本日、文庫「諦めない女」が発売になります。
地域によって前後するようですが、順次書店さんに並んでいくと思いますので、是非チェックしてみてください。
本を読む楽しさにはいろんなものがあります。
その世界に浸り、登場人物たちに心を添わせるのもその一つ。
登場人物たちと一緒に、時に怒り、時に泣いて、時に笑う。
それがなんとも楽しい。
この「諦めない女」の登場人物たちとも、一緒に様々な経験をして、様々な感情になる体験をして頂けたらと願っています。
どんな時に本を読みますか?
私は毎日半身浴をしながら読みますが、それ以外でも1日のスケジュールの中に、読書タイムを組み込むようにしています。
在宅勤務をせざるを得なくなった友人から聞こえてくるのは、通勤や移動の時間がなくなったんだから、その分時間が出来て、仕事に余裕が生まれるはずなのに、そうはなっていないとの声。
「自宅だとなんかダラダラしちゃうのかな?」と自己分析していました。
作家はある意味在宅勤務を延々と続けている人種なので、先輩としてアドバイスをさせて頂くと、時間割をきっちり作るのがお勧め。
午前〇時に起床。午前〇時から〇時までが朝食タイム。午前〇時から〇時までは事務処理・・・など就寝するまでの時間割を作っておくと、気が付いたら時間ばっかり経っていた、なんてことになり難くなります。
私はこの時間割に、読書タイムを必ず入れています。
小説の別世界に没入することで頭の切り替えになって、気持ちもリフレッシュ出来ます。
仕事が立て込んでいて、時間割に読書タイムを入れられないと思える時でも、なんとか捻じ込みます。
なんとか組めた時間は10分だけなんて日もあります。
たった10分でも現実からワープする時間があると、頭と心が整います。
頭と心のストレッチをしたような感覚になるようです。
季節は秋。
読書にはとてもいい気候ですし、生活の中に読書タイムを入れる習慣作りには、ちょうどいい時期だと思いますよ。
10月8日に発売になる文庫「諦めない女」の見本が手元に届きました。
こちらです。
色、色、色・・・となっていて、これが書店さんに並んでいたら、目に留まらずにはいられなくって、足を止めずにはいられなくって、手を伸ばさずにはいられなくって、レジに運ばずにはいられなくなる・・・となるといいのですが。
カバーは単行本と同様に、イラストを水口理恵子さんに、デザインを大久保伸子さんにして頂きました。
素敵なカバーを有り難うございます。
女シリーズの「嫌な女」「我慢ならない女」と同じコンビで、カバーを仕上げて頂きました。
帯を外すとこんな感じです。
この「諦めない女」は珍しく、タイトルが先に決まりました。
いつもは小説が完成した後で、編集者と案を出し合った上で、営業スタッフの意見も参考にしながら決めていきます。
ところがこれは小説を書き始める前の段階で、編集者に「諦めない女」を書きたいと話していました。
書きたい人物、そのための設定、構成が最初っからはっきりと見えていたせいかもしれません。
いつもはそこまではっきりとした姿が見えない中で、執筆をスタートさせます。
全体的に霧がかかっているような感じです。
主人公がこの先にどんな人と出会い、どんな行動を取るのか、どんな景色があるのかを、わかっていません。
書いている私は、主人公の隣を歩いているような感覚でいるのですが、主人公に道案内は出来ません。
私にも見えていないので「こっちの道じゃない?」なんてアドバイスも出来ないのです。
大体この道だろうと辺りを付けて主人公と一緒に歩いていたら、行き止まりにぶつかってしまい、二人ですごすごと道を戻るなんて感覚になることも。
そうやって書き進めているうちに、ある日突然、ぱっと霧が晴れる瞬間が訪れます。
あぁ、こういうことかと、物語の全体像を把握出来るようになります。
これがいつもの書き方。
ところが「諦めない女」では執筆を始める前から、くっきりとした絵が頭の中にありました。
霧はなく周囲も細部もよく見えていました。
主人公が歩く道も、このまま真っ直ぐ進めばいいとわかっている感じ。
だったら書き易かったかといえば、そうではありませんでした。
見えている世界のすべてを文字にすることは出来ないので、どこを描くのか、なにを描かないのかを決めなくてはいけませんでした。
これがとっても難しかったんです。
なにはともあれ読書の秋。
秋の夜長にこの1冊を。
文庫「諦めない女」が10月8日に発売になります。
電子書籍も同日に配信が開始されます。
どういった作品なのかを書きたい。
でも書けない。
どうしてかといえば、どう頑張って書いてもネタバレになってしまうから。
「それじゃわかんない」と言われてしまいそうなので、少しだけ書くと・・・小学校に入学したばかりの少女が、母親と買い物をしている途中で、行方不明になります。
母親は必死で子どもを捜します。
しかし見つからない。
やがて周りは諦めムードに。
それでも母親は娘が生きていると信じて、一人で捜し続けます。
果たして母親の願いは叶うのか・・・。
と、こんな感じです。
これ以上は書けないので、是非本を読んでみてください。
単行本を出す時はしみじみと感謝の気持ちが湧き上がるものですが、文庫を出す時も同じです。
およそ3年前の作品を、また文庫という形で発表出来るのは有り難いことです。
「諦めない女」は特殊な作りにしたため、執筆にかなりの時間が掛かりました。
苦労もしました。
なんでこういう作りにしようと考えたんだろうと、自分の計画を呪いたくなったりもしましたっけ。
そうやって腐心したこともあり、いつも以上に感慨と感謝の気持ちになっています。
単行本を発売した際、いくつかの媒体で紹介して頂いたのですが、どの方もネタバレせずにどう紹介するかに、頭を悩ませていらっしゃったようでした。
そりゃ、そうですよね。
どういう小説かを説明するのって、それじゃなくても難しいのに、更にネタバレしないように注意しなくてはいけないんですから。
なにはともあれ、読んで頂けたらと願っています。
文庫の発売まで1週間。
お楽しみに。
コーヒーが大好きでしたが、最近はすっかり飲まなくなってしまいました。
胃が弱い私は医者に控えるように言われたのをきっかけに、渋々飲まずに我慢していたら・・・胃の調子が酷くならないと気付く。
そうなると飲まないでいることが大変じゃなくなり、今ではそうした生活にも慣れました。
飲まなくなると、カフェインへの耐性が弱くなるのでしょうか。
たまに飲むと胃ではなく脳の方がびっくりするようで、夜、全然眠れなくなります。
そんな話をしたら、友人A子がカフェインレスコーヒーを送ってくれました。
フィルターに1杯分のコーヒーがセットされているもので、それを開いてマグカップに載せて湯を注げばいいだけで、とっても簡単。
味はといえば、言われなければわからないほどフツーの美味しいコーヒーでした。
友よ、サンキュー。
友人B子はコーヒー好きで、カフェインを頼りにしています。
毎朝、出勤前に会社近くの店でエスプレッソを買って出社。
デスクでエスプレッソをがぶ飲みして、頭をシャッキリさせてからいざ仕事というタイプ。
そんなB子が在宅勤務になって・・・自宅でドリップ式のコーヒーを淹れてみたものの、パンチが足りないのか、頭がシャッキリしなかったそうです。
これはやっぱり、自宅用のエスプレッソマシンを買うしかないのではと考えたB子は、ネットで購入。
しかし届くまでに、1~2週間掛かると言われてしまったとか。
同じように考えた人たちによって、一時的に在庫がない状態になってしまったんでしょうか。
自宅にエスプレッソマシンが届くまでの1~2週間を、どう遣り過ごすか。
カフェイン以外に頭をシャッキリさせるものとはなんだろうと、真剣に考えたB子が見つけた答えは七味唐辛子。
冷蔵庫の扉の裏にあるポケットの隅に、七味唐辛子は遠慮気味にいたそうです。
いつ買ったのかわからないけれど、うどんを作った時に、そうそうと思い出す程度の薄い存在感。
でも味のパンチは強い。
いいかもしれないとB子は思ったらしい。
しかしこれを舐めるというのは、いくらなんでもと考えたB子は、お湯をマグカップに入れ、そこにふり注いでみたそうです。
不味くはないが、美味しくもないといった一品になったけれど、舌が痺れて目がパッチリとなった気がしたとか。
これでエスプレッソマシンが到着するまでの期間を凌いだとか。
意外な活躍をみせた七味唐辛子ですが、なにか他になかったの? とも思います。
だったらなんだろうと考えてみると・・・なにも浮かばず。
ここは七味唐辛子が正解だったのかもしれません。
とはいうものの、B子の使い方はお勧め出来るようなものではありませんので「やってみよ」などとは思わないでくださいね。