着物を

  • 2020年06月04日

着物を売りたい。
クローゼットの中に着物を収納している桐製のケースがあるのですが、それが邪魔。
着物、全然着ないし。
そんな時にチラシが郵便受けに入っていました。
出張買取致します。高価買取保証。
と、書いてある。
わざわざ来ていただくほどの着物じゃないんだなぁ、残念ながら。
ネットで安いのを買い、仕立てて貰ったもので、専門家に見ていただくほどの代物じゃあない。

一度も着ないまま、クローゼットの肥やしになっていたもの。
しつけ糸がまだ付いている状態。
なんで着ない着物を買ったのさって話なんですが、突然、日本人として着物を着ないのは、勿体ないことではないのかと思ってしまったのです。

そして妄想がスタート。
友人との待ち合わせ場所に着物で行って、「あら」なんて言われて、「今日は着物の気分だったので」と、さらっと言っちまうような女になろうと決めたのです。

そこでざっとネットで勉強して、必要最低限の小物と安い着物、帯、草履などを買い揃え、収納ケースもゲット。
ところが。
着物を着るにはいくつもの難関が。
まず着付けが難しい。
もっと簡単に着られるようになるものかと思っていたら、これが滅法難しくって、一人じゃ着られやしない。
そうなると誰かに着付けて貰うしかない。
自宅に出張してきて貰うか、私自身がどこかに着物を持ち込んで、そこで着付けて貰うしかない。
お金と時間が掛かるなぁ、どうすっかなぁと呟きながら、着付け関連のサイトを見ていると・・・半襟はご自分で付けておいてくださいとの文章を発見。
半襟は自分で?
着物は着る度に半襟を長襦袢に縫い付ける必要があるのですが、それはてめえでやれと書いてある。
オーマイゴッド。

針仕事がなにより苦手な私にとって、自分で縫い付けなくてはいけないというハードルは、エベレスト並みに高い。
必死で半襟付けもやってあげますよという、親切な着付け店を探すも皆無。
しゅるしゅると着物を着たいとの思いが小さくなっていく音が。

このようにしてこの段階で挫折したので、未使用の数着の着物と帯と、最低限の小物がクローゼットの中に居座る状態に。
はてさて、どうしたものか。

個人売買が出来るアプリなどを使って、売るのがいいようにも思いますが、それだと一つひとつ写真を撮って、説明文をつけなくてはいけない。
大抵質問なんかがくるので、それに返信もしなくてはいけない。
メンドー臭いなぁと思ってしまう。
結局放置し、また数年後にどうすっかなぁと思う。
この繰り返し。
日本人として着物を着ないのは勿体ないなどと思い付いた自分を、呪いたい気分です。

ブログ内検索

  • アーカイブ


  • Copyright© 2011-2024 Nozomi Katsura All rights reserved. No reproduction and republication without written permission.

    error: Content is protected !!
    Copy Protected by Chetan's WP-Copyprotect.