鏡を

  • 2020年09月14日

以前電車に乗った時のこと。
向かいに30代ぐらいの女性が座りました。
バッグから鏡を取り出し、前髪のチェックを始める。
希望する位置で髪をキープするのが難しいのか、何度も何度も手で撫でつける。

次に目元のチェックを開始。
鏡に向かって何度かパチパチと瞬き。
彼女の満足出来る地点まで、到達していなかったのでしょうか。
今度はバッグからマスカラを取り出して、まつ毛に塗り始める。
誰しもマスカラを塗っている時の顔って、結構笑えるものになるのですが彼女もそう。
変顔状態でマスカラを器用に塗る。

で、終わりかと思ったらまだ終わらない。
少しカールしている毛先のチェックに取り掛かる。
毛の方向が気に入らないのか、髪を少し摘まんで形を整えようとする。
何度も何度も何度も。

しばしの時の後で髪から手を離したので、終わったかと思いきや、前髪のチェックに戻ってしまう。
そのループに終わりはくるのか。

彼女が座席に着いてから、電車はすでに2つの駅を通過。
その間中、ずっと鏡を見ている。

これから大事な勝負でも待っているのでしょうか。
ならば、それが成功するよう祈りたい。

そして知りたい。
彼女がこれでいいという状態と、ダメだと思う状態の差を。
彼女が着席してから弄り倒している間の変化が、私にはわからない。

直すというより触っていないと落ち着かないとか、そういう感じなんでしょうかね。
駅は4つ目を通過。

向かいの彼女は目の下にティッシュペーパーを当てる。
私には見えない汚れが、彼女には見える模様。

結局、5つ目の駅で私が電車を降りるまで、彼女は鏡を見続けていました。

彼女ほどではないにせよ、鏡を見る時間が長い人は結構いらっしゃるようですが、私の場合は・・・鏡を見ることが極端に少ない。
顔にクリームを塗る時でさえ、鏡を見なかったりする。
トイレに行った後で手を洗っている時、ふと鏡を覗いたら、朝、顔に置いた白いクリームが、そのままの状態であることに気付いてびっくりしたりします。

クリームを塗ろうと思い顔の数ヵ所に点々と置き、そこから伸ばし塗るつもりが、途中で止めてしまったようなのです。

あっ。
さっき宅配便の人が来て、荷物受け取ったけど、その時、私の右頬には白いクリームが置いてある状態だったんだ。
と、気付いた時の恥ずかしさといったら・・・。

クリームを塗る時ぐらいは鏡を見ろよと、己に注意しました。


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