外出するための仕度には色々あります。
メイクをしたり、着替えをしたり。
そうした準備の中で決して忘れずにしていることが。
足にパッドを貼ることです。
私は外反母趾気味です。
近所を歩く時にはブカブカのサンダルを履いています。
これなら外反母趾気味でも大丈夫。
でもぴったりした靴を履くと、親指の付け根辺りの骨が当たって痛い。
親指の付け根辺りの骨が外側に出っ張って、少し角度が付いてしまっているのです。
その出っ張ったところに、パッドを貼るようにしています。
骨と靴の間のパッドが緩衝材となり、あたりが柔らかくなって痛くないのです。
レインシューズなるものを色違いで2足もっています。
フツーのローヒールシューズのように見えるデザイン。
踵の下部から底にかけて一体式のゴムソールになっているため、滑り難く、浸水も防いでくれます。
今の時期は出番が多くなる靴です。
ところが残念なことに、この靴の踵のアーチが私の足とは合っていない。
靴擦れが起きてしまう。
このためこのレインシューズを履く時は、外反母趾のパッドだけでなく、踵部分にもパッドを付けて防御します。
靴を我慢して履いているというコメントを時折見聞きしますが、それは止めた方がいい。
ティッシュペーパーを爪先部分に詰めたり、土踏まず部分にクッションを敷いたり・・・と、自分の足に合わせて調整するといいですよ。
どんな靴でもシンデレラフィットする、なんて人はいませんから。
昔、靴店で働いていた私からのアドバイスです。
新刊「残された人が編む物語」には、靴好きの女性が登場します。
ある男性との出会いも靴がらみ。
彼女がおろしたての靴で足を痛めてひと休みしていたら「靴が合わないの?」と男性から声を掛けられます。
これがきっかけ。
彼女がこの男性とどんな関係を築くのか・・・それは本書をお読みください。
新刊「残された人が編む物語」の入手は出来ましたか?
「買ったよ」という方、有り難うございます。
ぜひゆっくりと登場人物たちの人生を味わってください。
「まだ」という方、お近くの書店にない時には、店員さんに取り寄せて貰ってくださいね。
この「残された人が編む物語」を読んだ方の感想の中では「泣いた」という単語が多いようです。
書いている方としては、泣かそうと思って書いているシーンは1つもありません。
ただ泣きながら書いていることはありました。
登場人物の気持ちに寄り添って、その心情を言葉に変換します。
その時、涙が出てきたのです。
そして泣きながらキーボードを叩き続けました。
途中洟をかんだりしながら泣き続け、書き続けました。
そんな様子を人が見たら、ちょっと怖かったかもしれません。
以前、電車の中でのこと。
平日のお昼頃で車内は空いていて、私は座っていました。
前のシートには50代ぐらいの男性が。
スーツ姿で仕事のために移動中といった感じ。
その男性は本を読んでいました。
こういう時、読んでいる本のタイトルが知りたくてしょうがなくなるのですが、その男性はブックカバーをしていたため、わかりませんでした。
私は中吊り広告を見上げたり、ドアの側でいちゃついている、高校生カップルに心の中で舌打ちをしたりしてから、ふと前の男性に目を戻したら・・・泣いていた。
おお。
本を読んで泣く男性の姿が新鮮で、ちょっと感動。
そして増々彼が読んでいる本がなんなのかを、知りたくなりました。
男性は一旦本を逆さにして鞄の上に置き、その中からハンカチを取り出しました。
そして目元を拭う。
小さく息を吐いてから、本の続きを読み始めました。
電車の中で豊かな時間を過ごしているんだなと、私は思いました。
私が先に電車を降りたので、彼がその後どんな風に本の世界から気持ちを切り替えて、仕事に戻ったのかは不明。
仕事に悪い影響が出たんじゃないかって?
まさか。
誰かに心を添わせて泣けるなら、きっと心が柔らかい人。
そういう人はきっと仕事も大丈夫。
仕事の多くは、消費者や取引先の担当者といった、人間の気持ちや考えを推測することからスタートするから。
それが出来る人だってことですからね。
違います?
本日から新刊「残された人が編む物語」の発売がスタートします。
地域によっては数日遅れることがありますので、見つけられないなんて時には、お近くの書店さんにお尋ねください。
この本には5つの物語が収められています。
5人それぞれが大切な人の行方を追います。
行方がわからなくなった人の人生だけでなく、残された人たちの人生も描いています。
残された人たちの心情は複雑です。
そうした心情の中には哀しみや、心の痛みがあります。
この辛い気持ちを経験した後で生まれる心情の変化をも、描きたいと思いました。
この難しい表現にトライしたことで、様々な受け取り方が出来る、小説になっているのではないかと思っています。
上手く描けているかはわかりませんが。
「新刊の発売日にはなにか特別なことをするんですか?」とよく聞かれます。
「祈るだけです」と答えます。
すると少しがっかりしたような顔をされます。
こうした質問をする方は、どんなイメージをもっていたのでしょう。
「高級レストランで食事をしてシャンパンを頂きますの」とか、「旅に出ます」・・・なんて答えを期待したのでしょうか。
海外のある女流画家さんは、1つ作品を仕上げると、宝石を1つ買うという話を聞いたことがあります。
その画家さんは女優さんのように美しい方で、そうしたエピソードがぴったり。
私の場合はそうしたエピソードが似合いません。
しいていつもと違う変化を挙げるとするならば・・・牛肉売り場で足を止めますかね。
いつもならスーパーで牛肉売り場は素通りです。
高いから。
肉なら鶏か豚でOKと思っています。
が、ふと牛肉売り場で足が止まる。
今日ぐらい、ちょっと贅沢してもいいんじゃないかと考えます。
そして国産牛肉のパックを籠に。
こんな記念日の過ごし方。
スケールが小さいですね。
でも幸せです。
そして祈ります。
一人でも多くの人に、この小説を読んで貰えますようにと。
新刊の発売日、6月9日が近付いてきました。
タイトルは「残された人が編む物語」です。
ひと足早く届いた見本がこちらです。
透明感のある装幀になりました。
この装幀をとても気に入っています。
この本の中には5つの物語が収められています。
5人の登場人物たちは、それぞれが大切な人の行方を捜そうとします。
消息を追ううちにそれまで知らなかった、大切な人の生き様を聞くことになります。
そんな面があったなんてと、がっかりしたり、そんな思いでいたのかと、力になれなったことを悔いたりします。
事前に読んでくださった方たちの感想の中では「泣きながら読んだ」というのが多かった小説です。
ただし、哀しいばかりではなく、前に向かって生きていく素晴らしさも、感じて頂けるような一筋の光が射している作品です。
「新刊が出ます」と私が言うと、「どんな作品?」と聞かれます。
これに答えるのは結構難しい。
すらすらと答えられる作家さんもいらっしゃるのでしょうが、私は苦手。
「えっとぉ、あのぉ、だからぁ、小説」と答えて、「大丈夫か、お前?」と思われたりする。
どういう作品かを説明するのが難しいのは、語り出したら2、3時間じゃ終わらないぐらい長くなりそうなものを、コンパクトにまとめなくてはいけないってところ。
「テーマは?」と聞かれても、同じように答えに困ります。
小説にテーマが必要ですか? と質問に質問で答えてしまう。
難しいことは考えず「物語」に没入し、その世界を味わって欲しい。
それだけなのです。
テーマなんて、読んだ人がなにを感じたかによって変わるもの。
こちらから提案するようなものではないと思っています。
ということで、ここでどういった作品なのかを、短くお話することが出来なくて申し訳ありません。
これはやっぱり本を読んでいただくしかないと、まとめさせて頂きます。