固定観念

  • 2019年04月22日

子どもの頃に食べた記憶はなく、いつの間にか食卓に登場し、今や確固としたレギュラーの地位を獲得した野菜。
それはミニトマト。
一体いつ頃から食卓に登場したのでしょうか。

昔のトマトは黄緑色の部分が多くあるものも売られていて、硬かったような気がします。
それはやがて真っ赤なものばかり売られるようになり、ジューシーなものに変化。
包丁でくし型切りにして、サラダにどーんと入っている野菜でした。

そして皮はしっかりしているものの、中にトロトロした部分があるため、お弁当に入れられることはありませんでした。
それがミニトマトの場合は、カットせずに投入できるため、皮で守られてトロトロが出ない。
これによって、弁当箱の中でもしっかりとレギュラーの地位をゲット。

トマト界において、ミニトマトは成功者といっていいのでは。
従来サイズのトマトからは嫉妬されているんじゃないでしょうか。

このミニトマト、誰が開発したのか知りませんが、当初は理解されなかったんじゃないかと想像します。
「大型化するんだったらわかるけど、小さくするって? おかしいんじゃないの」といった意見が圧倒的だったのでは。
そうした否定的で無理解な周囲の声にもめげずに、信念を貫き通しで開発した・・・ドラマになりそうですね。

野菜に限らず新しいものを生み出そうとする時って、まず固定観念をもっている人と戦わなくてはいけないのですが、これがなかなか大きな壁だったりしますよね。

そして年を重ねてきて思うのは・・・自分の固定観念で、新しい発想を否定しないようにしたいということ。
そこそこ経験があると、それまでのやり方に固執して、それがベストだと思い込んでしまいがち。
でもそうじゃないかもしれない。
違う視点からの意見や、新しい発想の意見を、素直に聞ける耳をもっていたいと思います。
これって、結構難しい。
常に頭を柔らかくしておく必要がありますね。

小説の原稿が完成した時、編集者に読んで貰います。
読み終わった編集者から意見が出ます。
大きなことから、小さなことまで。
その中には思いもよらなかった意見が出されることも。
そうした意見の一つひとつを吟味して、最終的には自分で判断しなくてなりません。
編集者の意見に従って直すのか、それとも直さないのか、或いは別のアイデアで解決するのかといったことをです。
そうした時、迷います。
かなり悩みます。
正解がない問題を解いているような状態ですしね。
こうした時に自分はこうしたいといった視点ではなく、読者にとってはどうなのかといった視点で、編集者の意見を吟味できるかどうかが大事。
新しい発想を、そんなの聞いたことがないとか、書いたことがないといった、未経験を理由にシャットアウトしないというのを、肝に銘じるようにしています。
言うは易く行うは難し、なんですけれどね。


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