文庫「結婚させる家」が発売されます

  • 2025年10月02日

3ヵ月連続刊行の第2弾は「結婚させる家」です。
この文庫版が10月8日に発売になります。
婚活に取り組む50代の男女の物語です。

50代の婚活は、他の世代のそれとは違います。
そこそこの年月を生きてきただけに、それぞれが抱えている事情は複雑になっている。
相手に求めるものも若い頃とは違う。
男女が越えなければいけないハードルの高さは増しているのです。
それでも結婚したいと願う人たちの奮闘ぶりを描いている小説です。

人生100年時代。
50代は折り返し地点。
残りの人生をどう過ごしたいのか、誰と過ごしたいのかを考える登場人物たちを、きっと身近に感じられるはず。
発売までいましばらくお待ちください。

最近はマッチングアプリが人気のようです。
手軽に相手を見つけられると好評のようですが、残念ながら騙される人たちも。

「結婚させる家」の舞台はというと、結婚情報サービス会社です。
ここでは最終学歴の証明書や、収入額を証明するもの、独身を証明するものといった書類の提出が必須。
手軽ではありません。
その代わり身元が正しく分かるという利点が。

友人のA子が50代で婚活を始めようと決意した時のこと。
この年で騙されている時間はないと考えたA子は、結婚情報サービス会社を選択。

母校の大学に卒業証明書の発行を依頼するため、申請書を取り寄せると・・・申請理由を書く欄が。
婚活とは書きたくない気持ちが胸に溢れる。
そこで就職活動の際に必要と嘘を書いて申請。

次に独身証明書を取得しようと調べると、役所に出向かなくてはいけないと知る。
コンビニでの申請は不可。
役所のみ。
ただし郵送で申請することは出来る。
が、手数料の300円を、郵便局で定額小為替を購入して同封しなければいけない。

定額小為替という聞き慣れないものを、郵便局で入手しなくてはいけないというハードルが高かった。
A子はこのハードルを越えられませんでした。
メンドー臭いの方が勝ってしまったのです。
思わぬところで人は躓くものですね。

スポーツ

  • 2025年09月29日

世界陸上が終わってしまい、放心状態が続いています。

そしてつくづく思う。
スポーツに勝てるコンテンツはないと。

そして確信する。
日本人はスポーツが大好きだと。

ラグビーの大会が日本であった時も、始まるまでは成功を疑う声が多かった。
スポーツ観戦好きの私でさえ「ラグビーかぁ。ルール知らないしなぁ」と及び腰。
日本戦じゃないと、観客席はガラガラになるだろうと予想する見方も。

が、蓋を開ければ、俄かラグビーファンが大量発生して日本戦以外も大入り満員。
物凄い盛り上がりを見せました。

そして今回の世界陸上。
チケットの売上が好調だという話は聞いていましたが、ここまでの熱狂状態になるとは。
観客たちの熱い思いが、画面を通してこちらにもビンビン伝わってきました。
スポーツ観戦を心から楽しんでいるのが、よく分かりました。

新聞にサッカー選手目線で、試合を疑似体験出来るアプリが紹介されていました。
イギリスのマンCのホームゲーム限定のもので、実際に行われた試合の振り返りを、その時の選手目線で行えるという。

これって・・・自分があたかもサッカー選手としてピッチに立ち、試合をしているような感覚を味わえるってこと。

凄いです。
世の中はこんなことになっているんですね。

このアプリだと試合中に選手がなにを見て、どう動いているのかが分かる。
味方の選手がボールを持った瞬間、そのボールから目を離す選手。
空いたスペースを探す。
そしてそこに走り込む。
ボールが来ると信じて。
この時にボールを見ていないことを、疑似体験出来るとしたら・・・サッカーの面白さが何倍にもなりそう。
プロのサッカー選手を夢見るちびっ子たちには、とってもいい勉強になりそうだし。

走り込んだところに、味方からパスが流れ込んでくることもあるでしょうし、ボールが別の選手にいってしまうこともあるでしょう。
「せっかくいい場所に走ったのに、なんだよ」と拗ねたくなる気持ちまで、疑似体験出来るかも。
スポーツの楽しみ方の横展開から目が離せません。

写真を

  • 2025年09月25日

観光地で、「写真撮って貰えますか?」とカメラを渡される確率が、私はとても高いです。
例えばこっちが4人連れでいたとして、そう言われるのは私だけ。
ぼんやりしていて暇そうに見えるのでしょうか?

写真を撮ってあげるのは全然いい。
だが問題がひとつ。
私は写真を撮るのが下手なのです。

大抵「ここを押して貰えばいいんで」と言われます。
この台詞には、オートフォーカスなので、ボタンを押せばどんな人でも上手に撮れるんで、心配しないでねといった意味合いが含まれているように思います。

が、こうした予想を簡単に覆すのが私。
なにが主役なのか分からない写真を撮る天才でもあります。
なにがいけないのか。
センスでしょうか?
結局、私は期待を裏切るレベルの写真を撮って、カメラを持ち主に返すのでした。

昔、靴のメーカーで会社員をしていた頃は、商品をPRするのが仕事でした。
普通の会社であれば、プロのカメラマンに依頼して、商品を200パーセント素敵に見せるような写真を用意します。

が、私がいた会社の予算はゼロ。
プロに頼むお金がない。
だったら、どうする?
自分でするしかない。
と、こういう哀しい理由で、この私が写真を撮るはめに。

会社の一眼レフで靴を撮影。
しかしながら使えるレベルの写真が一枚もない。
商品を実際より悪く見せている写真ばかり。
これには困りました。
結局、会社内で写真が上手な人を探し出し、その人に拝み倒して撮って貰っていました。

新装版の文庫が発売になった「嫌な女」には、写真館でのエピソードがあります。
男から小金を巻き上げて暮らしている夏子が、写真館にやって来ます。
男と二人で写真撮影に臨みます。
本気で男とのツーショット写真が欲しいのか、それとも騙すための作戦のひとつなのか。
二人は写真を撮って貰い帰って行きます。

が、これには後日談が。
夏子と写真館の館主の間で、ちょっとしたトラブルが。
その理由がなんとも夏子らしいものでした。
興味を覚えた方はぜひご購入ください。

理想のタイプ

  • 2025年09月22日

小娘だった頃。
好きなタイプの男性について、友人らとあれこれ語り合い盛り上がっていました。
楽しいひとときです。

皆、好き勝手な妄想を膨らませて、理想の異性のタイプを作り上げていく。

で、実際に友人に彼氏が出来る。
友人らに彼氏を紹介する場が設けられて面通し。

初めて対面した彼氏を見て「好きなタイプの話はどこにいった?」と毎度つっこむことに。
散々聞いてきた理想のタイプとは似ても似つかない人を、彼氏だと友人らに紹介出来る勇気にびっくり。

理想のタイプまんまの人と出会えればいいけれど、世の中はそんな風にはなっていない。
好みのタイプとは遠い人なのだけれど、ちょっと気になるようになって、一緒にいる時間が楽しくなっていく。
そして交際。
友人らに紹介すれば、総ツッコミを受けるであろうことは分かっているけれど、ま、いっかといった心持ちになっているのであれば、その交際は順調に進んでいく確率高し。

新装版の文庫が発売された「嫌な女」に登場する夏子は詐欺師。
男たちから小金をせしめて生きています。

そんな夏子が結婚した相手は、意外な人でした。
夏子の尻拭いをさせられてばかりの弁護士、徹子は、彼女が結婚したことに驚くのですが、その相手を見て更に驚きを深くします。

男は地味でお金持ちじゃないのです。
夏子にどんな心境の変化があったのだろうかと徹子は思います。

この徹子もまた、彼女なりの理由で結婚し、その後紆余曲折が。
徹子が勤める弁護士事務所の所長にも色々ある。
他の登場人物たちそれぞれにも、色々な結婚生活があります。

様々な事情と選択があって、成り立っている暮らし。
嵐に襲われた時に身を寄せ合って過ぎ去るのを待つのか、それともバラバラで逃げるのか。

「嫌な女」は十人十色の人生を味わえる小説ですので、ぜひお買い求めを。


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