30年以上前、靴店で働いていた頃のこと。
店はショッピングエリアが広がる街にありました。
だから買い物客相手のレストランやカフェは、たくさんありました。
でも残念ながら、その街で働く人向けの飲食店はありませんでした。
当時はコンビニもなく、働いている人たちは自宅から弁当を持参するか、買い物客のように高額なランチを食べるしかありませんでした。
ある日、同じ店で働くスタッフが「いい弁当店を見つけた」と言いました。
安くてボリュームがあって旨いというので、早速行ってみることに。
その店は駅ビルの地下にあるといいます。
場所は一等地でありながら、その駅ビルは寂れていました。
物凄く古くて足を踏み入れたら、出て来られなくなるのではと不安になるような、不穏な気配を醸し出していました。
昔からそこで商いをしていると思しき小さな店が多く、ストッキングだけを売っている店や、パジャマだけを売っている店など、かなり個性的なラインナップ。
壊れかけた階段を恐る恐る下りて、弁当店があるという地下へ。
天井の古い電灯がチカチカしていて、ドラマだったら、これ以上先に進んだら絶対ダメなやつです。
戻りたくなる気持ちを抑えて足を前に進めたら、行列を発見。
探していた弁当店には行列が出来ていました。
小さな店にはカウンターがあり、その背後の厨房は丸見え状態。
夫婦らしき男女が弁当をここで作り、売っている感じ。
弁当の種類は2つか、3つ程度。
どれも380円でした。
なぜこれほどはっきりと値段を覚えているかというと「レジ横に小銭が不足しています。なるべく釣銭がないようにお願いします」と書かれた紙が貼ってあったから。
食べてみたら、美味しくてボリューム満点で大満足。
なんといってもこの安さが気に入りました。
そしてほぼ毎日通うようになりました。
客たちは皆、協力的でした。
おじちゃんとおばちゃんが、一生懸命安い弁当を作っているというのを、理解していたからでしょう。
皆、釣銭がないようにお金を払うようにしていて、私もそう努めていました。
暑い日には汗だくで働く2人に、冷たい飲み物を差し入れする客や、頑張ってと客の方が声を掛ける姿をしばしば見かけました。
皆に愛されている弁当店でした。
先日、用事があって久しぶりにこの街を訪れました。
駅ビルが建て替えられていて、すっかり綺麗になっていてびっくり。
その時、あの弁当店はどうしただろうと思い出して、地下に行ってみました。
ありました。
以前と同じ場所に。
すっかり綺麗になった店の前には行列が。
弁当は2種類だけでどちらも410円。
30年以上経っていて物価は上がっているのに、弁当の値段が30円しか上がっていないって、凄いことです。
そして夫婦らしき男女が店を切り盛りしていました。
あの時の?
いやいや、30年という年月を考えたらそんな訳ないですね。
もしかすると、あのおじちゃんとおばちゃんのお子さんたちでしょうかね。
なんだか懐かしく、また嬉しくなりました。
この街で働く人たちの胃袋を満足させ、財布にも優しい店が、これからも愛されてずっと繁盛しますように。
新作小説「息をつめて」の主人公、麻里は惣菜店で働くことになります。
人情味のある女主人と、その息子と交流を深めていきます。
それはずっと孤独だった麻里にとって、掛け替えのない時間となります。
この人たちなら、もしかしたら・・・そんな小さな希望をもちます。
その希望は叶うのか。
「息をつめて」をお買い求めの上、確認してみてください。
プリンターを買い換えました。
古い方のプリンターをどうするか問題に直面。
自治体が運営する粗大ごみ処理センターに、集荷の申し込みをしようとサイトにアクセス。
これまでにもこうした自治体の粗大ごみ処理センターに、引き取って貰ってきましたが、引っ越しをしたので、現在住んでいる自治体では初めての申し込みです。
住所や名前、電話番号を入力して次のページへ。
するとあなたが捨てる予定の場所を、地図上にマークしてくれと指示が出る。
おっと。
こんなことになっているんですね、最近の粗大ごみ処理センターは。
そこでマークを付けて申し込みを完了。
収集日は2週間先。
その間に解決しなくてはならない問題が1つ。
マークしたのは、マンションの1階にある粗大ごみ置き場。
ここまでどうやって運ぶか。
持てないほどではないとはいえ、住んでいるのは4階。
共用廊下を歩きエレベーターに乗り、粗大ごみ置き場までの距離を考えると心が萎える。
そこでポイントが貯まっていたのを思い出し、これを使って台車を買うことに。
ネット検索してみたら膨大な数の台車が出てきて、うんざりしかかる。
その時、女性の意見から生まれたという台車を発見。
折り畳めるとか、軽いといったキャッチコピーはほとんどの商品についていましたが、胸に刺さってはこなかった。
そんな中、女性の意見から生まれたという言葉にズドンと射られた。
会社の制服らしきものを着た女性が、笑顔でその台車を押している写真にも好感がもてました。
業務上重い物を台車で運ばざるを得ない女性たちは、さぞかし苦労していることでしょう。
そうした女性たちの生の声が開発に生かされた商品であるならば、きっと私にも使い易いはず。
ということで、その商品をポイントで購入することに。
ブラック、ブラウン、グレー、ピンクの4色があるらしい。
ピンクがあるなんて辺りが、いかにも女性向けって感じ。
私はブラウンを選びました。
そして収集予定日の前日になり、台車にプリンターを載せて部屋を出たら・・・ガガガガガと物凄い音が。
キャスターが地面とぶつかる音がハンパない。
隣の駅まで届きそうなほど。
ロックでも掛かっているのかと調べてみましたが、そのような機能は付いていない模様。
他の住人に怒られる前に、抱えて下まで運ぼうか。
が、わざわざこのために買ったのに、自分で持って運ぶことになるのは負けた気がする。
なにに負けるのかは、わからないけど。
そこでこのまま強行突破することに。
そんな時に限って他の住人と遭遇。
こんにちはと挨拶をするも、あまりにキャスターの音が煩くて、届いていない気がするも、こんな音をさせる台車を買ってしまって、すみませんといった風情を精一杯醸し出してすれ違う。
やっとの思いで粗大ごみ置き場に到着。
プリンターをそこに置くと、台車を折り畳み腕に抱えて部屋に戻りました。
なぜ私はいつもこうなるのか。
以前買い物カートを買った時も、キャスターが尋常ではない大きな音をさせました。
マンション内ではキャスターの音をさせないよう、買い物カートを持ち上げて運ぶはめになり、結局別の物に買い換えました。
どうやら私はキャスター運がないみたい。
そして思う。
これ、絶対に女性の意見なんて聞いちゃいない。
こんなに煩い音が出る台車を、欲しいという女性がいる訳ないもん。
だったらあれは売るための宣伝文句だったのか。
キャッチコピーと制服姿の笑顔の女性の写真に、まんまと騙されてしまいました。
昨日電車の中で、黒いコートの襟元に、シルバー系の星型のブローチをしている人を見掛けました。
重たくなりがちなコート姿に、そのブローチは花を添えていて素敵でした。
以前ブログで、ブローチを探していると書きました。
探索は今も続いています。
ちょっとした時間に、ネットサーフィンをして探していますが、未だこれだと思う物を見つけられずにいます。
仮に念願叶ってブローチを入手したとして、果たして私はコートに付けられるのかといった問題が。
ブローチを付けるということは、穴を開けるということ。
コートに穴を開ける・・・結構勇気がいります。
皇后雅子様が婚約されたばかりの頃、そのファッションが皆の注目の的になっていました。
着回すためでしょうか、前日に着ていらしたコートにブローチを付けて、印象を変化させていらっしゃいました。
オシャレ上級者のテクに、感動したことを覚えています。
私もコートにブローチを付けてみようか・・・いや、やっぱり開いてしまう穴が気になる。
やはり私は穴が開いても目立たない、ニットのセーターに付けたい。
新作「息をつめて」の主人公、麻里はブローチを貰います。
困ったなと思うのと同時に少し嬉しい。
それを胸に付けていると、誰かから貰ったものだろうと鋭い指摘を受けたりします。
孤独な暮らしを続けてきた彼女の胸を飾るブローチ。
明るい未来を予感させるような存在です。
このブローチが麻里の胸でずっと輝き続けるのかどうかは、小説を読んでみてくださいね。
ブローチ、ブローチと騒いでいたら、友人から「気に入ったものがないなら、自分で作ってみれば?」と言われました。
それねぇ。
以前気に入ったヘアピンが見つからず、自分で作ったことがありました。
自作する人は結構いるのか、制作するための道具を売っているネットショップが複数ありました。
そのうちの1つで、ヘアピンの土台、ワイヤー、鋏などを揃えました。
キラキラしたかったのでスワロフスキーを購入し、それをワイヤーで編みこむようにして、土台に取り付けました。
やっていくうちにコツみたいなものを掴み、制作時間はどんどん短くなっていきました。
結局10個制作。
髪に付けて満足していたのですが・・・土台の金属がいけなかったのか、ヘアピンをしていたところに湿疹のようなものが。
せっかく手作りしたヘアピンは以降出番はなくなり、引き出しの奥で眠っています。
ブローチをニットに付けるならば、その下になにかしら着ているので、金属部分は直接肌には当たらない。
だから湿疹は出来ない・・・はず。
でも1つ問題が。
それはセンス。
ヘアピンは基本的に一直線なので、スワロフスキーをただ並べて編みこめば良かったけれど、ブローチは形が自由になるため、その分センスが問われてしまいそう。
自分のセンスに自信なし。
ブローチを探し続けるか、手作りに挑戦するか・・・ちょっと考えてみます。
VARが好き。
恐らく日本人の大多数がこのVARに感謝し、この制度を100パーセント支持していることでしょう。
VARがなかったらと考えると・・・恐ろしい。
狡猾さに勝てる最強の手段です。
皆さん、ついてこれてますか?
サッカーのワールドカップの話ですよ。
今回のカタール大会ではこのVARの活用の他にも、試合時間の管理が厳格になったという変化が。
アディショナルタイムが7分と出て、びっくりしちゃいましたが、きっと正確に計ったら7分になったんだろうなとは思うものの、だったら今までは誰がどうやって、計測していたんだろうといった疑問が。
厳格に管理してみたら、試合が止まっていた時間が7分あったというのは、なかなかのものですよ。
45分のうちの7分ですからね。
1点入れるのに十分な時間です。
これまでこれだけの長いアディショナルタイムが出なかったというのは、誰かの勘で「今日は結構ファウルが多かったから、4分ぐらいじゃね?」とか、「今日はスムーズにいったから、1分ぐらいでいいんじゃね?」と判断していたのではないかとの疑念が、わき上がって来ます。
選手たちはこの変化を肌で感じたのでしょう。
対応が早い。
これまでは海外のチームが勝っている時の選手交代には、物凄く時間を掛けていました。
さっきまで猛スピードで走り回っていた選手が交代となった途端、走り方を変える。
これは中の選手がタッチラインを越えて外に出ないと、交代選手は入れないから。
交代選手が入るまで試合は止まる。
だから勝っている時には試合時間を減らそうと、ピッチの中の選手はちんたらちんたらとして、なかなか外に出ようとしない。
審判から遅延行為だと言われないよう走っているぞと見せるため、太腿を高く上げて装う。
そして見た感じは走っているようなのに、前に全然進まないという技を見せる。
こうして交代に時間を掛けて、試合時間を減らそうとしてきました。
それがどうやら今回のワールドカップでは厳格に計測されて、演技力で試合時間を減らすことは出来ないようだとわかった途端、海外の選手たちの交代が一気に早くなりました。
これまでなら交代選手がいるタッチラインのところまで、どんなに距離があろうとも、時間を掛けてゆっくりやって来た選手が、一番近いタッチラインから早々に外に出て、交代選手を早く中に入れるようにしていた姿が多く見られました。
狡さが消えたピッチでは、90分間の試合時間が確保されるようになりました。
これは喜ばしい。
正々堂々と戦う日本には有利な大会です。
ぜひ頑張って欲しい。
頑張れ!