上前に実在した人物がモデルのようです。

まず、アイナーが男性としてゲルダと仲良く暮らしている日々が描かれます。
そんなアイナーが、自分の本来の性が女性であると気付いていく過程が丁寧に描写されます。
このアイナー役をエディ・レッドメインが演じているのですが、それが見事。
最初は自分に戸惑い、恐怖さえ感じ、でも輝いていく・・・といった変化が素晴らしい。
そしてなんといっても美しい。
ちょっと不安そうで可憐な姿は、息を呑むほどの美しさ。

また夫がどんどん女性になっていくのを、側で見ている妻という難しい役を、アリシア・ビカンダーが見事に演じています。
事態にショックを受けながらも、それまでとは違う部分で結びついていく関係性を熱演。

愛するとはどういうことかといった、難しいテーマに取り組んだ作品です。

次にご紹介するのはテレビドラマ「LAW&ORDER」。
私が借りているレンタルDVDサイトでは、「ニューシリーズ」とタイトルが付いていて、だったら「旧シリーズ」があるのかと検索しても、それは出てきません。
なんでしょう。ニューシリーズって。
わからないことはそのまま置いておいて、このドラマの説明をすると・・・1話が大体45分ぐらいで、その中で事件が起こり、刑事が捜査をして、裁判で判決が出るまでが描かれます。
これらがすべて45分以内というのがまずびっくり。
でも決して急いでいるといった感じにはなっていないのです。
物語は非常にスピーディーに展開していきますが、ちゃんと人間というのが描かれているので、満足できるのです。
例えば・・・ぐいぐいと進んでいた物語が、裁判のシーンになって被告人の元上司が証言台に着きます。
そこで検察官から質問されて証言をするのですが、被告人は元上司が自分をどう思っていたかというのを初めて知って、傷付くという場面が。
それまでの速度とは明らかに違って、被告人のアップに時間が割かれます。
その瞳に、驚きと傷付いたといった心情が浮かんでから、次のシーンに移るのです。
こうした緩急によって、ちゃんと登場人物たちに、感情移入できるように作られているのが見事。
脚本の素晴らしさに感心させられるテレビドラマです。

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