口内炎が痛くて痛くて。
5日前に舌に激痛が走り鏡を覗きました。
舌の横に白いぽちっとしたものが。
口内炎です。
ちょうど歯と当たっている部分のため、なにもしていなくても痛い。
こんな状態なので咀嚼が大変に。
口内炎があるのは舌の左サイド。
口内炎に食べ物が当たらないよう、右の方に集めようとしてみる。
が、集めるためには舌を動かさなくてはいけない。
でも舌を動かせば激痛が。
どうすりゃいい?
しょうがないので痛み止めの薬を飲んで、多少痛みが小さくなったところで再トライ。
痛みがゼロとはならないものの、我慢出来るぐらいにはなったので、なんとか食事を終えることが出来ました。

問題は歯磨き。
必死で舌を右方向に引っ張り歯から離す。
そうして出来た空間に歯ブラシを入れて、動かそうとしてみる。
しかしどんなに舌を右に引っ張っても、ゆとりの空間は生まれはしない。
小さめヘッドの歯ブラシでも当たってしまう。
歯ブラシを動かした途端に激痛に襲われ、絶叫しながらのブラッシングに。
泣きそうになりました。
このまま痛みに耐え続けるしかないのかと、うんざりしている時、ふとデスクの端に鎮座するスプレーに目が留まる。
それは喉が腫れたり、痛くなったりした時に、患部に噴射するタイプの薬。
私はしょっちゅう喉が痛くなります。
慢性の副鼻腔炎の影響ではないかと、自分なりに解釈しています。
病院に行くほどではないので、市販薬で済ませたい。
こんな時に使っていたのが、この噴射タイプの薬でした。
しばしば喉が不調に見舞われるので、すぐに手に取れるようデスクの端に置いていたのです。
容器の裏の説明書きをルーペを使って読んでみたら・・・口内炎にも効果があるとなっている。
おっと。
どうして喉の痛みにも、口内炎にも効果があるのか、その理由は分かりませんが、とにかく丁度良かったと口内炎に噴射したら・・・大激痛。
それまでの痛みの百倍は痛い。
どうして?
この痛みを我慢した先に快癒が待っているの?
一刻も早く治したい私は、この痛みを受け入れることに。
1日数回シュッと口内炎に噴射。
その度に「イッテー」と大声を上げる。
これを3日続けたのですが、痛みは小さくならないし、口内炎のサイズにも変化なし。
治っていっている気配がない。
ネットで調べてみたら、口内炎は5~7日程度で治るとなっていました。
もう3日。
なにもしなくても同じじゃね? と思い至り、噴射を止めることに。
そして今日は5日目。
痛みはほとんどなくなりました。
なにもしなくても、痛みを我慢しても、同じ日数で治るのであれば、早く治そうと痛みを我慢していた私はなんだったんでしょう。
今年、関東の桜の開花は早かったですね。
前の住まいの隣に、一本だけ桜の木がありました。
普段はそこに木があることなんて、意識に入ってこないのですが三月になると違います。
まずその木の下で立ち止まり、スマホで撮影している人を見掛けるように。
皆、蕾の状態を確認しているのです。
そして私も。
足を止めて蕾を見つめます。
こんなに大勢から咲くのを待たれる植物って、他にないですよね。
電車の車内から窓外の景色をぼんやりと眺めている時、ぱっと桜が目に入ると、それだけで今日はいい日だなんて思えます。

これだけ美しく存在感のある花ですから、小説の中に何度も登場して貰ってきました。
「残された人が編む物語」では登場人物の1人が、池の周囲を飾る夜桜を、高台の邸宅から眺めるシーンがあります。
浮かれ騒ぐ周囲の人たちとは違って、彼は寂しい気持ちで夜桜を眺めます。

また文庫「じゃない方の渡辺」では、主人公が中学校の入学式の日に、桜の木の下で記念撮影をする家族らをちらっと見るシーンがあります。
彼女は記念撮影はせずに、父親と2人で家路につきます。
どちらも桜だからこそ成立するシーンになっています。
「残された人が編む物語」で登場した池の周囲を飾る桜には、モデルとなった場所があります。
実家から電車で4つか5つ隣の駅に、大きな池がありました。
普段は閑散としたエリアなのですが、桜の季節になると一転、皆が吸い寄せられるようにそこに集まります。
子どもの頃は親に連れられて花見に行ったものの、桜は綺麗だけど、その下でブルーシートを敷いて騒ぐ大人たちには、眉をひそめていました。
大声で騒ぐし、喧嘩する人はいるし、毎年池に飛び込む酔っ払いが出るしで、本当に桜を見たくて集まってるのかなと首を傾げていました。
が、大学生になると、眉をひそめられる側になる。
ブルーシートの上で大騒ぎをして、飲み食いに興じました。
この体たらくが大人になるということでもあったりする。
働き始めるようになると、ブルーシートを敷いてというのがアウトになる。
お尻が痛くなるし冷える。
簡易トイレの行列に並ぶのもしんどい。
桜を窓越しに眺められるカフェとか、ホテルのラウンジでの花見を所望するように。
桜との距離は遠くなりますが、快適な場所を選ぶようになるのです。
楽ちんな方へと進んでいるものの、桜を愛でる気持ちは変わっていません。
多分これからも、小説の中に何度も登場することでしょう。
なにか資格をもっていますか?
私はなんにももっていません。
なんてざまでしょう。
あっ。
そういえば秘書検定の2級はもってます。
大学生の時になにも資格をもってないことに気付き、就活前に急いで取った資格でした。
この1つだけしかもっていません。
なにやってんだか。
自分に呆れます。
友人A子はとてもたくさんの資格をもっています。
会う度に新しいことを勉強しているのです。
A子はいつも好奇心と向学心に溢れています。
A子が顔を輝かせて、今勉強中のことについて語る姿を見る度に、私はサングラスを掛けたくなる。
眩しくて直視出来ないから。

先日、久しぶりにA子と会食。
勉強のプロともいうべきA子が、暗記力の低下を嘆いていました。
勉強の基本は暗記と理解。
この大事な暗記力が、年齢と共にダダ落ちしているのだとか。
以前なら1時間で覚えられたことが、3時間掛かるように。
そして忘れる速度は、以前の何倍も速いという。
だから繰り返し頭に入れる必要があるんだそう。
大変です。
そうやって努力を続けた上で、ドキドキしながら試験会場に行き問題を解く。
この緊張感に堪らなく興奮するんだとか。
この興奮を味わいたくて、勉強していると言っても過言ではないぐらい、病みつきになっているそうです。
分かるような、分からないような。
3月9日に発売になった文庫「じゃない方の渡辺」では、登場人物の1人の、資格試験に纏わる話が出てきます。
その人物は毎年受験しているのですが、合格出来ない。
ちゃんと勉強していないから。
毎年受験対策のために問題集を買うものの、開いた形跡がない状態。
試験日が近づいてきて、慌てて勉強するといった程度。
だから合格なんか出来ない。
仕事に必要なその資格の重要性は分かっている。
だから試験の申し込みをするし、問題集も買う。
だけどここで満足してしまう。
それで「今日は疲れているから明日やろう」が、「来週に」となり、「来月から」となっていく。
そして1年ってあっという間だなと気付く頃には、試験日が迫っているのです。
この人物の気持ちなら100%分かる。
小説「じゃない方の渡辺」の中のこの人物は、結局この資格がないこともあって、人生を大きく転換せざるを得なくなります。
そしてこれに家族も巻き込まれることに。
どのように巻き込まれ、どのように家族が生きていくことになるのかは、是非この小説を読んで確認してみてください。
先日、50代の友人A子が3回目の結婚をするというので、そのお祝いの席に参加しました。
1回目と2回目はイケメン君だったのですが、今回は「えっとー」という容姿の殿方。
50代になったA子は価値観を変えたのでしょう。
そのB男はニコニコと皆の話を聞き、穏やかな性格のよう。
今度こそ大丈夫そうだと、その場にいた全員が喜んでいました。
やがて誰かが、結婚を決めた理由を2人に尋ねました。
今度の結婚が2度目となるB男は「なにかなぁ」と言いながら、幸せそうな顔でA子を見つめる。
A子もB男を見つめ返し、同様に幸せそうな顔で「やっだー」と言って彼の腕を叩く。
そんな2人を微笑ましく感じるのは、彼らが50代であるからかも。
20代のカップルが同じことをしたら、見てるこっちが恥ずかしいのじゃと、声を荒げていたでしょう。
しかし50代のカップルなら、そんな赤面シーンも、これまでの人生色々あったけど、こうやって良き伴侶と出会えて良かったねといった心境になれる。

ところが。
A子が言い出しました。
「実は私たち、趣味が一緒なの」と。
A子の今の趣味ってなんだっけと、考えなくてはいけないほど、これまで彼女は様々なことにトライしてきた女。
すぐに夢中になるのですが熱が冷めるのが早く、こっちが付いていけないほど、A子の趣味は目まぐるしく変遷してきたのです。
A子が言いました。
「競馬」と。
途端に固まる参加者たち。
A子が明るく「デートはいつも競馬場なの。儲かったらそのお金で、豪華なディナーにしようねって約束してるんだけど、いっつもすっからかんになっちゃって、家でカップラーメンになっちゃうのよ」と言って笑いました。
こっちは全然笑えない。
A子のこれからが一気に心配になりましたが、本人が幸せそうなので、よしとするしかないのでしょう。
文庫「じゃない方の渡辺」の登場人物たちも結婚をします。
結婚を決めた理由は様々。
納得出来る決め手もあるし、そんなんで? と驚く決め手も。
そうして結婚した後、二人がどんな家族になっていくのか・・・見守って頂けると嬉しいです。