張り紙が

  • 2018年05月24日

近所のレストランの外壁に1枚の張り紙が。
『亀を返してください』と書いてあります。
はっとして水槽に目を向けると、いつもそこにいた亀がいません。
その亀は大抵首を思いっきり上に伸ばしていて、必死で水面に顔を出そうとしているように見えました。
その姿を見る度水の量は適切なのかと考えたものでした。
もう少し水量を少なくしてあげれば、そこまで首を伸ばして空気を求めることもなかろうにと思っていました。
また、亀は肩が凝ったりしないのだろうかとの疑問を抱いたりもしました。

その亀がどうやら盗まれた様子。
張り紙には今は亡きお祖母さんがプレゼントしてくれた大切な亀で、家族の一員だった云々と書いてあります。
それは盗人へのメッセージでした。
盗人にこの事情を汲み取れるほどの良心があればいいのですが。

このレストランは性善説を取っているようだというのはわかっていました。
店の前に大量の植木鉢を置いているのです。
それらの植木鉢はどれも見事に咲いていて、ベストな状態であり、またその種類は日々変わりました。
勝手な推測をすれば、裏庭で育て花が開くと店の前に移してお披露目をし、花の時期が終わると引っ込めて、開花時期になった別の鉢植えを出すといったルールにしていたのでは。
そしてそれらの立派な花々は、お披露目期間中はずっと外に出しっ放しでした。
中に仕舞って店の扉を閉めるといったことはせず、外に置いたまま。
盗まれないもんだなぁと、ある意味感心していたぐらいでした。
亀のいる水槽も同様に外に出しっ放しでした。

こっちが予想もしていないものが、盗まれてびっくりといった経験があります。
自動車に付けていた初心者マークは4枚盗まれました。
自宅から徒歩で1分ほどの住宅街の中にあった駐車場に行くと・・・「あっ。またやられた」といったことが4回。
初心者マークを盗んでどうすんの? と思いましたね。
盗人も初心者だったのか?
だったら1枚で充分じゃないのって話です。
それとも盗人は4人いたのか?
真実は今でも謎のままです。
小学生の頃は自転車にチリンチリンを付けた日に、盗まれたことがありました。
自転車を公園の端に置いて遊んでいる間に、付けたばかりのチリンチリンが盗まれたのです。
ショックを受けた記憶があります。
当時はなんだってチリンチリンを盗んだんだろうと不思議に思っていましたが、今考えるとどうして自転車は盗まれなかったのだろうと、そっちを不思議に思います。

そして亀だけ盗まれたというのも哀しい話ですし、不思議でもあります。
水槽は残して亀だけ盗んで、それからどうするのでしょう。
どこかで売るんでしょうか。
盗まれたのではなく、自ら逃亡したということはないのでしょうか。
海を見たくて冒険の旅に出たとか。
そっちだったらどんなにいいか。
亀が無事か、元気でいるかが気がかりです。

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