「融通」という言葉を辞書で引くと・・・必要に応じて自在に処理すること、とあります。
この「融通」をもっときかせて欲しいと思うことは、たくさんあります。
例えばネットスーパー。
私は挽き肉を300グラム買いたい。
でも私が利用しているネットスーパーでは、180グラム入りと500グラム入りのものしか売っていない。
180グラム入りのを2つ買ってしまうと、ちと多い。
500グラム入りのを買って、2つに分けて冷凍保存すると、1つ当たりは250グラムになり、ちと足りない。
惜しい。

ネットで注文をして届けて貰うのは翌日。
準備する時間はありそうに思うのです。
精肉は1グラム単位で売って貰いたい。
それが大変なら10グラム単位でもいい。
難しいんでしょうか?
「融通」をきかせて欲しいんだけどなぁと思うのは、我が儘でしょうか。
このネットスーパーでは、置き配を指定することが出来ます。
でも集合住宅の場合は、1階の入り口横に置くといいます。
それは困る。
他の住人たちに迷惑を掛けてしまうので、6階の私が住む部屋の玄関ドアの横に置いて欲しい。
でもそれはやっていないと、サイトには書いてある。
私が住むマンションは1フロアに1世帯だけなので、6階に置いて貰うぶんには、他の住人に迷惑を掛けなくて済みます。
置き配のルールについての記述を読んではいたけれど、配達員さんが来た時に、6階の玄関脇のスペースを指差して言ってみました。
「そこに置いて貰えますか?」と。
すると「わかりました」と配達員さん。
あっさりと承諾。
そう言われることに慣れていると見ました。
集合住宅への配達の場合は、客の玄関横ではなく1階に置くというのは、店長が決めたのか、或いは本部の誰かが決定したんじゃないでしょうか。
現場をよく知らない人たち。
だからHPにはそう記載した。
でも現場では下まで来てるんだったら、上がって玄関脇に置いてよと客から言われることが多く、そうした要望に応えている・・・と私は読みました。
だからネットで注文する際には置き配依頼はせず、やって来た配達員さんに、ここに置いておいてくださいと、自分の部屋の玄関脇を指差していました。
ところが。
その日の配達員さんは女性でした。
いつものように玄関脇を指差して「そこに置いておいてください」と私が依頼すると、「お客様はネットで注文された時に、置き配指定をされていなかったので出来ません」と言う。
びっくりして言葉を失くす。
手渡しにせず玄関脇に置くことで、どんな不利益を被るというのでしょうか。
「融通」がきかない人に当たっちまったぜと思いながら「いつもそうして貰ってますけど」とひと押し。
するとその女性配達員さんは、書類を眺め始める。
そしてしばらくしてから「わかりました」と答えました。
おお。
彼女はなにとなにで迷っていたのでしょうか。
会社が決めたルールを破る、破らないといったことでしょうか。
彼女にとっては「融通」をきかせるのは、とても大変なことだったのかも。
その女性配達員さんはその時1回切り。
以降は他の配達員さんがやって来ます。
「融通」をきかせることが嫌になり、仕事を辞めたりしていないといいのですが。
キッチンペーパーにこだわりはありますか?
私はあります。
まずキッチンペーパーを、なにに使うのかという目的によって、どんなものが使いやすいのかが変わってくるでしょう。

私の場合は家庭用の吸入器を拭くのが目的。
慢性副鼻腔炎のため1日2回、この吸入器で鼻と喉の奥を潤す必要があります。
吸入器を使う度に付け置き洗いをして拭きます。
この拭く時にキッチンペーパーが必要なのです。
食器などはフツーの布巾で拭いていますが、その布巾は果たしてどれほど清潔なのか・・・これが気になります。
非常に雑に生きている女なのに、この点だけは神経質。
布巾を常に滅菌させておくのは大変です。
食器なら、まぁ、いっかと思えるのに、吸入器についてはそうは思えない。
吸入器で発生したミストは鼻と喉の奥へ向かいます。
吸入器本体に菌があったら、わざわざ鼻と喉の奥へ菌を貼り付けているようなもの。
鼻と喉のためにやっている行為が、逆にマズイことをしているようになるのが怖い。
そこで使い捨てのキッチンペーパーの登場となる訳です。
これまで様々なメーカーのキッチンペーパーを、試してきました。
でも丁度いいキッチンペーパーは、なかなか見つかりませんでした。
厚地なものは丈夫ではあるのですが、小さい部品を拭くには適していない。
薄地のものは細かい部品を拭くにはいいのですが、水分を少し含むと破れてしまい使いにくい。
厚地だけれど柔らかく、扱い易いものはこの世にないのか?
と、嘆く毎日。
散々試した結果、ようやく1つのキッチンペーパーと出合えました。
それは日本のメーカーのもの。
やっと巡り会えて、めでたしめでたしで、終われれば良かったのですが。
このキッチンペーパー、ちと高い。
1日10枚使うとして・・・と1ヵ月あたりのコストを計算してみてぎょっとする。
その何倍もの金額の無駄遣いをしている癖に、そんな小さな金額が気になってしまう。
せっかくキッチンペーパーを探す旅を終えられたと、喜んでいたのも束の間、旅を再開することに。
再び様々なキッチンペーパーを試すうちに、ようやく出合えました。
丁度いい案配のキッチンペーパーを。
それは海外のブランドのもので、厚さが丁度いい感じ。
カットした時に出る粉が、日本のものよりも多いような気がしますが、まぁ、オッケー。
ところがいつも日用品を買っているネットショップでは扱っていないため、キッチンペーパーだけを、わざわざ別の店で購入しなくてはいけない。
試しに買った時は2個セットのを選んだのですが、それだとまたすぐに注文することになり、それはメンドーなので、まとめて買おうと思いました。
そのネットショップでは12個でのまとめ売りをしていたので、それを購入。
翌日、宅配便が来たので玄関ドアを開けると・・・目の前には大きな荷物があり、配達員さんの姿が見えない。
その大きな荷物の横から、ひょっこりといつもの配達員さんの顔が。
お、大きい。
12個だとこんなに嵩が大きくなるのかと絶句。
だって私は断捨離中の女。
部屋をすっきりさせたいと思っている女。
いくら消耗品だからといって、これをどこに保管しておいたらいいのか。
仕舞える場所はないので、キッチンの隅に並べました。
断捨離中なのに、私の部屋は一向にすっきりしません。
友人A子はいつもきちんとしています。
そんなA子と以前話をしていた時のこと。
私はほんの冗談のつもりで言いました。
「いつも、きちんとしているよねぇ、パジャマにアイロンを掛けてそうな感じだもん」と。
すると「掛けてるよ」と答えました。
私は驚き過ぎて腰を抜かしそうになりました。
冗談で言ったのに、本当にそんなことをしている人がいたなんて。

私がアイロンを捨てたのはいつだったか・・・正確には覚えていないほど前でした。
10年ぐらいは経っています。
アイロンを捨ててから困ったことは1度もないし、後悔したこともありません。
そう私が話すと今度はA子が目を真ん丸にして、目玉を落としそうなぐらい驚いていました。
ブラウスなどはクリーニング店に出しています。
プロが私の何百倍も綺麗に、アイロンを掛けてくれますから、なんの問題もありません。
お金が掛かる点が気にはなりますが、自分でやる面倒臭さを考えれば、やって頂いた方がいいと思うので。
そうはいってもクリーニング代は馬鹿にならないので、服を買う時に自宅で洗えるか、またアイロンを掛けずに済むかという点は、必ずチェックします。
やがて気が付けば、クローゼットにはカットソーやニットなどの、自宅で洗えてアイロン掛けが不要の服ばかりになりました。
私は恐る恐るA子に尋ねました。
「もしかして枕カバーとかシーツとかにも、アイロンを掛けてるの?」と。
その時A子の目に浮かんだのは驚きではなく、怯えのような色合いでした。
未知の動物を目の前にして、恐怖心を抱いたといった風に見えました。
そしてA子は「勿論」と小声で答えました。
凄い人です、A子は。
毎日一体どれくらいの量の洗濯物に、アイロンを掛けているのでしょう。
相当な量のはず。
偉いです。
と、褒めている場合ではなく、自分のずぼらさを恥じろって意見もありますね、きっと。
A子は遠慮気味に聞いてきました。
「シワシワのままで、構わないの?」と。
シーツはタオル地のものなのでアイロン掛け不要だし、枕カバーは干す時にパンパンと叩いて、それでよしとしてると答えました。
妙な間を置いてからA子は言いました。
「それであなたがいいなら、いいと思うわ」と。
A子は自分の価値観を横に置き、私を受け入れてくれたようです。
人によってどこまでをセーフとするか、どこからをアウトとするかは色々。
私はセーフの範囲が広く、A子は狭い。
ずぼらな私を嫌わずに、これからも友達でいてねと言ったら「一緒に生活しない限り大丈夫よ」とA子。
ひとまず良かった。
私の指先にはなにかある。
恐らく指先からなにかが染み出ている。
だからキーボードの文字を消してしまう。
キーボードの上には、アルファベットや数字などが印刷されていますよね。
それが消えていくのです。
こんな感じに。

一番初めに消えたのは「K」でした。
使用頻度からいえば、母音が圧倒的に多いはずです。
「あいうえお」に対応するアルファベットなので、「AIUEO」ですね。
なのに、「K」が消え始めて首を捻りました。
次に消え出したのは「N」でした。
その次は「M」。
そして今は「A」と「S」と「O」が消え始めています。
この順番が謎です。
昔フリーライターをしていた頃、ある代理店が大勢のライターを募集しました。
知り合いに誘われた私は、時給の高さに惹かれて参加することにしました。
部屋に集められたライターたち。
約1ヵ月間の仕事内容が責任者から知らされます。
聞いてみたところ、ライティングというよりは、入力作業に近いんじゃないのかといった仕事内容でした。
でもまぁ、ギャラがいいし。
と、私をはじめ多くのライターが思ったようで、誰もなにも言いませんでした。
別室に案内されると・・・広い部屋には100台ぐらいパソコンが並んでいる。
責任者が言います。
どこでも好きなところに座って、作業を始めてくださいと。
すると20人ほどの人たちが、ダダッと走り出しました。
そして一番奥のパソコンへ向かいます。
へ? どうしてそんなに奥に行きたいんだろうと、私は不思議に思いました。
私はすぐ近くの席に座りました。
さてと、とキーボードに目を落としてびっくり。
キーボードが真っ白。
文字も数字もなにも書かれていない。
変なパソコンを選んじゃったと動揺し、席を移動しようと思いましたが、時すでに遅く空いている席はありません。
私は首を伸ばして責任者を探しました。
その時、隣席の同年代らしき女性が言いました。「奥にある10台のパソコン以外は全部、キーボードの文字は消されているのよ」と。
「なんでですか?」と私が問うと、「短時間で大量に入力させたいから、それにはブラインドタッチで入力させる必要があると考えたみたい」と、その女性は答えました。
なんでも、そこに答えがあると思うから、人はそこに目を向けてしまう。
つまりキーボードに文字があると思うから、画面から目を離してキーボードを見てしまう。
でも見てもないとわかれば、やがて人は見なくなる。
そうすると画面から目を離して、キーボードを見なくなる。
画面とキーボードの間で目を行ったり来たりさせずにすむと、その分時間を短縮出来る。
入力作業のスピードが上がる。
と、こういう考え方で、キーボードに印刷されていた文字や数字をすべて、わざと消したそうなのです。
すげぇところに来ちまった。
そう思いました。
その女性は2ヵ月前にもそこで働いたことがあり、こうした事情を知っているのだと言いました。
同様にそうしたことを知っていた人たちが、文字が消されていない、フツーのキーボードに向かって走ったのかと納得。
当時の私は、視線を画面とキーボードの間で行ったり来たりさせて入力していました。
そういうものだと思っていたし、そこまでスピードを問われるようなことはなかったのです。
その日何度キーボードに目を落とし「あっ、ないんだった」とがっかりしたことでしょう。
入力スピードが上がるどころか、いつもよりかなり遅くなっています。
こうして無理矢理ブラインドタッチをさせられる羽目に陥り、なんとか出来るようになったのは3日目から。
ブラインドタッチに慣れてみれば、その方が目が疲れないといった利点に気付きました。
今になるとこのスパルタ的指導には感謝しています。
こうしてブラインドタッチを習得した私は、指からなにかが出ていて、キーボードの文字を消しても平気な女になれたので。
それにしても私の指先から出ているものはなんだろう・・・。