我が家ではチューブ入りのマスタードが、しばしば失踪します。
私は料理に結構な頻度でマスタードを使います。
オリーブオイルに入れて、ドレッシングとして使ったり、炒め物の味付けとして使ったりします。
だから冷蔵庫のドアポケットに、マスタードはいつも鎮座しています。
使い切ると、買い置きを出すため吊戸棚に手を伸ばします。
そこはカオスになっていて、いろんなものがごちゃっと置いてあります。
吊戸棚の中のマスタードを探そうと、つま先立ちをして覗きますが見つかりません。

つい最近買った気がしますが、私の「気」は当てにならない。
買い忘れたのでしょうか。
マスタード失踪の謎はそのまま放置して、迷宮入り。
その日はマスタードを使うのを諦め、後日ネットスーパーで購入。
こんなマスタードの失踪を繰り返し体験していた私が、この吊戸棚のカオスを整えることを決意。
持ち手付きのケースを4個購入しました。
取り敢えず中にあるものを一旦すべて出そうと、脚立に乗って中を覗いたら・・・マスタード4個を発見。
だよね。
やっぱりマスタードは失踪していなかった。
奥の方に押し込んでしまい見え辛くなっていたところを、面倒臭がって脚立を利用せず、失踪扱いにしていたのです。
失踪は起きておらず、マスタードはカオスの中にいたのでした。
このようなことはマスタードだけで、生姜や柚子胡椒のチューブでは、一度も起きなかったという謎は残ってはいますが、深追いはやめておきます。
持ち手付きのケースを導入すれば、脚立を使わずに簡単に下ろすことが出来るようになるので、このような失踪事件はなくなるはず。
大量の買い置き品をチェックし、びっくりするような昔の日付けが入っているものや、全然使っていないものを処分。
残ったものをざっくり4分類して、それそれをケースに収納。
それを吊戸棚へ。
おお。
すっきりしている。
そんなことがちょっと嬉しい。
スマホで写真を撮りたくなるような気分。
そんな自分に驚きました。
調子に乗って次はシンク下を使い易くしよう・・・と、新たな目標設定をしました。
これまでの人生で初めて「整理したい」という意欲をもった模様。
この気が変わらないうちに、どんどん整理を進めていきたいもんです。
マンションの4階に住んでいます。
1階に下りる時も、1階から上る時も、エレベーターを使っていました。
ある日、4階でエレベーターを待っていると、階段を上って来る足音が。
こんにちはと挨拶。
その男性はご自身の部屋と思われる、4階の一室に消えました。
その男性は60歳を超えているように見えました。
下のフロアにお友達がいて、そこからの帰りかしらと私は思う。
一瞬も1階から上がって来たとは考えませんでした。
だって4階だよ。

ある日、また4階で私がエレベーターが来るのを待っていたら・・・一室から出て来た女性が、こんにちはと言いながら私の背後を通り過ぎて階段へ。
その女性も明らかに私より年上っぽい。
私はまた思う。
下のフロアにお友達がいて、そこに行くのかしらと。
このマンションは入居者同士でお友達になって、部屋を行き来する人が多いのかしらねと、勝手に妄想する。
この時点でもまだ、4階の住人はエレベーターを利用するのが当然との考えから、抜け出せていませんでした。
このような出来事を重ねていたある日、テレビを見ていたら70代の女性が、健康のためにエレベーターを使わず、階段を上り下りしていると話しているのを聞き「ああああ」と声を上げました。
これか。
この理由があったのか。
私は一度もトライすることなく、4階はエレベーターと決めてかかっていましたが、階段で上り下り出来ないって階数ではない。
よし。
と、ゴミを捨てに行くのに、階段で下りてみました。
ここで問題発覚。
私は高所恐怖症なのです。
高所恐怖症で、なんで4階に住んでいるのかとのツッコミがあるかと思いますが、窓があれば大丈夫なんです。
守られていると思える窓や壁に、囲まれている分には平気。
でもマンションの階段の一部に、囲まれていない箇所がある。
こ、怖い。
ぐっと手摺りを摑みなんとか下り切る。
ゴミを捨てて今度は階段を上ってみる。
怖さはあるものの体力的には問題なし。
3階までは。
3階から4階で急に足にくる。
自室に入ったら息が少し上がっていました。
日頃運動不足の私にはちょうどいいかも。
それ以来、手摺りをぐっと握り締めて、階段を使うようになりました。
そうしてみると、結構階段を使っている住民が多いと知りました。
階段でよくすれ違うのです。
が、怖さと戦いながら階段を使っているので、神経が手摺りを摑む手に集中しているようで、他の人の足音が聞こえない。
だから出くわすと「わぁ」と驚いてしまい、向こうは私の驚き方に驚くということに。
そのうちに高所恐怖症を克服し、耳にも神経を向けられるようになって、他の人の足音を拾えるようになりたいと思っています。
AIソムリエが登場したという。
商業施設館内に設置したタブレットで、なりたい気分や好みの味わいを選ぶと、その人に合った日本酒の銘柄を提案してくれるらしい。

そんな時代になったんですね。
でもそれ、却って難しことになってないかなぁと思う。
なりたい気分を聞かれて即答出来ます?
新聞記事には詳細が書かれていなかったので、あくまでも私の推測ですが、選択肢がいくつか表示されて、その中から選んでいくというスタイルなのでは。
こういう時の選択肢に「暗い気持ちになりたい」といったものが用意されているとは考え難いので、「楽しい気分になりたい」とか、「幸せな気分になりたい」「ほっこりしたい」なんてあたりでしょうか。
こうした中から1つを選ぶって、私は結構大変。
迷ってしまう。
まぁ、頑張って1つを選んだとしましょう。
その次には味わいも選ぶことになるのでは?
「甘い」「辛い」などの選択肢の中から選ぶのでしょうか。
もう、これ、自分で考えて選んでいて、AIの力を全然借りている気がしないんですけど。
以前、AIがあなたにぴったりの眼鏡を提案しますというものに、挑戦したことがあります。
ここでも色々な設問が出されるので、それらに答えていきました。
用途は「ビジネス」か「プライベート」かぐらいなら即答出来ますが、なりたいイメージを聞かれても、すぐには答えられない。
「格好いい」「仕事が出来る」「優しい」「親しみやすい」「お洒落」などの選択肢から選べという。
困るよ、私は。
更にフレームの色も聞かれる。
もう自分で相当絞り込んでいて、AIから手伝って貰っている感がない。
苦労して、なんとかすべての設問に答えると、AIから10種類ほどの提案が。
「この中から選ぶのは私かいっ」と大声を上げた経験があります。
最終提案の数が多過ぎる。
難しい設問で私を苦しませたのだから、そっちは渾身で選んだモデル1つを提案してくれ。
なりたいイメージを変えて再検索してみたら、前に提案されたモデルと、同じものがいくつもありました。
時間を掛けて真剣に考えたなりたいイメージも、それほど重要な情報ではなかったと知る。
AIの皆さんへの要望。
なりたい気分を聞かないで。
それ、難しいから。
それから提案するなら複数はやめて。
1つか、せめて2つぐらいにして。
ベランダに蜘蛛の巣を発見しました。
ちょっとー、やめてよねぇと、蜘蛛に文句。
すぐに除去しようと思いましたが、それをする道具がない。
素手とか絶対無理だし、掃除機だと詰まってしまいそう。
どうしたものかと考えていたら、思い付きました。
こういう時に便利なのは、ほうきと塵取りだと。
でも私はもっていない。

ベランダに溜まったゴミはどうしていたのかって?
放置するのが我が家の流儀。
大抵のものは、台風がどこかへ持っていってくれる。
だからほうきと塵取りをもっていなかった。
しょうがないのでネットで購入。
届くまでの間は蜘蛛の巣は放置。
そして映画を観ていたら・・・母と娘が庭で土いじりをしながら会話するシーンが。
そこで娘がぼやく。
蟻も虫も増えているわと。
すると母が言う。
「私の部屋にいる蜘蛛を庭に放すわ。虫を退治してくれるでしょう」と。
はっとする。
我が家のベランダにある蜘蛛の巣にも、他の虫を退治してくれるという、いい点があることに気付きました。
辺りに緑が多いせいか虫が多い。
窓を拭くためベランダに出ることがあります。
窓を開けてベランダに出て、すぐに窓を閉める。
そうやって窓を拭き、同じ要領で窓を開けて部屋に戻って、すぐに窓を閉める。
こんな僅かな隙をついて、虫たちは部屋に入って来るのです。
これが嫌で窓掃除をしなくなってしまいました。
蜘蛛の巣に目を瞑れば、虫を退治してくれるかもしれない。
どうする、私。
迷い始めた私に購入したほうきと塵取りが届く。
窓越しに蜘蛛の巣を眺めてしばし検討。
こんなにじっと蜘蛛の巣を見つめたのは、生まれて初めて。
昼間だとそこに巣があることが、まったくわからないもんなんですね。
これじゃ、虫はまんまと騙されるでしょう。
夕方になって辺りが暗くなってくると、糸のキラキラが目立ってしまい、その存在がバレちゃう。
ちょっと惜しい感じ。
ここでお気づきでしょうが、ちょいちょい蜘蛛の巣を眺めるのが習慣になりつつあります。
で、結局蜘蛛の巣はどうしたかって?
まだ除去していません。
もうしばらく迷い続けることにします。