小説「総選挙ホテル」の文庫版が、本日から店頭に並び始めます。
是非本を手に取ってみてください。

カバーのデザインは単行本の時とは違っています。
同じイラストではあるのですが、単行本と文庫ではそのサイズに違いがあるため、人物が減りレイアウトも変わりました。
爽やかで上品な仕上がりになっていると私は思うのですが、いかがでしょうか。
カバーに様々な人が描かれているのは、この小説の中に様々な人が登場するから。
社長、支配人、フロント、宴会、清掃・・・ホテルには多くの仕事があって、業務を分担してサービスを提供しています。
物語の中のホテルでは売り上げが落ちていて、それを食い止めるために様々なことが検討され、実施されてきました。
スタッフたちは数え切れないほどの会議をしてきたのです。
何度会議を重ねてもそこで出た結果が、ホテルを正しい方向へ進ませてくれるとは限らない。
これ、会議の不思議の一つですね。
いち社員がもっているアイデアが起死回生のナイスなものであっても、何度も会議を経ていくうちに、どこかでストップしてしまう。
そして結局出された結果は、なにそれ? といったものだったりする。
サッカー日本代表の新しいユニフォームをご覧になりましたか?
ブルーなのはこれまで通りなのですが迷彩柄なんです。
初めて見た時に感じたのは「よく、それが会議で通ったな」といったもの。
決定までの間に恐らく何度も会議が行われたはず。
その中で誰も「それはなくない?」と言わなかったのか、言ったけれどなんらかの力学によって、口にすることが出来ない状況だったのでしょうか?
そもそもユニフォームを数年に1度モデルチェンジする意味は?
ユニフォームのレプリカを買わせたいとの、商魂からの発想なのでしょうか。
選手たちのパフォーマンスをサポートするために、ユニフォームの素材や縫製の開発が行われて、最先端のものにするため・・・というなら受け入れましょう。
でもデザインを変える必要ってありますかね。
サポーターはその度に、新しいものを買わざるを得なくなってしまう。
ボールを蹴る訳じゃないので、こっちは最先端の素材でなくても構わない。
だから見た目のデザインは同じものにしていただきたい。
そうすれば5年前に買ったものでも、堂々とスタジアムに着て行ける。

この「よく、それが会議で通ったな」と呟く機会は結構あって、最近では山手線の新駅の名が「高輪ゲートウェイ」だと知った時に、そう思いました。
昭和の人間のせいでしょうか?
「鶯谷」とか「日暮里」とかの駅名の方が、美しいと感じてしまいます。
鶯が鳴く谷とか、日が暮れる里の方が、趣きがあっていいように思うのです。
小学生の頃に一人で電車に乗っていたら、アナウンスが次の駅が「たまプラーザ」だと言うのを耳にした時、「それはないだろう」と心の中で突っ込んだ記憶があります。
その時は子どもだったので、大人って不思議といった感想だったのですが、現在は「よく、それが会議で通ったな」に変わりました。
会議の不思議、大人の不思議・・・。
働いていると、こんな不思議にしょっちゅう直面しますよね。
「総選挙ホテル」でも社長がとんでもないことを言い出します。
スタッフたちは不思議がっている暇もなく、右往左往します。
混乱の中からなにが生まれていくのか・・・「総選挙ホテル」を読んでみてください。
小説「総選挙ホテル」の文庫版が、11月21日に発売になります。
電子書籍版も同日配信開始です。

傾きかけたホテル。
これまで様々なことに挑戦してきたものの、売り上げの減少を食い止められずにきました。
そこにやってきた門外漢の社長。
彼のアイデアは人事シャッフル。
さて、どうなりますか。
物語をお楽しみください。
昔、OLをしていた頃のこと。
会社では何度も組織変更が行われました。
1年に2回あった年も。
私の場合は職務は変わらなかったのですが、どこの部署に入れて貰えるのかが毎度違う。
だからしょっちゅう部署名が変わり、上司が変わり、名刺が変わる。
取引先の人に「名刺がまた新しくなったんですけど、渡しましたっけ?」と毎回尋ねる。
「20枚集めたらティッシュと交換ね」などとギャグを飛ばして、馬鹿馬鹿しさを笑いにするしかありませんでした。
何故このように頻繁に組織変更が必要だったのか。
売り上げが落ちていたからです。
絶好調であれば組織を変える必要はないので、現状をなんとかしなくてはと考える経営者が、手っ取り早く出来るのが組織変更だったんじゃないでしょうか。
この時に感じたのは「上は現場を知らない」ということでした。
この人はこういう仕事じゃなくて、こんな風な仕事の方がいいんじゃないの? と思う社員はたくさんいました。
でも上は、その人がもっている能力や個性をちゃんと把握せずに、年齢や性別のものさしだけで配置してしまう。
だから組織をなんど再編成しても会社は変わらない。
一度でいいから現場の社員に「この人事ってどう思う?」と聞いてくれたら・・・と思っていました。
毎日一緒に仕事をしている同僚だからこそ、それぞれの能力やポテンシャルに沿った人事配置が、出来るのではないかと考えていたからです。
こんな経験があったからでしょうか。
「総選挙ホテル」のプロットを考えていた時に、現場の人たちに人事権を渡してしまうといったアイデアが、自然と浮かびました。
そうなんです。
「総選挙ホテル」ではスタッフの配置を、スタッフ自らの投票で決めるのです。
さてさて、どうなりますか。
興味をもたれた方は本を手にお取りくださいませ。
自治体が兼業や副業で働いてくれる民間人を、求めているそうです。
民間で現役として働く人たちのスキルや発想を、自治体が取り入れたいとの考えがあるようです。

働く方も転職ってことになると、そこに住まいを移さなくてはいけないのかとか、子どもの学校をどうするとか、色々な問題が浮上してしまいますが、兼業や副業であれば、比較的気軽に始められそうですよね。
様々な経験とスキルを持った人たちが交じり合うと、それまでにはなかった発想が生まれることもあるでしょう。
そこで新しいものが生まれる可能性がありますね。
ただ本業があって、兼業や副業してって、ちょっと働き過ぎじゃない?
世の中は今、働き方改革が主流のようよ。
と、耳打ちしたくなる。
知り合いの中にも、会社員として週に5日働き、週末の2日は別のバイトをしているという人がいます。
このスタイルだと休日がない。
そのA男に「休まなくて、疲れない?」と尋ねると、「肉体労働をしている訳じゃないから、大丈夫」と答えます。
休みといってもどうせ家でゴロゴロしているだけだから、仕事があった方がちゃんと起きてバイト先に向かうので、むしろ健康的だと豪語します。
B子の場合は平日に会社を17時に退社した後、18時から別のバイトを週に3日しています。
理由を尋ねると「暇だから」。
17時に会社を出ると18時頃に家に着く。
夕食を食べ終わるのが19時頃。
そこからが長いと言います。
その暇な時間をSNSで潰すのにも飽きたそうで、それよりは小銭を稼いだ方がいいと思ったとか。
会社員として17時まで働いた後に、18時から3時間のバイトをしています。
時間の使い方って、人それぞれだなぁとつくづく思います。
与えられた時間は1日24時間。
それをどう使うかというのは、どう生きたいのか、どうなりたいのか、なにが欲しいのか・・・そうした考え方によってまったく違ってきますね。
そういう私はどうなのかと考えてみれば・・・丸々一日の休みというのは、15年ぐらい取っていないかもしれません。
新作を書き上げた後には1週間の休みを取るつもりでいるのですが、大抵あれやこれやと仕事が入ってきて、気が付くと「あ、1週間が終わってしまった」といった状態に。
それじゃこんな状態が嫌なのかといえば、そうではなく、お仕事をくださって有り難うございますといった気持ちが強いので、感謝しながら毎日をバタバタと過ごしています。
だから休みがなくても全然不満ではないのです。
どう働くのか。
どれくらい働くのか。
人それぞれですね。
とうとう使い始めました。
湯たんぽを。
もう? といった感想をもたれた方は、多いのではないでしょうか。
世間の皆様にとっては「もう?」かもしれませんが、私としては「やっと」ぐらいの思い。

使いたい。
でもさすがに10月ってのは早くない? と己にツッコミ、なんとか踏み止まってきたオクトーバー。
11月になり月がかわったんだし、もういいんじゃないの? と自分に許可を出し、湯たんぽを投入しました。
1度使い始めたらこのまま春まで突き進みます。
湯たんぽよ、よろしくね。
が、さすがに暑いと感じることもあるようで。
気が付くと布団から片足を出して寝ている。
無意識に体温調整をしているんでしょうね。
足元が寒いから湯たんぽを入れているのに、暑過ぎて布団から足を出して寝るという、どこから遣り直せばいいのかわからない状態に。
あついといえば、今シーズンのフィギュアスケートも熱い。
女子選手が4回転を何度も跳ぶってなに? と叫んだ人も多いのでは。
私も叫びました。
4回回ったと数えられる審判も凄いと思うのと同時に、時代が大きく動いたと感じます。
5回転の練習をしている男子選手もいるとか。
こんな時代が来るとは。
少し前までは難しい技に挑戦する選手と、挑戦しない選手に分かれていました。
難しい技に挑戦する分失敗するリスクがある選手と、難しくはない技であっても、その完成度で点数を積み上げていく選手がいて、表彰台に上れる可能性は五分五分でした。
やがて難しい技に挑戦する選手の、失敗する確率が下がっていくにつれて、難しくない技の完成度だけでは、太刀打ちできないように。
そして多くの選手が、難しい技に挑戦するようになりました。
スポーツであり競争なので、当然といえば当然の流れではあるのですが、これに付いていける選手ならいいですが、脱落してしまう選手もいるでしょう。
アスリートって大変ですよね。
皆、努力をしている。
でもただ頑張っていればいいってもんじゃない。
結果を出さなくてはいけない。
結果がすべてだから。
そんな厳しい世界に、10代や20代の若い人たちが身を置いているというのが、凄いなぁと思います。