包丁

  • 2023年12月18日

包丁は何本おもちですか?
私は万能包丁1本のみで頑張ってます。
この1本に頼っている割に愛情は掛けておらず、何年も砥いでもいません。
砥ぐ時の音がダメなんですよねぇ。
我が家の包丁は、愛情を貰えていないのにグレたりせず、ちゃんと物をカットしてくれているので、このまま行けるところまで行きたいと思っています。

友人A子は結婚した時に、姑からA子の名前を刻印された包丁10本セットを、プレゼントされたそうです。
姑は料理上手。
10本もの包丁を使いこなす達人だったのかも。
だから「この程度はお使いになるでしょ?」ぐらいの軽い気持ちで贈ったのかもしれませんが、受け取ったA子は、ズンと気持ちが沈んだと言っていました。
プレッシャーを感じたんだそうです。

色々あって5年後にA子は離婚することに。
ほとんど使わなかったその10本の包丁を、元夫が暮らす部屋に送り付けたやったそうです。
「貰って困れ」との思いからだったとのこと。
元嫁の名前が刻印された包丁を、新しい妻が使うかどうかは分からないし、興味もないらしいのですが、包丁を返すことで、元夫とその家族との縁がちゃんと切れたような気がして、すっきりしたと言っていました。

その後A子は、10歳年下の人と付き合うようになりました。
彼はイタリアンのシェフ。
A子の部屋にある万能包丁1本で、美味しい料理を作ってくれるそうです。
「いつも作って貰っているから、お礼の気持ちを込めて鍋のセットでもプレゼントしようかな」などとA子が言い出しました。
「包丁はプレッシャーだったのに、鍋はいいんかい」と突っ込んでおきました。

新刊「この会社、後継者不在につき」には、包丁を製造し販売する会社で働く人たちが登場します。
社長が急死し、後継者は誰になるのか社員たちは噂をし合い、不安を募らせます。
会社が選択したのはまさかのM&A。
リストラが行われるのか、自分はクビにならないかと戦々恐々とする日々。
怖いですよね。
不安で胃が痛くなりそうです。

スーパー受け身だった社員が、なんとかしなくちゃと奔走し、変わっていく・・・そんな姿を描いています。
未読の方はぜひお買い求めください。

バイト

  • 2023年12月14日

高校生の頃、喫茶店でバイトをしていました。
1階ではパンとケーキを売っていて、2階はそのパンを使った、サンドイッチなどを出す喫茶店になっていました。
私はパン売り場を希望したのですが、人が足りていると言われてしまい喫茶部門で働くことに。

喫茶店では1階で売っているケーキを、食べることも出来ました。
ケーキのオーダーが入ると、階段を下りて1階へ。
ショーケースからケーキを1ピース取り出して皿に。
階段を上って客に出すという流れ。

まだぴっちぴちな年齢だったのに、その頃からメンドー臭がりだった私は、この階段の上り下りが嫌で、どのケーキにしようかとメニューを見て迷っている客には「注文するな光線」をあてていました。

ある日、ショーケースからケーキを1ピース出していた時、隣のケースのホールケーキに目が留まりました。
生クリームの上に載った苺が、ちょっと傾いでいました。

2日後、またショーケースからケーキを1ピース取り出そうとして、ホールケーキに目が。
苺が傾いでいる。
ん?
2日前に見たケーキっぽいような気が。
いやいや、2日前の生ケーキを売る訳がないから、苺は傾いでしまいがちなのだろうと思う。

翌日。
嫌な予感を抱えながらホールケーキをチェックすると・・・寸分違わぬ傾き加減の苺を発見。
もしかして、もしかするのだろうか。
だが「これって3日前に見たケーキですか?」と高校生の私は聞けない。
でも聞きたい。

そこで「ホールケーキってよく売れるんですか?」と先輩に遠回しな質問をしてみる。
すると「ホールケーキはあんまり売れない」との回答が。
「そうなんですか。なんか捨てちゃうの、勿体ないですね」と言ってみる。
「なるべく捨てないようにしてるけどね」と意味深な答え。
私が固まっていると、先輩は自分の口の前で人差し指を立てて「内緒だよ」と楽しそうに言いました。

衝撃の告白に口あんぐり。
そこで働いていた1年の間、先輩から「これ、食べなよ」と店の品を勧められる度に「ダイエット中なんで」と断り続けました。

安心してください。
その後その店は潰れました。

世の中にはそんなとんでもないケーキ店もありますが、新刊「この会社、後継者不在につき」に登場するケーキ店はちゃんとしています。
売れ残った生ケーキを何日も売ったりしません。
真面目に商売をして、10店舗を展開するまでになりました。

社長の目下の悩みは後継者問題。
2人の息子が父親の元で働いています。
どちらに会社を任せるべきなのか。
自分がいなくなった後、兄弟で手と手を取り合って、店を盛り立ててくれるのかを心配しています。
そこで中小企業診断士に相談。
どうやって後継者を決めることにするのか・・・それは本書でご確認ください。

ブランド

  • 2023年12月11日

ここ数年よく買っているファッションブランド。
日本の若い女性デザイナーが始めたブランドです。

通販からスタートしたようですが、今ではいくつかの店舗を構えるまでになり、どんどん成長している模様。
ただの一ファンですが、なんだか私まで嬉しくなります。

私はニットの服が好きなのですが、その素材の特性からか、カジュアルなデザインのものが多い。
でもカジュアルなものは得意ではない。
またサイズも1つしかないことも多く、なかなか「これ好きー」と言えるものに出合えないでいました。

そんな中で出合ったこのブランド。
カジュアルではないニットのワンピースなどが多く、サイズ展開も豊富な上、価格もお手頃。
毎週送られてくる新着情報のメールを、心待ちにしています。

このデザイナーが話しているのを、動画で見たことがあります。
夢にまで出てくるくらい、常に服のことを考えていると語っていたのが印象的でした。

ファッションデザイナーなんて、格好良くて憧れの職業ですが、物凄く大変な仕事でもあるでしょう。
好きな服を作っていればいいってもんじゃない。
売れる服を作らなければいけないのですから。

新刊小説「この会社、後継者不在につき」には、オリジナルバッグを販売する店を、経営する女性社長が登場します。
デザインもこの社長が行います。
応援してくれるはずの人が突然いなくなり、孤独に耐えながら、歯を食いしばって仕事をしてきました。

キツい口調で部下たちを叱るのは、不安の裏返し。
でもそんな社長の本心は理解されず、怖い人と思われている。
そして気が付けば、引退を意識しなくてはいけない年齢に。
誰に会社を任せるのかという難題に取り組みます。

会社を愛しているからこそ、後継者の人選には厳しい目であたる。
安心して任せられる人に託したいから。
でも部下たちの中に、お眼鏡に叶う人物はいない。
さて、どうする・・・・といった物語です。
未読の方はぜひ「この会社、後継者不在につき」をお買い求めください。

M&A

  • 2023年12月07日

ある日突然、勤めている会社が、別の会社から買収されたと聞かされたら・・・どんな気持ちになるでしょう。
びっくり仰天し過ぎて、頭も心も真っ白になるのでは。

新刊「この会社、後継者不在につき」の中には、このような状況に陥る人物が登場します。
小さな会社でのんびりと会社員生活を送っていた浩紀は、今の生活に満足していました。

ところが社長が急死。
これから会社はどうなるのだろうかと、社員たちは噂をしあいます。
専務が社長に?
いやいや、奥さんじゃないのか?
などと見立てを披露し合っては、不安にかられていました。
大方の予想に反して会社はM&Aを決断。
別の会社から買収されるという。
浩紀たち社員はどうなってくのか・・・。
続きは本を入手してお楽しみください。

「この会社、後継者不在につき」は小説ですが、実際にこのような事態に、直面する会社員たちは結構います。
これまでの常識が根底から覆されて、なにをどうしたらいいのかと、途方に暮れるといった話をよく聞きます。

良くも悪くも、会社にはルールや慣習があります。
それらに馴染むように働いていたからこそ、現在のそこそこ快適な会社員生活があったのに、そうしたものをすべて見直しますからなんて言われたら、困っちゃいますよね。

友人A子はこうした経験をしました。
勤めている会社の経営が厳しいと、薄々感じていたそうですが、まさか買収されるとは予想していなかったそうです。
しかもそれまでライバルだった会社から買収されるなんて、青天の霹靂だったといいます。

新体制が発表され、配属された新設の部署の名前が、やたら長い割になにをする部門なのか想像がつかず、不安で吐きそうになったと言っていました。
上司となった部長はライバル会社の社員だった人で「これからは仲間として共に頑張っていきましょう」などと言われても、そんな言葉は心に全然入ってこなかったそうです。

会う度に愚痴を言っていたA子。
百万回ぐらい辞めようかと思ったそうですが、十年後の今もそこで働いています。
A子曰く「ある日突然、今日から異国で暮らせと言われたようなもので、毎日カルチャーショックを受けていたけれど、住めば都、郷に入れば郷に従えと考えるようして、なんとか過ごしてきた」とのこと。

働くって大変です。
でも働く中で経験したこと、学んだことが、人を成長させてくれる。
そう信じています。


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