今年のお花見は

  • 2021年04月01日

今年のお花見はどんなでしたか?
地域によっては、まだこれからのところもあるでしょうね。

私は自宅の近くにある1本の桜を愛でて終わりました。
あ、蕾が膨らんできた。
あ、咲いた。
などとその1本の桜の様子を時折確認するのが、春の恒例となっています。
同じようにその桜を愛している人はたくさんいます。
その桜を見上げている人を、度々見掛けましたから。
ある日は70代ぐらいの男性が、その桜をスマホで撮影していました。
散歩途中らしく、トイプードルがお座りをして、大人しく撮影が終了するのを待っていました。

日本人ってとっても桜が好きなんだなぁと、改めて思います。
花はたくさんあるのに、たった1種類の花だけの咲く時期を予想しちゃったり、咲いたことが報道されちゃったりするなんて・・・溺愛ぶりがちょっと凄い。

実家から電車で4つ先の駅に大きな公園があり、そこは桜の名所となっていました。
子どもの頃はよく行きました。
花見の時期にその公園に足を踏み入れると、感じるのは花の匂いではなく、アルコール臭でした。
宴会をしている人たちが大勢いて、お酒を飲みまくっているからです。

大学生の頃の話。
花見のための場所取りを命じられた私は、同じく場所取り役となった男子と二人で、ブルーシートに座っていました。
外って寒い。
そんなことを思ったのを覚えています。
やがて男子の落ち着きがなくなっていく。
明らかに挙動不審。
なるべく離れた方がいいなと、ブルーシートの端っこに移動してみたりしました。
どれくらい経った頃か突然男子が言いました。
「あー、もう我慢出来ない」と。
「えっ? なに?」と驚く私に男子はこう言い放ちました。「こんなに酒のにおいがしているところで、酒を我慢しなくちゃいけないなんて、俺には無理だ」と。
そして「酒、飲みてー」と叫び、「俺、買ってくるから、場所取り一人になるけど頼むよ」と話す時には、すでに靴を履き始めている。
「わ、わかった」と返事する以外に、私に出来ることはありませんでした。
ところが。
この男子、戻って来ない。
どこまで買いに行ったんだか。
そのうちに仲間がやって来る。
あれ? 一人? 〇〇は?
と、男子の名前を出して所在を尋ねてくる。
さぁと首を捻るしかない私。
宴会が始まって2時間ほど経った頃でした。
件の男子が現れました。
完全に出来上がった状態で。
皆からどこに行ってたんだと聞かれた男子は、ニヤニヤするばかりでまともな回答はせず、ブルーシートに横になったかと思うと、すぐに寝息を立て始めました。
あんた、花見をする気ゼロで、ただ飲みたかっただけだろ? と心の中で問い掛けた記憶があります。


Copyright© 2011-2021 Nozomi Katsura All rights reserved. No reproduction and republication without written permission.