ラジオから

  • 2019年03月25日

朝、パソコンの前に座った途端、いきなり小説の執筆をする・・・という日もないことはないのですが、大抵はまず事務仕事からスタートします。

そんな時にはPCに入れたアプリでラジオを聞きながら行います。
そのアプリでは世界各国のラジオ番組を聞くことができます。

昨日はセルビアの番組を楽しみ、今日はポルトガルの番組を選択。
といった具合です。

先日、たまたま選んだのはフランスの番組でした。
流れて来る音楽を聞きながら事務仕事を片付けていると・・・女性シンガーがジュテームと歌い出した。
歌詞がジュテームだけ。
連呼。
ただひたすらジュテーム、ジュテームと繰り返す。
何十回も歌ううちにさすがに飽きたのか、やがて吐息だけになる。
この吐息がやたらセクシー。

ジュテームって愛してるって意味でしたよね?
フランスの人は日常的にこんな風に、ジュテームと言うものなのでしょうか。
それともこれは、そういう歌詞なだけということなのか。

以前フランス映画を見ていた時のこと。
登場する男女が小難しいことを言い合う。
メンドー臭い二人だなと思って見ていると、突然女が男に暴力をふるい出しました。
で、男がこれに対抗して、女に暴力をふるう。
全力ではないにせよ、その男はかなりの本気さで暴力をふるう。
女の着ていたTシャツがビリビリに裂けてしまうほど。

で、こうした暴力の応酬はこの日だけで終わらない。
連日続く。

そして今日もいつものようにといった様子で、暴力をふるいあっているシーンが。
そこで女が突然言うのです。
ジュテームと。
へ?
びっくりし過ぎて顎が外れそうになりました。
フランス人の愛し方って凄すぎない?
これはフランスの一般的な人を描いているのではなく、ある1組の男女を描いているだけで、これは特殊なカップルなのかもしれません。

ここまで凄くはなくても、すべてのカップルには、そのカップルにだけ成立している関係性がありますね。
またこの関係性はずっとそのままということはなく、変わっていきますよね。

小説「オーディションから逃げられない」の主人公、展子と夫との関係性も変わっていきます。
恋人から夫婦へと呼び名が変わったといった理由だけでなく、毎日共に暮らしていく中で、徐々にパワーバランスが変化していき、相手に求めるものも変わっていくからでしょうか。
愛情の色合いも少しずつ変化いくようにも思えます。
それは悪いことではなく、また哀しいことでもなく自然な流れ。

勿論「知り合って20年経ってるけど、うちはジュテームを連呼するような関係よ」という方がいらっしゃっても全然問題ないのですが。

その関係性にうんざりしたり、鬱陶しがったりする展子が、夫とどんな家族を作っていくのか・・・本書で味わってみてください。

タイミング

  • 2019年03月21日

何事もタイミングは大事ですね。
そして私の場合「今、なる?」といった最悪のタイミングで、困った状況に陥ることが多い。
昨日だったら、明日だったら、1時間前だったら、なんてことなく乗り越えられる出来事でも「今はダメ」といった時に起これば、対処するのが難しくなる。

先日、出掛ける準備をしていました。
まだ朝晩は冷える。
戻った時に寒いのは嫌なので、部屋を暖めておこうと考えました。
エアコンのリモコンで予約設定をしようとすると・・・電池切れ。
今、なる?
咄嗟に時計を見れば、今すぐに家を出ないと目論んでいた電車には乗れず、そうなると約束の時間に間に合わないとわかる。

歩くスピードを上げれば、なんとかなるだろうかと考える。
いや、電池を交換するのに、私のことだから、外す前に入れる向きを覚えておけばいいものを、外してからプラスはどっちに? なんてことになり、視力が落ちているので、中に記されたイラストを見るために、ルーペを引っ張り出したりして、えらく時間が掛かりそう。
その上、電池を交換した後は、一旦リセットにする必要があったような気もする。
そうするとまず現在時刻に合わせた上で、予約時間を設定しなくてはいけない。
そんなことを焦りながらさらっと出来る人間じゃないんだ、私は。
などと、あれこれ考えているうちに、時間はどんどん過ぎていく。

やがて事態はどんどん悪い方へ転がっているような気がしてくる。
予約設定出来ない上に、約束の時間には遅れるといった、最悪の顛末だけは避けたいと思うように。

結局無理だなと判断。
予約設定は諦めてそのまま家を出て、競歩選手になったかのような脳内イメージで歩いて駅へ。
目論んでいた電車には乗れなかったものの、約束の時間にはなんとか間に合いました。

で、予約設定出来なかったことをすっかり忘れる。
そういう日に限って予定よりも帰りは遅くなり、急激に気温は下がる。
そして帰宅して部屋の寒さに「あぁ」と思い出す。

電池が切れるタイミングが、どうしてそこだったのかなと思うのです。
前日だったら別にどうってことない。
1時間前だったとしても、鼻歌混じりで電池交換致しましょう。
でも出掛ける直前っていうのは困る。
焦っちゃうし。
私の場合、何故かこういうタイミングであることが、とても多い気がする。
最近はそういう定めだと受け入れるようになってきてはいるものの、なんとかならないもんかとも思うのです。

皆さんにはそういうことはないですか?

腕の力

  • 2019年03月18日

腕の力がべらぼうに弱いです。
これによって体育の授業は哀しい時間となります。
体育の授業で行われる運動には、腕力が必要なものがほどんど。
その中でも鉄棒や跳び箱は、腕力あってこその運動です。
当然ながら私は鉄棒は前方一回転さえできず、跳び箱は膝より上の高さでは跳べない。

先生は鉄棒をしっかり摑んで回転しろと言うのですが、自分がしっかり摑めないだろうことは、誰よりも知っているもんで、回ろうとする気持ちにならない。
回転の力に負けると思うのです。
跳び箱もそう。
自分の体重に走り込むスピードが加わった力を、一瞬両腕で堪えて、身体を前方へ送るようにするなんて力が、私にあろうはずがないと思うのです。

腕力だけでなく握力もない。
毎回真剣に臨む握力測定では「ふざけてる?」と言われるぐらいの数値になる。

こんな私が体育の授業を楽しめるわけがない。
ほとんどの運動、スポーツがダメなのですが、なんとか人並みと呼べるぐらいにできるのは、卓球とビリヤードぐらい。
どちらも腕力と握力を必要としないスポーツです。
ビリヤードがスポーツなのか? といったツッコミはあろうかと思いますが、ここは大目に見ていただきたい。

こんな風に誰にも得意、不得意というのがありますね。
また得意と不得意の分かれ方に、筋が通ってないといったケースもありますね。

元クラスメイトのA子が、体育の授業で苦手にしていたのが球技全般でした。
私のようにほぼすべてダメというのはでなく、球技だけが不得意。
鉄棒も跳び箱もマット運動もなんでも出来る。
スキーなんて凄く上手。
だけど球技はダメ。
何故球技だけ不得意なのか・・・謎です。
この得意と不得意の差が生じる理由がよくわからない。

小説「オーディションから逃げられない」の主人公、展子にも得意なこと、不得意なことがあります。
そして展子の夫にも。
展子は夫の不得意なことを知ってがっかりするし、将来のことを見据えて不安になります。
自分にだって不得意なことがあるのに、夫の不得意なことに不満を覚えたりもします。
やがて夫の得意なことを発見。
展子はほっとします。
夫の得意なことと、不得意なことの差は、比較的筋が通っていてわかり易い。
だからといって展子が満足するというのでもないのですが。

夫だけでなく、周囲の人たちが不得意である故にしでかすことを、展子は許せません。
だから様々な衝突が起こります。
そんな展子がどんな風に変わっていくのか・・・それを味わっていただきたいと思っています。

潤滑油

  • 2019年03月14日

潤滑油的な存在がいるのと、いないのとでは、場の雰囲気は全然変わりますね。

友人A子は会社を経営しています。
どうもここ最近、職場の雰囲気が良くない。
何故だろうと考えるA子。
でも答えは見つからない。
わからない中で、あるスタッフが1週間の休暇から戻って来た。
インフルエンザに罹患したためでした。
すると、職場の雰囲気が一気に変わったと感じるように。
どうやらそのスタッフがいなかったために、職場の雰囲気が悪くなっていた模様。

そのスタッフは特段仕事が出来る訳じゃない。
びっくりするような個性の持ち主でも、オリジナルなファッションセンスがある訳でもない。
だけど皆の意見を肯定的に聞ける人物で、たまに出す天然ぶりがご愛敬。
彼がいると場が和む。
彼がそうした潤滑油的存在で、なくてはならない人だったのだと、初めてA子は認識したそうです。

その話を聞いた友人B子は「それ、わかる」と言いました。
友人B子には子どもが3人。
三男坊がその潤滑油的存在になっているそう。
お茶ら気た性格で、関西出身ではないのに「笑わしてなんぼ」と思っている節がある。
その三男が病気で寝込んだ日など、太陽が消えてしまったかのように、家全体が静まり返るのだとか。
普段は三男のことを煩いと言ってばかりの長男と次男。
その二人が何度も三男の寝室を覗くぐらい心配し、寂しそうにする。
そしていつもと同じ会話をしているつもりなのに、長男と次男の反応は今一つで、些細なことで親子喧嘩になったりしてしまう。
「三男は周囲を騒がしくするだけではなく、潤滑油的な役割を担っていたのね」とB子は思ったそうです。

小説の中にも、こうした潤滑油的な存在というのは必要です。
息詰まるような展開が続く作品であればなおのこと、潤滑油的な存在のキャラクターが、ひと息入れる役割を担ってくれます。
「オーディションから逃げられない」の場合は、主人公である展子の夫、太一がその役割を担当。
いい人なんです。
でも、絶対に出世しないだろうなと思わせるような人でもある。
なんとかなるよというのが口癖のこの太一がいるお陰で、猪突猛進の展子が色々なことと衝突した際に、クッションとなってくれる。
そして職場でも自宅でも太一が潤滑油となって、雰囲気を柔らかいものにしてくれるのです。
この太一の潤滑油っぷりは作品でご堪能ください。

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