階段を

  • 2024年12月23日

マンションの4階に住んでいます。
毎朝1階まで往復するのですが、この時階段を使います。

ゴミを捨てるために階段で1階におり、やはり1階にある郵便受けから、新聞と郵便物を取り出します。
そして階段で部屋に戻るのです。
この階段の上り下りが、運動不足の私の唯一といっていい運動タイムなのです。

先日、郵便受けを開けている時、他の住人と居合わせました。
その女性は60代ぐらい。
女性はエレベーターの扉を開けて、私が乗り込むのを待つような素振りを見せました。

なので私は「どうぞ行かれてください。私は階段で行きますので」と声を掛けました。
すると女性は「本当に?」と少し驚いた様子。
無理をしなくても、とでも思ったのでしょうか。

「健康のために」と私は普段より大きな声で答えると、いつも以上に腕を振って、元気よく階段へ向かいました。
なんでその女性に、そんなアピールめいたことをしたのか・・・分かりません。

それから1週間後。
左膝に軽い痛みが。
座っている時や、立っている時は平気。
でも屈んだ時に小さな痛みを感じます。

階段を下りる時は平気。
だからゴミを捨てに行く時は、変わらず階段を利用。
戻る時は・・・エレベーターを使いたい。
使いなさい。
使えばいいじゃない。
と、思うのですが・・・エレベーターを使っているのを、先日の女性に見られた時に、ちょいと困る。

自ら左膝が痛くなってと、事情を説明した方がいいのか、それともしれっとエレベーターに乗った方がいいのか・・・対応に悩む。
だからあの女性に会いたくない。

ということで、毎朝ドキドキしながらゴミを捨てに行くように。
郵便受けを覗いている時に、背後からチンとエレベーターの扉の開く音が聞こえてくると、ドキッとします。
そして恐る恐る振り返り、件の女性じゃないと確認するとほっとします。
緊張感のある朝を過ごすようになってしまいました。

この1年

  • 2024年12月19日

12月も半ばを過ぎ、今年一年を振り返る記事やテレビ番組を、よく見かけるようになりました。

自分の1年を振り返ると・・・単行本も文庫も出させて頂き、また連載というスタイルでも小説を発表させて頂いて、有り難い1年でした。

今年はまた、オーディオブック版も初めて出させて頂きました。
プロの声優さんが、自著を朗読しているのを聞くという経験を初体験。
耳に流れてくるのは、確かに自分が書いた文章なのに、なんだか自分の作品ではないような、不思議な感覚が新鮮でした。

今年、本は結構読めたけれど、映画はあまり観なかったなぁと感じ、どうしてだろうと考えたら・・・オリンピックが理由でした。
オリンピック観戦に熱中したため、映画鑑賞の時間が削られたんでした。
選手の皆さん、感動を有り難う。

そして今年は、というか、今年も、なのですが、片付けが進まなかったという反省があります。
部屋の隅に山積みになっているあれやこれやを、どこかに仕舞わなくてはいけない。
それには、なにかを処分して収納スペースを確保する必要がある。
だとすれば、この押し入れだな。
と、ここまではスムーズに進む。
頭の中だけのことだから。

押し入れに入っているのは雑多な物。
引っ越しをした時に、取り敢えず入れてしまったきり。
だから用途別に置かれていない。

棚板が折れては困るので一番下に重い物を、その上の段には、それよりやや軽い物を・・・といった具合で、重さを基準にして分けてあるだけ。
改善の余地があり過ぎる状態。

ひとまずスペースを確保するためには、なにかを処分しなくてはいけないので、その取捨選択をしようと考えました。
いたってまっとうな考え方。
頭の中だけのことだから。

で、30冊ほどあるファイルから、1冊を抜き出しました。
そして中にある書類を一つひとつ吟味し、残すか捨てるかを判断していく。
これに結構な時間が掛かる。

結局、20分ほどでギブアップ。
今日はここまでにしておくか。
と、早々に決断。
あっという間に決断してしまうのは、やりたくないからでしょうね。

これを何度か繰り返しただけなので、部屋の隅に山積みになっているあれやこれやは、そのまま。
来年こそはこの山の高さを低くする。
それが来年の目標の一つです。

  • 2024年12月16日

友人のA子が自宅で鍋パーティーを開くというので、参加することに。
手土産持参でA子の家に行ってみたら・・・キムチ鍋でした。

フツーの鍋だと思っていた私。
辛いものがあまり得意ではないので、来なきゃよかったと後悔が胸をよぎりましたが、ひとまず食べてみる。

辛い辛い。
むせるほどの辛さ。

他の参加者たちはフツーに食べているので、辛さに参っているのは私だけかと思っていたら・・・A子が席を立った途端、鍋に野菜をたくさん投入して、味を薄めようとする参加者たち。
皆も辛過ぎると思っていたようです。
豆腐や野菜の水分で薄めたものの、辛さは薄まりませんでした。

辛くてはあっても食い意地が張っている私たちは、食べ続けました。
休み休みではありましたが。

身体が熱くなった参加者たちは着ている服を一枚、また一枚と脱いでいく。
そうしてハフハフ言いながら、シメの雑炊まで完走しました。

小説「地獄の底で見たものは」には、主人公の由美が同僚らと火鍋を食べるシーンがあります。
ずっと専業主婦だった由美は、色々あって通販会社のコールセンターで働くようになります。
53歳で一人暮らしをすることになったのです。
仕事帰りに同僚らと居酒屋で、食事とお酒を楽しむ日が来るとは、由美は全く想像していませんでした。

これからの人生を悲観していた由美ですが、周りに助けられながら、自分の居場所を見つけていきます。

同僚らと火鍋をつつき、辛いと言い合いながら楽しい時を過ごす由美。
新たに手にした幸せに気付く場面です。

美容室

  • 2024年12月12日

今、通っている美容室に満足していますか?

美容室の数はなんと、コンビニの約5倍あるという。
新聞記事によれば、この10年間で4万店近く増えたらしい。
人口が減っていることを考えれば、この増え方は凄いですよね。

私はもう何年も自分で髪をカットしているので無頓着でしたが、そう言われてみれば、我が街にもたくさんの美容室がありました。

以前住んでいた街で、1度だけ行ったことがある美容室での話。
ネットで自宅から近い美容室を探して予約。
ドアを開けると・・・3人のスタッフが一斉に立ち上がり「いらっしゃいませ」と言う。

私が名乗る前に、「〇〇様ですね」と言われる。
「は、はい」とちょっとビビりながら頷く。

施術椅子が3つの小さな店に、私の他に客はいない。
勧められた施術椅子に私が座ると、3人に取り囲まれる。
圧に負けそうになりながらストレートパーマを依頼。

すると3人のうち2人が施術を開始。
残りの1人は背後の椅子に腰かけ、スタッフの動きを監視し始めました。
これがこの店のスタイルのようです。

ストレートパーマをかけたことがある人ならご存じでしょうが、髪をとにかく引っ張って、真っ直ぐにする施術が延々と続きます。
つまりかなり痛いのです。
しかも2人がかり。
痛みが2倍。
これに3人が自分に集中しているという圧も加わる。

耐えること3時間。
やっと終了。
この間、客は一人も来ず。
美容室の先行きを勝手に心配しました。

この美容室にはその後行くことはなく、1回きりのご縁でした。

7、8年ぶりに以前住んでいた街を訪れました。
すっかり店も変わったなぁなんて思いながら歩いていると・・・あの美容室が。
潰れているだろうとの予想に反して、商売を続けていました。
倒産する美容室が増加しているという中で、頑張っていたようです。
本当は別の収入があり、美容室は趣味でやっているとか、そんな理由が隠れていたりして。

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