素敵な女性

  • 2017年04月06日

OL時代の朝、最寄り駅に到着するのはほぼ毎日同じ時間でした。
乗車して辺りを窺うと・・・毎日見かける顔がちらほら。
あの人も、この人も、毎日見かけるお馴染みさん。
そしていつもの素敵な女性を発見。
その人は当時の私と同年代に見えました。
白いブラウスは高級そうではないけれど、きちんとアイロンを掛けられています。
グレーのタイトスカートは膝丈で、皺など一つもない。
手入れされた4センチヒールの黒いパンプス。
落ち着いた色目の茶髪は背中の真ん中ぐらいまでのロング。
その毛先は巻いてあり、バレッタで留めてあります。
しっかりとメイクはしているのですが、薄化粧に見えるように仕上げている。
整えられた指先には、ごく薄いピンク色のマニキュアが。

朝の支度にこの人は、どんだけ時間を掛けたのだろう。
と、毎朝その人を見かける度に思ったものでした。
何時に起きているのか?
昨日は何時に寝たのか。
1日24時間をどう案配しているのか。
聞いてみたいと思ったものです。

そして我が身を顧みれば、お洒落とは程遠い恰好。
あまりに違う生き方。
というか、時間の使い方。
彼女は毎日をとても丁寧に生きている。
一方の私はなんと雑な生き方。
私の方が幸せになれるようには到底思えない。

むくむくと沸き起こるやる気。
闇雲に服やコスメを買い漁り、お洒落になろうと必死であがく。
が、そもそもこうなりたいといったビジョンがあるわけではなく、素敵だと思ったもの、流行っているらしいものを片っ端から買うだけなので、コンセプトがまとまらない。
ようするにひっちゃかめっちゃか。
新たに買った物すべてを身に着けてみても、全体としてはお洒落度の底上げには至らず。
むしろお金と時間を掛けた割に却って残念な方向へ。
やがてなんだかどうでも良くなって、元の状態に逆戻り。

その後も何故か二年に一度ぐらい「お洒落しなきゃ」と思い立つ日が訪れました。
その度にお金と時間を掛けて無駄あがきをするのですが、むしろ見た目は悪化するという結末を迎えました。

年を重ねた今はどうかというと・・・お洒落に掛ける時間を作るのは難しく、相変わらず時間の案配ができていません。
ただ自分が落ち着く恰好をすればいいのだと開き直れるようになったので、変なストレスを感じなくて済むように。

以前どこかのアンケートで、自分のファッションセンスに自信がないと答えた人が多かったのを見た時、友を得たように嬉しかったことが思い出されます。

トレンチコート

  • 2017年04月03日

ここ最近外出する際の恰好は、綿素材のニットに買ったばかりのトレンチコート。
実は私、トレンチコートを買ったのは初めてでして。
これまでなんとなく敬遠してきました。
が、理由ははっきりしません。
カッチリし過ぎて、私には似合わないのではと思っていたのかも。
が、思い切って買ってみると、なんにでも合うしとても便利なアイテムだと実感しました。
ライナー付きのものを買ったので、季節が進んでもこのライナーを外せば、長い期間着ることができそうですし、これはいい買い物をしたぜと思っていたのですが・・・。

先日のこと。
午後5時半頃でした。
私は駅から自宅へ向かって歩いていました。
するとトレンチコートを着た女性とすれ違う。
駅に向かうのでしょう。
足早に歩く女性がトレンチコート姿でした。
と、その後ろの女性もトレンチコート。
そしてその後ろの女性もトレンチコート。
いやん。
これじゃまるでトレンチコート祭りだわと、心の中で笑ったのはここまで。
次の女性も、その後ろの女性もトレンチコートを着ているとわかった時には、一気に笑いが引きました。

もしかして今年はトレンチコートの当たり年なのでしょうか。
それとももともとそうだったのに、私の目には入っていなかった?
今季自分が着ることになってみて、周囲のトレンチコート着用率の高さにようやく気付いたのでしょうか。

翌日、電車の中で女性のトレンチコート着用率を調べてみようと決意。
見える範囲にいる女性が18名。
そのうちトレンチコートを着ていたのは13名。
72%ほどの着用率となりました。
これ、結構凄いですよね。

色や丈はそれぞれで、皆さん自分に似合ったものをチョイスしているように見受けられました。
1つのデザインがこれだけ長い期間、多くの人に愛されているのは驚くべきこと。
それほどまでに完成度が高いのでしょうね。
トレンチコート仲間に今季から参加した私はまだまだ初心者で、自分なりの着こなしなんんざ、まったくできておりません。
これから少しずつそうしたものを手に入れたいです。

趣味

  • 2017年03月30日

乗馬が趣味の知人がいました。
仮にA子としておきましょう。
そのA子が言うには、馬はとても臆病な動物だそうで。
馬がマスクみたいなのを着けられていたり、目と鼻の間にターバン的なものを着けられていたりするのは、視野を狭くするためだとか。
自分の影に怯えてしまうぐらいの臆病な性格の馬には、そうやって視界を邪魔する物を装着させて、見せないようにする工夫が必要なんだそうです。
自分の影にビビるって・・・そんなに臆病だったんですね。

A子は当時OLで、休日は日曜日。
日曜日は午前5時に起床して、電車で乗馬クラブに向かう。
これが毎週。
どうしてそんな早朝だったのか私は覚えていないのですが、A子の自宅と乗馬クラブの場所が離れていたのか、レッスンの開始時間が早かったといった理由でもあったんでしょうかね。

そんな風に日曜を過ごしていたA子は、1週間の中で一番疲れているのは月曜日だと言いました。
疲れのため月曜日はほとんど仕事にならず、仕事をしているフリをしながら身体を休め、火曜日、水曜日あたりでようやく復活するのだとか。
A子は言いました。
仕事だったら絶対無理。
だけど乗馬のためだったら続けられるの、好きだからと。

同じセリフを言う知人がいます。
仮にB男としておきましょう。
B男はゴルフが好き。
毎朝シャワーを浴びるそうで。
仕事の日は「あー眠いなぁ、辛いなぁ、メンドーだなぁ」とブルーな気分でシャワー。
ところがゴルフの日は、いつもより3時間以上も早い午前4時であっても「ゴルフ、ゴルフ、ゴルフ」と鼻歌を歌いながらのハイテンションでシャワー。
B男は言いました。
仕事だったら絶対に無理な早起きも、ゴルフのためだったら何の苦も無く起きられると。

これはつまり・・・気持ち次第で早起きが辛くなったり、平気だったりするということですよね。
私にはそこまで気持ちが切り替わるような趣味がなく、A子とB男が少し羨ましく思えたりもします。
皆さんはどうですか?

似た人

  • 2017年03月27日

友人A子が電車の中で声を掛けられたそうです。
それは見知らぬ男性。
「どうもご無沙汰しております」と挨拶され、A子はきょとん。
全然記憶にない。
これはもしかして、もしかするとナンパか?
だとすればすっごい久しぶりだぜ、などと能天気に考えていると、男性は「〇〇です」と名乗ったそうな。
名前を聞いても思い出せないA子。
こうした場合の選択肢は2つ。
思い出したわの体で、テキトーで無難な話をしてその場をやり過ごすのが1つ。
もう1つは、正直にあなたのことをまったく覚えていませんと告白する。

で、A子は正直に覚えていませんと告げる方を選択。
すると「△△で営業部にいた〇〇です」と言い、さらに「△△で人事部にいた□□さんですよね?」と確認してきた。
これは完全なる人違いとわかったA子は「私の名前は□□ではなく、△△で働いたこともありません」と言うと、男性はとてもびっくりした顔をして「それは大変失礼しました」と謝罪したとか。

そんな出来事も忘れた半年後のこと。
デパ地下で食材を物色していた時「久しぶりー」と声を掛けられたそうです。
今度は女性。
今度もまた見覚えのない人。
女性は「□□さんですよね?」と言ってきた。
その名前は、半年前に男性が口にした名前と一緒。

どうやらA子によく似た人がいるらしい。
□□という名前で××辺りに住み、△△の人事部で働いたことがあり、キルト教室に通っていた――。
と、予想外のルートで個人情報を得たA子は、ふと気が付いた。
すっかり間違える人がいるということは、逆に自分の知り合いが、□□さんに「久しぶりー」と声を掛けているかもしれない可能性について。
A子の名前や、元の職場や趣味といった個人情報が、□□さんにダダ漏れしているかもしれないと考えると、ちょっと怖い気がしたそうです。
その一方で、そこまで似ている人と会ってみたい気もしたとか。

A子からその話を聞いた時、そういえばと思い出したことが。
今から30年ほど前、バイト先の人から私にそっくりな人が歩いていて、もう少しで声を掛けそうになったと言われたことがありました。
その人は顔だけでなく体型も髪型も服の感じも同じで、同一人物でなければおかしいぐらいそっくりだったというのです。
「双子のお姉さんがいるの?」と真面目な顔で質問され、「生き別れた双子の姉さんがいるという話にした方が面白いですか?」と聞き返したら、「なんだそれ」と言われましたっけ。

それから10年後ぐらいでした。
2人の知人からメールが来ました。
そこには「昨日のジャイアンツ戦を見に行ってたでしょ。客席にいるところがテレビに映ってたよ」と書いてありました。
私はジャイアンツ戦を球場に見に行っていません。
ということは・・・10年前にバイト先の人が見たという、私にそっくりな人でしょうか?
(架空の設定の)姉さん、姉さんは野球好きですか? 私はどっちかというとサッカーが好きです。双子でも好きなスポーツは違うんですね。


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