自動線審

  • 2021年02月25日

全豪テニスで大坂なおみ選手が優勝しましたね。
素晴らしい戦いぶりでした。

この大会はコロナ過での開催のため、選手の隔離方法が話題になりました。
もう1つ話題になっていたのが、人間の線審を止めて自動線審にしたこと。

スポーツの試合を観ていると・・・なんか審判って格好いいですよね。
インなのか、アウトなのか、ストライクなのか、ボールなのか、オフサイドなのか、セーフなのかをジャッジするのは審判たち。
皆が固唾を呑む中ぴっと手で指し示したり、旗を上げたりして判定を下す。
その姿は凛々しい。
スポーツ選手に憧れる子どもの数と、同じくらいの子どもたちが審判に憧れても、不思議じゃないくらい。

しかしながら審判も完璧とはいかない。
時に間違う。
後に世紀の大誤審などと呼ばれるような、ミスジャッジもある。
そこで昨今はテクノロジーで補うように。
ただどうテクノロジーを取り入れていくかが難しい。

バレーボールやテニスでは、人間の審判が下した判定に不服があった場合には、ビデオ判定を要求出来るようになっています。
1試合に何回までと回数の制限はあるものの、こうした方法は、人間とテクノロジーを上手く合体させたものだと思っていました。

それが今回の全豪テニスでは、密を避けるための処置として、人間の線審を1人も置かず、カメラを使ってテクノロジーによってジャッジが行われました。

選手たちは皆大賛成したのかと思いきや、不満を口にする選手もいたというのが、とても意外でした。
機械だって誤動作やミスをするから信頼出来ない・・・と考える選手もいたようです。
まぁね。
機械だってミスはしますよね。
でもそんなことを言っていると、なんのジャッジだったら完璧で、信頼出来るのかってことになっちゃう。

テクノロジーの精度を上げていって、誤動作やミスを極力少なくしていく・・・これしかないように思うのですが。

以前アメリカのメジャーリーグの審判を目指す人の、ドキュメント番組を観たことがあります。
その人たちはストライクなのかアウトなのかの判断が、どれだけ正しかったかといった正答率を出されて、それによって順位付けされていました。
1年間マイナーリーグで審判を行う中で、その正答率の高かった上位数名だけが、メジャーリーグへ進めるのです。
こうしたジャッジの正確性だけでなく、どれだけ試合をコントロール出来ていたかといったことも、評価の対象になっていました。
審判の判定に文句を言う選手。
大騒ぎをして悪ふざけが過ぎる選手。
こうした選手に時に注意をし、時にシカトし、時に怒っているフリをし、試合をコントロールし、正常に進めていく力量が求められるのです。
これには威厳が必要。
選手たちから尊敬されていなくてはいけません。

あぁ、大変だなぁと、その番組を観ながら思いました。
同時にやっぱり審判って格好いいなと、憧れの気持ちを抱きました。

どれだけ正確にジャッジ出来ても、自動線審を格好いいなぁと思う日は来ないでしょう。
試合をコントロール出来るのは人間の審判です。
素晴らしい審判によって、選手たちが最高のパフォーマンスを披露出来る・・・そんな試合を生で観られる日が、1日でも早くきますように。

ブログ内検索

  • アーカイブ


  • Copyright© 2011-2024 Nozomi Katsura All rights reserved. No reproduction and republication without written permission.

    error: Content is protected !!
    Copy Protected by Chetan's WP-Copyprotect.