慰める

  • 2019年04月18日

友人A男が離婚しました。
15歳年下のB子と、二度目の結婚をしたのは去年のこと。
A男は2度目でしたが、B子は初めての結婚。
B子の希望通り、結婚式は大きなホテルで盛大に開かれました。
A男はB子にべた惚れで、仲間たちは散々のろけ話を聞かされ続けました。
が、破局したそうで、A男を慰める会を開くというので参加することに。

現れたA男はすっかりやつれていて、掛ける言葉を思い付けない。
離婚の理由や経緯は聞かずに「まぁ、元気出してよ」と言う程度。
乾杯していいんだか、いけないんだかわからず、各自おずおずと勝手にグラスに口を付けるというぐずぐずのスタート。

当たり障りのないテーマを選びながらA男をチラ見。
ちょっとお酒を飲むスピードが速い気がするも「ピッチが速いんじゃないの」と誰もツッコめない。

そんなこんなでありながらも宴は進み、1時間程経った頃でした。
ふと、A男に目を向けると・・・泣いていた。
50代のオッサンの涙は、いろんな意味でこっちを哀しくさせる。

静まり返った部屋で「俺と同じ部屋で呼吸するのも嫌だと言われた」と言ってA男は泣く。
B子がそのような発言をするまでには、色々なことがあったのでしょう。
こうした場合には大抵「もっと素敵な人に出会えるさ」的な言葉を掛けてきました。
若い頃には。
が、50代のオッサンに、この言葉を掛けてもいいのかといった疑問が。
ちょっと無理矢理な慰めの言葉ではないのかといった、抵抗感を覚える。
しかしながら、いつの間にか人生は100年時代となっているようなので、まだまだこれから大恋愛をする可能性がゼロではない。
とするならば、20代の頃に掛けていたのと同じ言葉「もっと素敵な人に出会えるさ」を言ってもいいのでしょうか?

躊躇する私より先に仲間の一人が発言しました。
「いい経験をしたと思えばいいさ。別のところにある縁と繋がるために必要な、別れだったのかもしれないぞ」と。
お見事。
思わず、その発言者に拍手を送りたくなりました。
このアドバイスのあやふやさが、素晴らしいじゃないですか。
もっと素敵な人に出会えるとは言わずに、経験というフォルダーに入れてしまえとアドバイスしているのです。
更に「別のところにある縁」といった表現をすることで、恋愛対象者に限定させずにぼやかしている。
これによって趣味や仕事や社会貢献といった、様々な世界で活躍できる可能性があることを遠回しに示している。
この深い言葉を言ったのも50代。
さすが。

今度同じようなケースに出くわした時には、この言葉を使わして貰おうと頭の中にメモしました。


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