バイキング

  • 2022年05月05日

フリーライターをしていた頃、観光地にあるホテルに行きました。
夕食のバイキングが人気だというので、その取材でした。
カメラマンと2人で行き、そこの料理の写真を撮り、料理長から話を聞いてこいとのオーダー。

こういう時のアポ取りは編集者の仕事。
先方に取材の意図や内容などを事前に説明し、了解を取っておくのが編集者で、ライターは指定された時間に行けばいいだけになっているのが、通常パターン。
つつがなく取材が終わることもありますが、そうはならないこともある。

その日、編集者が行けと行ってきた時間は午後4時半でした。
カメラマンとそのホテルのレストランに行き名前を告げると、担当者が現れました。
担当者は言いました。「午後5時にレストランを開けてお客様を入れるので、それまでに写真はすべて撮り終えてくださいね」と。
無理。
全体写真の1カットぐらいは撮れるでしょうが、皿に料理を盛ってテーブルに所狭しと並べて、ほーらこんなにたくさんの料理が食べ放題といった写真を撮るのに、30分じゃ無理。
それが無理だということは、編集者だってわかっているはず。
なのにどうしてこんな無茶苦茶なスケジュールを組んだんだよと、編集者を問い詰めたい。

あれこれ話を聞いてみたら・・・ホテル側も30分で撮影出来るのかなぁと思ってはいたものの、プロが出来ると踏んでいるなら、出来るんだろうと思い、敢えて尋ねなかったとのこと。
一方の編集者側は午後5時までに撮影を終了しなくてはいけないという、マストな部分を聞き逃したか、忘れたかした。
それで料理が完成する時間しか確認したなかったと想像。
料理が完成する30分前から準備をすれば、丁度いいと判断したのでは。

更に料理長は忙しいので、そんな時間は取れないとホテル側はいう。
開店前の一番忙しい時間帯に、料理長から話を聞きたいなんて言われなかった。
もし言われていたら、それは無理だと断っていたはずだとホテル側はいう。

編集者とホテルのどっちが悪いのか。
わからん。
さぁ、どうする私。
ふとレストランの入り口へ顔を向けると・・・午後5時の開店まで20分ぐらいあるのに、すでに浴衣姿の宿泊客が並んでいる。
もう?
夕食食べるの、早くない?
夜、長くなるよ。
と、言いたい。

隅の方のテーブルを1つお借りして、そこで撮影させて頂けますかと一応尋ねてみる。
でもNGだという。
お客さんがいる場所での撮影はダメだとのこと。
これ、ホテルあるある。
そこにいてはいけない人が、写り込んだりする可能性があるので、ちゃんとしたホテルであればあるほど、お客さんがいる場所での撮影は許可されないのです。
では、どこか別室をお借り出来ないだろうかと粘ったのですが、そうした場所はないとのこと。
ホンマかいなと思いはしたのですが、諦めてカメラマンに大皿に料理が並んでいるところを引きで撮影して貰い、終了となりました。

この時は初めての経験だったので、ショックを受けたのですが、場数を踏むうちに現場に行ったら、話が全く通っていなかったなんてことが、そこそこあるとわかりました。
やがて対応力もついてきて、おたおたせずにその現場で最善を尽くそうとするように。
何事も経験ですかね。

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