手の先を

  • 2015年12月07日

冷え性の私は長年冬との戦いを続けてきました。
暖房を付けても手足が冷たい。
これまで試してきた靴下は数知れず。
「これで冷えが解消」だの「辛い冬とはオサラバ」などといった挑戦的な謳い文句を見つけると、この私の足先を温められるというならやって御覧なさいと、上から目線で思っていました。

遠赤外線が入った靴下は勿論のこと、ルームシューズを履いたり、電気カーペットを投入したりと様々なものにトライしてきました。
そしてブーツタイプの湯たんぽを見つけてからは、足の冷えとは本当にオサラバすることができました。

残ったのは手先の冷え。
以前室内で手袋をしてキーボードを叩いていたら、掌が汗ばんでしまい、湿疹ができてしまいました。
指先は冷たいのに掌は暑いと感じているなんて、なんちゅうメンドー臭い手だろうかと思ったもんです。

ブーツタイプの湯たんぽを購入したサイトを訪れてみると・・・同じシリーズで手袋と肩用タイプがあることを発見。
ブーツタイプ同様に、80度ほどの湯を入れて使用する模様。
これはいいかもしれないと購入しました。

早速使ってみると・・・肩用のに湯を入れて肩にのせます。
ネックレスのように首に巻きつく感じ。
それがほんわかしているので、とても気持ちいい。
と思ったのも5分だけ。
重い。
湯の重さで肩が凝りそう。
この本末転倒な感じは非常に残念。

で、気持ちを切り替えて手袋の方を使ってみると・・・これはとてもいい感じ。
やはり重いのですが、椅子に座り両足の太腿にのせます。
で、中に手を差し込む。
するとじんわりと温まる。
それがこちらです。
P1010398
手だけじゃなく、太腿までついでに温めてくれるのも嬉しい。
執筆中であっても、ずっとキーボードを叩いているわけではなく、考えたり悩んだりで、手が止まっている時というのは結構あります。
そうした時、すっと手を手袋湯たんぽに入れる。
ぬくぬくさが、ほんのちょっと幸せな気持ちにしてくれて仕事が捗る・・・となって欲しい。
最後は願望になりましたが、これでこの冬を楽しく乗り越えていきたいと思っています。

文庫「頼むから、ほっといてくれ」が発売になります。

  • 2015年12月03日

文庫「頼むから、ほっといてくれ」が発売になります。
12月4日から書店に並び始める予定です。
P1010565
トランポリン競技に青春をかける選手たちを描きました。
といっても選手だけでなく、親やコーチ、審判員といった人たちも登場しますので、競技にあまり興味のない人も楽しんでいただけるのではないかと思っています。

私はスポーツ観戦が好きです。
まるで人生の縮図のようだから。
一生懸命努力しても報われないことが多いし、環境や資質に差があって不公平だったりもする。
緊張が本来の力を奪うこともあるし、怪我というピンチもある。
そうした喜びと苦しみがぎゅっと凝縮されたものを、スポーツ選手に見るのです。
勝った者、負けた者、すべての人にドラマがあって人生がある・・・目が離せないってもんです。

またアスリートの発する言葉は心に響きます。
たとえば・・・「自分を信じて」という言葉をアスリートはよく言いますね。
これ、多分自分を信じられなくなることがしょっちゅうあるんだと思うんです。
その裏返しとして「自分を信じて明日の試合に臨みます」と自分に言い聞かせるようにコメントをするんじゃないでしょうか。

作家稼業も自分を信じられなくなる毎日です。
今日書いた原稿は、少しはましなものだったろうか。
方向性をまったく変えて、違う作品にした方がいいんじゃないか、なんて不安を抱えています。
でも答えは誰ももっていないので「これでいいんだ」と自分を説得して、翌日も原稿の続きを書きます。
これを半年近く続ける毎日。
不安な状態が長く続きますから、毎日「自分を信じろ」と己に言い聞かせなくては、とてもやっていられません。
この時の心情が、アスリートの心情に近いように思い、勝手に親近感を覚えています。
毎日の地味な練習が結果に繋がると信じて不安を吹き飛ばすしかないアスリートの言葉が胸に刺さってくるのも、私が抱える心細さに似ているように思えるのです。

「頼むから、ほっといてくれ」がスポーツ選手の話といった面だけでなく、様々な人生の素晴らしさと苦さを味わえる小説になっているといいのですが。
興味をもたれた方は、是非ご一読を。

キーボードに

  • 2015年11月30日

毎日いったい何時間ぐらいキーボードに触れているかと考えると・・・結構な長時間だと気付き、びっくりします。
稀に誰かのキーボードを使う必要に迫れて手を置くと、配列は同じはずなのになんとも打ち辛くて、他人の服を着てしまったような違和感まであるから不思議です。
長時間触っているうちに、キーボードと使用者が一体化するんでしょうかね。

長く接するものであればこそ、好みというのがあります。
私の場合キーボードは角度を付けて使用するのが好み。
たまに平らな状態で使っている人を見ると、こっそり裏返して小さいスタンドを立てちゃおうかという気持ちがうずうずします。

そしてなんといっても私にとって大事なのはリストレスト。
その名の通り、手首を休息させるための置き場。
これをキーボードにぴたりと付けて置き、そこに手首をのせます。
その様子がこちらです。
P1010383
様々なサイズが売られていますが、結構手を左右に動かすようで、小さいものだと手首が落っこちちゃうので、キーボードよりも長さのあるものを買います。
私の手首はオイリーなのか、使っているうちに変色してしまい、ちょっと見っともない状態になります。
それで年に1度程度買い替えています。
マウスパッドも平らなものではなく、リストレスト付きのものを選ぶようにしています。

自宅に遊びに来た友人が、こうしたキーボード周りを見て「随分と手首に優しい女なんだね」と言いました。
優しいです、手首には。
リストレスト普及委員もかくやというほど、私は熱心に友人にそれの素晴らしさを伝え、使ってみてくれと促しました。
友人はリストレストに手首をのせ、しばらく動かしていましたが、やがて手を離すと「私はない方がいいや」とコメント。
いやいや、最終結論が早すぎると、私は再考を促しました。
友人は渋々といった様子で、もう1度リストレストに手首をのせてキーを打ち始めました。
その手元を見ていて、あることに気が付きました。
友人の指の動きがやたら軽快。
響く音もソフト。
私がキーボードを叩く音はもっと大きいぞと、その違いについてあれこれ考え出すと・・・。私が初めてキーボードを叩いたのは、遥か昔。
パソコンが出る前のことで、ワープロというものが最初でした。
当時のワープロはキーの1つひとつに結構な高さがあり、それを強く叩きつけないといけなかった。
時代と共にキーの高さはどんどん低くなっていきました。
そして「パソコンを買い替える度にキーの高さが低くなって、押した感じがしないなぁ」なんて思うように。
これが原因かも。
強く叩かなければいけない頃の習慣で、今じゃ必要ないのに、無駄に強く叩いているのかもしれません。
それで他の人と比べて手首の疲れを強く感じていたのかもしれませんね。
今回は珍しく正解に近い辺りに辿り着いた気がするのですが、どうでしょう。

駐車場に

  • 2015年11月26日

自宅近くには時間制駐車場がたくさんあります。
一つひとつはとても小さく、2~3台しか停められないところがほとんどです。

ある日、時間制駐車場の横を通り過ぎようとすると・・・精算機の足元に長ネギが2本。
当然ながら足は止まり、じっと長ネギを見下ろすことに。
naganegi
どうしたんでしょう、これ。
誰かの忘れ物なんでしょうか。
駐車エリアに落ちていたのを見つけた人が、わかり易いようにと精算機の足元に置いていったのか。
いや、そもそもここに長ネギを置き忘れた人がいたのかも。
精算をしようと財布を出した時、長ネギを持っていると片手が塞がってしまうので、ちょいと精算機の足元に立て掛けた。
で、精算をしたら長ネギのことを忘れてしまい、車に戻って出庫した・・・といった方がアリそうですね。
が、どうもすっきりしない。
この推測では、片手に長ネギを2本だけ持っていた人がいたというところから始まっています。
2本の長ネギを片手に持っている人を見たことがありますか?
私はありません。
長ネギを持ち歩いている人というのは、たいていレジ袋にほかの食材と一緒にといった状態。
2本の長ネギだけを小脇に抱えている人など見たことない。
フランスパンを小脇に抱えている人なら、雑誌の中で見たことがありますが。

精算機の足元にレジ袋ごと忘れていったというのなら、ドジねぇで済むのですが、2本の長ネギだけとなるとミステリアスです。
スーパーで買い物をしたとします。
時間制駐車場に戻ってきて、レジ袋を車の助手席に置いたとしましょう。
さて、精算しなきゃと財布を持って精算機の元へ。
この時、長ネギを2本だけ手に持ち精算機へ向かうでしょうか。
向かわない。
ということでこの案を却下し、2人いたと仮定してみます。
買い物を終えた2人のうち、1人は車へ、もう1人は精算機へ。
財布を出そうとした時、片手の長ネギが邪魔なのでちょいと精算機の足元へとなると、この人は長ネギ2本だけを運んでいたことになる。
2人連れで持ち歩くレジ袋の分担が、1人が長ネギ2本だけになるケースってあるでしょうか。

しょうもないことであれこれと考え始めたものの終わりがまったく見えず、なんだかすっかり疲れ切ってその場を離れました。
いつかこの謎を解く日が来て欲しいと思っています。


Copyright© 2011-2025 Nozomi Katsura All rights reserved. No reproduction and republication without written permission.

error: Content is protected !!
Copy Protected by Chetan's WP-Copyprotect.