見本が届きました

  • 2020年10月05日

10月8日に発売になる文庫「諦めない女」の見本が手元に届きました。
こちらです。

色、色、色・・・となっていて、これが書店さんに並んでいたら、目に留まらずにはいられなくって、足を止めずにはいられなくって、手を伸ばさずにはいられなくって、レジに運ばずにはいられなくなる・・・となるといいのですが。

カバーは単行本と同様に、イラストを水口理恵子さんに、デザインを大久保伸子さんにして頂きました。
素敵なカバーを有り難うございます。
女シリーズの「嫌な女」「我慢ならない女」と同じコンビで、カバーを仕上げて頂きました。
帯を外すとこんな感じです。

この「諦めない女」は珍しく、タイトルが先に決まりました。
いつもは小説が完成した後で、編集者と案を出し合った上で、営業スタッフの意見も参考にしながら決めていきます。
ところがこれは小説を書き始める前の段階で、編集者に「諦めない女」を書きたいと話していました。

書きたい人物、そのための設定、構成が最初っからはっきりと見えていたせいかもしれません。

いつもはそこまではっきりとした姿が見えない中で、執筆をスタートさせます。
全体的に霧がかかっているような感じです。
主人公がこの先にどんな人と出会い、どんな行動を取るのか、どんな景色があるのかを、わかっていません。
書いている私は、主人公の隣を歩いているような感覚でいるのですが、主人公に道案内は出来ません。
私にも見えていないので「こっちの道じゃない?」なんてアドバイスも出来ないのです。
大体この道だろうと辺りを付けて主人公と一緒に歩いていたら、行き止まりにぶつかってしまい、二人ですごすごと道を戻るなんて感覚になることも。

そうやって書き進めているうちに、ある日突然、ぱっと霧が晴れる瞬間が訪れます。
あぁ、こういうことかと、物語の全体像を把握出来るようになります。
これがいつもの書き方。

ところが「諦めない女」では執筆を始める前から、くっきりとした絵が頭の中にありました。
霧はなく周囲も細部もよく見えていました。
主人公が歩く道も、このまま真っ直ぐ進めばいいとわかっている感じ。

だったら書き易かったかといえば、そうではありませんでした。
見えている世界のすべてを文字にすることは出来ないので、どこを描くのか、なにを描かないのかを決めなくてはいけませんでした。
これがとっても難しかったんです。

なにはともあれ読書の秋。
秋の夜長にこの1冊を。


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