カフェで

  • 2022年06月30日

暑いですね。
昨日、暑くて思わず入ったのは、セルフサービススタイルのカフェでした。
医者から冷たい飲み物は摂らないようにと言われているにも関わらず、欲望に負けて、アイスコーヒーを注文。
カフェインも摂らない方がいいと、医者から言われているのですが、人は時にヤケを起こすもの。
医者から言われていることを丸ごと記憶から消し去って、アイスコーヒーを飲んでいると・・・隣席のテーブルに目が留まりました。

化粧品が並んでいます。
化粧品を挟んで2人の女性がなにやら話をしています。
1人は40代ぐらいで、暑いのに黒いジャケットを羽織っています。
一方の女性は30代ぐらいでしょうか。
Tシャツにジーンズのカジュアルな格好。

黒ジャケットの女性がTシャツの女性の、手の甲にクリームを塗り始めました。
なんだ、これは。
もしかして化粧品の売買をここでしている?
友人同士が化粧品の話をしているといった雰囲気ではない。

耳を澄ますと・・・黒ジャケットが9割喋っていて敬語。
Tシャツの方も敬語を使いますが、時折、どうかなぁと敬語以外の言葉もちらほら。

こんな風にセルフサービススタイルのカフェで、化粧品を売買するのが最近は多いのでしょうか?
このカフェをTシャツが希望したということなのでしょうか?

少しするとTシャツが言いました。「いいんでしょうけど高いですよねぇ」と。
さあ、どうする黒ジャケット。
ここからがあなたの腕の見せ所。
高いと思っている客をどう説得する?
私が販売員をしていた頃、このハードルを越えるのは大変でした。

黒ジャケットは「そうですか。ご予算よりも高いのでは仕方ないですね」と言って、なんと化粧品を自分のバッグに仕舞い始めました。
あっさりしていて、びっくり。
そこは押すところでは?

黒ジャケットが化粧品をバッグに仕舞いながら言いました。「美肌になりたいとのご希望を、叶られるのはこの品ですが、残念です」と。
するとTシャツが少し慌てます。
咄嗟に目の前のボトルを摑み「これだけなら」と言い出しました。
すぐに黒ジャケットは笑顔になり「まずはそちらで試してみるというのは、いい選択だと思います」と褒める。
褒められたTシャツは小さく頷き、満足したような表情を浮かべました。

よっ。匠の技。
私は心の中で黒ジャケットに、そう声を掛けました。
押し続けたら逃げるタイプの客だと踏んだ黒ジャケットは、一旦はあっさり引き下がる作戦に。
Tシャツに好機を逃したと思わせる言葉を吐き、残念がって見せる。
そしてTシャツに、今買わないと損だと思わせることに成功したのです。
なかなかの策士です。

「残された人が編む物語」には化粧品の訪問販売をする女性が登場します。
ネットで買えるのに、自宅に来て貰って買う人なんているの? と思った人もいるかもしれません。
私もそう思っていました。
調べてみると、訪問スタイルで化粧品を売る会社はいくつもあり、その売上は結構な金額でした。
コロナの影響を受けたでしょうから、ここ2年ぐらいの売上は下がってはいるでしょうが。
大変な仕事だと推察します。
ネットでも買えるし、ドラッグストアやコンビニでも化粧品は買えます。
買える場所はたくさんあるし、その数も種類もたくさん。
それらに対抗してアポを取って自宅に行き、買って貰うのが仕事なのですから、商品の良さだけでなく、販売員の人柄などが問われるのではないでしょうか。
やっぱり大変な仕事です。
ま、楽な仕事なんてこの世に一つもないのですが。

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